またもや久しぶりの更新となってしまいました。
お久しぶりですって事で、今回は(再教育編)でございます。

結婚までのカウントダウンが始まったという事は、そろそろ終わりも近くなっているというね!
そんな中で再教育ってなんぞ!?という声も聞こえてきそうですがー(笑)


ほら、兄さんぽややんですから(え
色々と教育的指導せねばならんのですなぁ旦那様たいへーん←



という訳で。さぁ参りましょう!!
今回はどんな再教育受けるのさ?まーた可愛く怒られちゃうの?仕方ないから読んだるよ!なーんて可愛いけど危なっかしいぽややん兄さんが好きな方はどぞっ!!








【正しい気持ちの伝え方(再教育編)】



「そういえば新婚旅行ってドコ行くの?」

ウニョクの言葉に、イェソンは洗濯物を畳んでいた手をピタリと止めた。


「新婚旅行……?」


目まぐるしく過ぎた数ヶ月。結婚が決まり、後は式を待つばかりとやっと落ち着いた中。イェソンは大事なイベントの一つである新婚旅行をすっかり忘れていたのだ。
ともすれば途端にフニャリと顔を歪めた姿に、慌てたのは勿論問い掛けたウニョクの方。

「いや、キュヒョナの事だから大丈夫だって!」

何が、とまでは言わずとも判るだろう。
あのキュヒョンが美味しい新婚旅行というイベントを逃すとは到底思えない。イェソン以外には未だブラックを存分に出してくれる末っ子なのだ。きっと仕事の調整もして、既に行く場所を決めているに違いない。

「……ほんとに?」

コトリ首を傾げつつ、潤んだ瞳で見上げてくる姿に一瞬目眩を覚えた。この人は本当に自分よりも年上なのだろうか?
というか、何時からこんなに可愛い人物になったんだと頭を抱えたくなる。

(なーんで皆いないんだよっ!!)

だああっ!なんて声を上げたいが、不安に揺れる瞳は不幸にも今は自分に向けられている。

「ほら、あれだよ!えー…と……」

ジィっと見つめてくる視線が痛い。座っていたソファからズリ落ちるようにして、足元へと広がる大量の洗濯物へと目線を向けてアタフタとソレを掻き集める。周りから見れば酷く挙動不審と言えるだろう行動にも、イェソンは全く視線を反らさないまま。

「あー…ヒョンのキュヒョナが、大事な旅行を忘れると思う?」

敢えてイェソンのと言ったのは、イェソンの性格を知っているから。言われた瞬間、ボワン頬を染めた姿に苦笑が漏れる。
恥ずかしいのだろう。モジモジと洗濯物を握り締めたまま、小さく唸る姿は犯罪級。

(………アイツ……大変なんだろーなぁ…)

こんな姿を他に見せるのはマズイだろう。前以上に魅力的になったイェソンは業界でも隠れファンが多い。いくら鈍感なウニョクといえども周囲の目に気付く程なのだ。
だからキュヒョンは常にイェソンの傍を離れないのかと、改めて納得した。

「ヒョンを驚かせたくて、秘密にしてるのかもよ?」

とは言っても、移動する内に場所なんて判る筈だ。
恐らくすっかり忘れていたイェソンに、敢えて何も言わずに事を進めているのだろう。
そういう人物なのだ、キュヒョンは。

「……俺には、勿体無い気がする……」

不意に聞こえて来た声が少し暗い。
洗濯物を畳む手を止めたウニョクは、イェソンへと視線を向ける。そこには何時もの柔らかい笑顔では無くて、不安と葛藤しているイェソンの姿があった。
どんなに心を貰っても、やはり深い場所では暗い部分が燻っているのだ。それは、きっと一生付いて回る心の闇。

「………オレは、アイツにこそ勿体無いと思うけど?」

ウニョクのノンビリとした声にイェソンの顔が上がる。
見上げた先にはウニョク特有の、誰もが元気になれる笑顔が一つ。

「料理に洗濯。家事もこなして、帰りはちゃーんと出迎えてやる。ホント、理想の奥さんって感じ?」

好きだと、大切なんだという想いが周りにも伝わってくる。
頑張っている姿がどれだけキュヒョンを魅了しているかなんて、きっとイェソンは知らないのだろう。

「オレたちには優しくないアイツがヒョンにだけは違う。」

それがどういう事か位……

「オレたちへの仕打ちを、もっと手加減して欲しい位だ。」

ヤレヤレと肩を竦めてイタズラな笑顔を見せるウニョクに、イェソンはポカンとした後で。

「………叱っとく。」

ホワンと柔らかい笑顔を見せたイェソンは、先程までの暗い表情を打ち消していて。やっぱりイェソンには柔らかい笑顔が一番よく似合う。

「あんな鬼は止めて、オレと結婚しない?」

こうした冗談を軽く言うから、気持ちが楽になる。そんなウニョクが、だから大好きなんだと再確認して。

「キュヒョナが聞いたら、またイジメられるぞ?」

普段の兄としてのイェソンが姿を現した事に何処か擽ったさを感じる。こんな風に時たま二人の時間を設けるのもいいかもしれない。そう思いながら、ふと浮かんだ言葉を軽く口にしたのだが。


