続きです。
今回は(ご褒美編)でございます。

前に読者様と何時も兄さんがお出迎えしてるから、偶には優男がお出迎えパターンを見てみたいと。それを聞いてずっといつ書こうかなぁ思ってたんですが……やっとその日が訪れました!
という訳で、今回は何時もとは逆な旦那様の奥様お出迎え話でございますっ

なーので結構甘いですよー?
覚悟した方がイイかもしれません(笑)とか自分でハードル上げて思いの外甘さ控えめだったらどーしよー(オイ

そんなこんなで。あの優男さんがお出迎えとかどんなんなるの!?見たいわ優男の甘やかし!なーんて言って下さる優男ペンな方はどぞっ!!←





【正しい気持ちの伝え方(ご褒美編)】



普段は仕事の多いキュヒョンを新妻さながら出迎えるイェソン。
だが時にはその逆もあるモノで。
1日オフのキュヒョンとは反対に、イェソンは朝から仕事が詰まっていた。朝一で雑誌撮影があり、その後はそのままインタビューへと突入。
それが終わると今度はバラエティ番組への出演。3時間程の拘束の末、午後を跨ぎやっと昼食。その後また違う番組の収録を熟すと今度はラジオ収録。

気付けば夕方も等に過ぎ。6時を回った頃に式の打ち合わせへと向かい。
宿舎へと帰宅出来たのは夜の8時を半分回った頃。グッタリ疲労を抱えたまま玄関の扉を開くと、見計らったようにキュヒョンが優しい笑顔で出迎えてくれた。

「おかえりなさい、ヒョン。」

「………ただいまぁ…」

そのままフニャリ膝から力を抜くと、キュヒョンの腕がイェソンの細い腰を引き寄せる。重力に逆らわないまま胸へと体を預けて、イェソンは深く息を吐き出すとキュヒョンの肩口へと頬を寄せた。

「お疲れ様です…」

「……ん……ちょっと、疲れた。」

コテリ頭を肩に乗せたままチロリとキュヒョンの顔を見上げる。
そうすれば違えず頬へと落ちてくる唇。柔らかくチュッと何度か頬にキスを貰えば、疲れた顔に笑顔が戻り。擽ったさと恥ずかしさからキュヒョンの胸元の服をキュッと握り締めて…
肩口に顔をコシコシ押し付ける姿にキュヒョンはだいぶ疲れているなとその背を優しく撫でた。

「今日は相当疲れてますね…」

隠れていない耳へと唇を寄せるとピクリ揺れた肩のまま、やっと顔がキュヒョンへと向けられる。

「……俺、頑張った。」

ムゥっと唇を尖らせたままの言葉。前よりは甘える度合いも減ったものの、こうして疲労が溜まっていたりするとイェソンは全身で甘えてくる。
恐らく本人は無意識でやっているのだろうが…それにキュヒョンはクスリ笑うと尖ったままの唇へと軽くキスを一つ。チュッと音を立てて落としたソレにイェソンは目元を染めて。

「………もっかい…」

もう一回。視線を外して今度は頬をプクリ膨らます。
なんとも可愛らしい行動にまだ玄関なんだけどなぁとは思いつつ。ハイハイとまた軽くキスを一つ贈ってやって。

「おかえり…ジョンウニヒョン。」

「………ただいま…キュヒョナ…」

コツリ額を合わせて。もう一度挨拶を交わすとイェソンはやっと柔らかい笑みを浮かべてキュヒョンの背中へと腕を回した。





「これ……キュヒョナが…?」

一頻り玄関先で甘えて。
夕食が出来てるからと促されたダイニング。四人掛けの余りデカくは無いテーブルの上。其処には明らかに手作りされただろう食べ物達が鎮座していた。野菜炒めに玉子焼き、焼き魚といった他にも何品かのオカズ達が湯気を立てていた。

「上に居る間に仕込まれたんです。」

今まで料理など皆無に等しかったキュヒョン。それにイトゥクは叱咤したのだ。今どきは旦那とて料理が作れてなんぼなのだと。共働きともなれば尚更…だからと別居の間延々仕込まれたのだとキュヒョンは少し困った様に笑う。

