続きです。
今回は(不意打ち編)でございます。

少し連続でお休みをしてしまいスイマセン(汗)
お話の流れを忘れるんじゃないかと自分でハラハラしましたが←
そんな今回は少し部外者を入れてみよーかと(笑)
このお話では初登場のあの方がお目見えしておりますよあんまり喋ってませんけどっ(え

まぁ結婚となるとね、あの方には直接ご報告せねばと。
久しぶりの正きもなので変な流れや書き方になってるかもですが、軽く目を瞑ってやって下さいませっ!!

でーはでは!早く結婚させろよイヤイヤそろそろか!?なーんて二人の結婚式にソワソワしつつ、あの方が気になるなぁと仄かに思う方はどぞっ!!









【正しい気持ちの伝え方(不意打ち編)】



今日は皆揃っての久しぶりのオフ。
12階メンバーは二人の結婚式用にスーツを新調するんだと意気込んで出掛け、11階メンバーはと言えば。とある人物を招き小さなパーティーを開催していた。その中心にはこのパーティーの主役であるキュヒョンとイェソンがいたのだが。

「………飲み過ぎですよ、ヒョン。」

少し低い声にイェソンはンー?と顔を上げてキュヒョンを仰ぎ見た。

「だって、お祝いだもんっ」

プウッと頬を膨らませつつ横に居る人物へとコテリ肩へと頭を乗せる姿は何とも可愛らしい。が、その相手が相手なだけに。
一緒にいたソンミンとリョウクは複雑な表情を浮かべた。

「コレ、美味しいですね。」

ニッコリ笑顔でイェソンの顔を覗き込む相手。
このパーティーを開催するキッカケになり、かつ二人とは縁の深い人物。
それは……

「ほんと?……それ、俺が作ったやつ……」

照れた様に頬を染め、相手の顔を見上げたイェソンの目線の先。
其処には二人とは縁の深か過ぎる相手、チャンミンその人の姿があった。


「……別にパーティーなんて開かなくても良かったと思いますけど。」

キュヒョンの言葉にイェソンはムゥっと唇を尖らせたまま。
横に座るチャンミンの腕へとスルリ腕を回して。

「俺、チャンミナにお祝いして欲しいっ」

な?なんて見上げた先のチャンミンはニッコリ笑顔のまま。
結婚発表を明日に控え、その前にどうしてもと言い出したのは他でも無いイェソンで。昔から可愛がっていたチャンミンには先に直接報告をしておきたかった。その想いを汲み取りキュヒョンも頷いたのだが。

「それは判りますが…」

何もそんなにベッタリ張りつかなくてもイイんじゃないだろうか?
そうキュヒョンは言いたいのだ。もう結婚も決まり、イェソンの心は自分にある。それは充分に理解しているが、それでもやはりキュヒョンも男だ。
自分の奥様となる相手が他の男に目の前で抱きつく姿にイイ気はしないだろう。

「ヒョン…キュヒョナがヤキモチ焼いてますよ?」

キュヒョンの気持ちを察したのだろう。だがチャンミンからの言葉は離れた方がイイというよりは少し面白がっているようにも取れて。
悪友に近い二人。その仲の良さはイェソンすら嫉妬する程だ。だからこういう場面をチャンミンは面白がっていたりするのだ。

「キュヒョナが?……ほんと?」

キョトン顔のイェソンはチャンミンに張りついたままキュヒョンを仰ぎ見る。こういう関係になってから、キュヒョンは嫉妬らしい嫉妬を見せた事が無い。何時も優しく堂々としていて。自分の行動を全て許してくれる。
だから嫉妬なんて言葉が想像つかないのも無理はないだろう。

「キュヒョナ……嫉妬、する?」

ジーッと見つめてくる瞳は酒で少し潤んでいて。何となく心擽られるモノがあるけれど、この親友の前でそんな気持ちを少しでも出したが最後。
きっと一生言われ続けるだろうとキュヒョンは平静を装ったままニッコリ優しく微笑んだ。

「して欲しいんですか…?嫉妬……」

少し首を傾げて見せるとイェソンはポッと頬を染め、チャンミンの腕へと顔を埋めてしまって。
普段ならばソコには自分がいる筈なのだが。ソコはやはりグッと我慢を決め込んでキュヒョンは黙々と酒を喉へと流し込んでいく。
そうなると居心地が悪いのは他の二人だろう。

「あー…と。コレ美味しいよなぁリョウギっ!」

「え、あっ、うん!流石ヒョンだよねっ。料理の腕が上達してるもんっ」

無用な褒め言葉だがそれでもイェソンには充分な効力を発揮するらしい。

「俺……いい奥さんに、なる?」

頬を染めたまま聞いたのは、やはりというか何故かチャンミンその人で。

「ええ……コイツには勿体無い位、いい奥さんになると思いますよ?」

ボクが貰いたい位です。

サラリ言う姿はキュヒョンの姿と重なる。その事にボッと顔を赤くしたイェソンに、今度こそキュヒョンはチャンミンから離れさせる為にとその腰に腕を回した。

「貴方は僕の奥様になるというのに……」

他の男に目移りですか?