「ハネムーンベイビーが誕生したら、オレに名前付けさせてね?」


この冗談が、キュヒョンの新たな悩みを生み出す事をウニョクは知らない………






普段よりは少し早めの帰宅が出来、温かいご飯を二人で美味しく食べて。ゆっくりと風呂に入って有意義な時間を過ごしたのは何時ぶりだろう?
キュヒョンは至福の時を過ごせた事に体の疲労も忘れて。
甘い身体を存分に堪能して、さぁ眠りに着こうとしたのはもう深夜も半ばを回った頃。

愛しい身体を抱き締めながら、乱れた息を整えてやる為にと背中を優しく叩いていた時の事だった。


「………産むなら、キュヒョナ似の子がいい…」

「……………………………は?」


汗ばんだ額に優しいキスを落としたと同時に囁かれた言葉。
有に1分程目の前の相手を見つめていただろうか?
何を言われたのか、理解に苦しむのは最近仕事を詰めているからなのか。
宇宙語にも聞こえなくはないその言葉を飲み込むのに、少々の時間を要した。

「えーと……僕似の、子供……?」

乱れた髪を優しく撫でてやって。
ともすれば引き攣りそうになる顔をどうにか抑えながら。

「ん。キュヒョナ似だったら、可愛いもん…」

激しい熱を共有したからだろう。
微睡みながらの言葉はそれでも絶大な威力を発揮してくれる。
今にも閉じそうな瞳に慌てて、キュヒョンは抱き締めていた体を少し離した。
それが嫌だったのだろう、イェソンは小さく唸るとその腕の中へと身を寄せてくる。

「俺に似たら……可愛く、ない…」

擦り寄ってくる体は非常に可愛い。ギュウッと背中に回された腕に力を込められて、それすら愛おしくて再熱しそうになる身体。それでも今は言われた事への疑問が先立つのだ。

「……っと……産むって、いうのは……」


僕の、子供………?


「?他に、誰の?」

質問にやっと上がった顔。
熱がまだ冷めないのだろう、上気した目元は普段の愛らしい彼とは違って、尋常ではない色香を発している。
だが、それにすら今は惹かれている場合では無いのだ。


「………僕の子供を……産む、と……?」


言った言葉をオウム返しされたようで、イェソンはムウッと唇を尖らせた。

「俺との子供……欲しくない……?」

途端に泣き出しそうな瞳にまたも慌てる。
とは言っても、傍目には判らないような冷静さを見せる事は忘れないまま。

「いや、欲しく無いも何も……」

そこでキュヒョンは口を噤んだ。これ以上の事を言ったら、恐らくイェソンは泣いてしまう。
だって、これは……


「………今日、誰と一緒に居ました?」

「?………ウニョガ。」


その名前が出て来た事で、全てを理解した。
恐らくは冗談で何かを言ったのだろう。それをイェソンは本気で捉えてしまった。
そう……子供を産む事が出来るのだと……

「あの人……僕達の子供が見たいって……言ってたんですか?」

誘導尋問とでもいうのだろうか。
そう聞けば、素直にコクリ頷くイェソンが一人。

「ハネムーンベイビーが産まれたら、自分で名前付けるって…」

いい?なんて頬を染めたままお伺いを立ててくる姿に意識が遠のきそうになる。
何だってそんな話になったのかは判らない。
が、勘違いしているのだイェソンは。


男である体でも、子供を作る事が出来るのだと……


「………欲しいですか……僕との、子供……」


甘い身体を堪能した後での会話では無いだろう。
そうは思うが、イェソンは信じてしまったのだ……
有り得ないその事柄を。
だとすれば、全否定をすればきっとショックを受けてしまう。
冗談での言葉の、それでもあるのは…深く相手を想う心。


「………大事に想えば…来てくれるんだ、って……」

相手を慈しんで、その繋がりをより結んでくれる新たな命が。

「皆に愛されて、俺達の心を表してくれる存在が……産まれるんだって…」


正直驚いた。ウニョクがそんな事を言ったのかと耳を疑うが、それでもイェソンが言うのだから。
きっと彼は不安に包まれたその心を救おうとしたのかもしれない。少し間違えている事だけれど……
いや、明らかに間違えだらけの事だけれど。


「俺は……すき、だから………」


ずっと。毎日好きが増えていくから。

だから、もっと好きを共有したいから。


「キュヒョナの子供……産みたい………」


産んであげたい。求められるなら………


「………バカですね……本当に…」


そこまで深い想いを貰えるだけでいいのに。
絶対に不可能な事ですら、可能にしようとするその心を包んでやりたい。

好きだと……愛しているのだと。その気持ちだけでも十分だけれど。


「………何時か……本当に貴方が安心出来る時が来たら……」


不安を全て、取り除ける時が来たら。



「僕達の大切な新しい命を……受け取りに行きましょうね…」



普通の事で求められないこの結婚。欲しくても未だに手に出来ない人は沢山居るだろう命。きっと、自分達はそれ以上に求めてはならない事へと想いを馳せている。
それでも………


その深い想いを大切にしてやりたいから。


与えられた言葉に幸せそうに微笑んだ瞳へと、今日もまた。優しくも深い愛が降り注ぐ………








さてはて。少しデリケートなお話かなぁと思ったのですが。
今回はそれでも書きたいなぁと思ったので。
普通なら有り得ない事態なんですけどね?兄さんの純粋な心を如何にギュ氏が受け止めるのかが知りたくて(オイ

いやぁ……しかしヒョクは本当にやらかしてくれますねぇ←
そしーて兄さんだったらホントに叶えちゃいそうな!?(んなバカな


このお話……何処まで広がっちゃうんでしょ(汗)



Android携帯からの投稿