「貴方の腕には遠く及びませんけどね?」

後ろから抱き竦められて、肩越しにそんな事を言って顔を覗いてくるキュヒョンへと。イェソンは揺れる瞳を隠さないまま胸元に回っていた腕をキュッと握り締めて一言。

「………うれしい…」

こうして帰宅して、大好きな相手の手料理が迎えてくれる。
その事がこんなにも嬉しいモノだとは思ってもみなかった。ともすれば、嬉しすぎて泣きそうになった瞳にキュヒョンはクスリ微笑んで。

「僕はね?何時もそうやって、嬉しいさを感じているんですよ?」

だからありがとうの意味も込めてなのだと優しい唇が頬に触れてくる。
そうしながらも食事は温かさを失ってしまうからと、緩やかに外された腕のままイスへと座らされた。

「少しは食欲、湧きました?」

ニッコリ笑顔のキュヒョンへと、イェソンは水分量の増した瞳のままコクリ頷き、同じようにニッコリ笑って箸を取った。



「お腹いっぱいー。」

フゥッとイスの背もたれへと身を預ける。満腹過ぎてキツイと言う顔に笑ってキュヒョンは空の食器を流しへと運び手際良く片付けていく。
近頃のイェソンは本当に余り食事を摂らない。食欲を減退させてしまった体は痩せる一方で、それをキュヒョンは心配していた。だが今日は作ったモノ全てをその胃へと収めてくれたのだ。

「よく食べましたね。」

いい子とばかりに頭を撫でて。それにポワンと頬が赤くなる姿は、いつ見ても飽きない反応。今日はソンミンとリョウクの帰りは深夜だという事もあり、反応が一層素直に出ているのだろう。

「少ししたら、お風呂に入りましょうね?」

それまではとキュヒョンはイェソンの手を取りリビングへと移動して。
一人ソファへと座ると自分の膝をポンポンと軽く叩いた。

「だから…たまには、ね?」

甘えていいんだよと。別居解消以来、二人でいる時でも余り甘える事をしなくなったイェソンへのご褒美に。
また甘えてばかりいたら元に戻ってしまうかもとイェソンは我慢していたのだ、甘える事を。それを判っていたから敢えて甘えさせてはいなかったけれど。
こうして頑張って来たイェソンへと、たまには。


「おいで……?」


立ったままの手をクイッと引いてやると、イェソンは引かれた手のまま揺れた瞳を向けて。キュヒョンの膝上へと素直にその身を落とした。


真正面からの抱っこは何時ぶりだろう?別居解消をしたあの夜以来じゃないだろうか?
そんな事をボンヤリ思いつつ、イェソンはキュヒョンの首筋へと腕を回して体を密着させる。ギュウッと音が出るんじゃないかという程強く抱きついて、キュヒョンの頬へと自分の頬をソッと寄せた。

「………抱っこ…」

「……してるでしょう…?」

ポンポンと背中を叩く腕が優しい。密着した体からキュヒョンの体温が伝わってきて、荒んだ心が癒されていく。それでも、まだ足りない。

「………や。」

もっと、ギュッて。

「もっといっぱい……抱っこ…」


「………今日は、特別ですよ…?」


抱き締めていた体を一層深く引き寄せて、仕方ないなぁと苦笑したまま。
向けられた顔を少し首を傾げて覗き込んでやって。

「沢山抱っこ……してあげましょうね…」

沢山沢山抱き締めてやる。言葉と同時に目の前の瞳へと唇を寄せて。
やっぱり目元を染めてしまうイェソンに少し体が熱くなるけれど、今日は無視を決め込む。だって今日のイェソンは抱き締めて欲しいだけだから。
癒しを求める体を存分に甘やかしてやりたい。

「いっぱい…頑張ったもん……」

チュッと次々に触れてくる唇。それをもっとと求める心に、キュヒョンは何度も何度も繰り返しキスの雨を降らせて。


「よく、頑張りました……」


甘えてくる唇へと今日最大級のご褒美をあげるべく、優しい笑みと共に目の前の唇を甘く甘く塞いでやり。

その久しぶりの甘く優しい空間に、イェソンは心の底から笑みを零した。







※ひっさしぶりの激甘空間っ!
これぞ正きもって位甘くしてみましたがー…如何だったでしょうか?
甘える事を我慢出来るようになった兄さん。でもやっぱり甘えたい時はある。それを旦那様は判ってるんでしょうねぇ…

って甘やかし過ぎてませんかね優男さん(笑)






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