「っ何言って」

「駄目でしょう?」

貴方は僕の貴方です。


キッパリ言われた事に、イェソンだけでは無くその場の全員が動きを止めた。こんなにもあからさまに嫉妬という形を表に出すキュヒョンは珍しい。というか、初めて見るかもしれない。
当の本人は既に周りが見えなくなっているのか、イェソンの腰を抱いたまま。その身を引き寄せて間近の黒い瞳を捉えていて。

「お、落ち着きなよキュヒョナっ」

お客さんの前だよっ!リョウクの声すら聞こえていないようにただイェソンの瞳を見つめる。
ソンミンも同じように慌てたのだが、チャンミンはといえば殊の他冷静を保っていた。それはキュヒョンの本質を判っていたから。普段は見た目には出さない嫉妬も、こうして的確に刺激してやればその嫉妬心に火が点く。
知りたかったのだチャンミンは。キュヒョンが何処までイェソンの事を想っているのかを。

「………思ったより、大事にしてるって事か…」

ポソリ呟いた言葉は静かなモノ。それでもキュヒョンの冷静さを取り戻させるには十分な言葉の響き。

「………お前……タチ悪過ぎ…」

未だ驚きのまま動けないイェソンを尻目に、キュヒョンはジトリ目をチャンミンへと向けて。試された事を知ったその顔にチャンミンは不敵な笑みを浮かべて見せた。

自分を研修生の頃から面倒見てくれた大事な兄。その兄を何処まで愛しているのか。何処まで深く想い、それが本物なのか。その事が知りたかった。
大切な兄を幸せにする相手は自分の目で確かめる。その為に今日この場に自分は居るのだからと。

「俺だって、ヒョンは大事だって……知ってるだろ。」

フッと笑む姿は最強と謳われるに相応しい表情。
言われた事にヤレヤレと肩を竦めて、嵌められた事にキュヒョンは抱き寄せていたイェソンの体を離そうとしたのだが。

「………かわいい…」

「……………え?」

ポソリ呟いた声は酔いのせいか力は無かったものの、ハッキリと全員へと聞こえる音。発せられた先には頬をポワンと染めたイェソンの姿が一つ。

「嫉妬するキュヒョナ……何か、かわいい…」

キョトリ瞳を瞬いて。そんな風に言うイェソンはそのままキュヒョンの両頬を包み込むと。


「……でも……俺はキュヒョナのだから……」

ヤキモチ、焼かないで?

チュッ。

「キュヒョナ……あい…してる…」


そのまま。肩口へと顔を埋めてスーッと寝息を立てたイェソン。
それを周りは呆然と眺めるしか無くて。
いつの間にか結構な酔いの回っていたイェソンは可愛らしい笑みを浮かべ、キュヒョンへと寄り添い寝息を立てていた。その姿に暫くの間周りは動けなかったのだが。


「………お前……不意打ちに弱いんだな…」

チャンミンの一言に呪縛が溶けたかのように周りの時間が動き始める。
ソンミンとリョウクが目を向けた先。
其処にはイェソンの体を抱えたまま、不意打ちにキスを受けた唇を抑え顔を赤くしたキュヒョンが一人。

「…………うるさい。」

チャンミンの言葉に赤い顔を隠すように、酔ってあらん行動を周りへと見せつけたイェソンの肩口へとソッと顔を埋めて。
さてこの状況をどう切り抜けるべきか。

平静を取り戻す為にと、それはそれは深い息を吐き出した。





※優男さん、照れるの巻(笑)

普段から冷静で何にでも柔軟に対応する優男さん。そんな彼が慌てるなんて事があるのかと。そう思い書いてみたのですがー……

酔っ払い兄さんに見事翻弄されましたねぇ(笑)
まぁ慌てる的感じでは無いので玉砕に近いかもですがー。
しかし久々更新がコレかって話?←






Android携帯からの投稿