さて。今回は(道編)でございます。


Twitterでは(道・序章編)としてこのお話の前にあった出来事を上げたので、其方を先に読んだよーという方もいらっしゃるかと思います。

ほら、今日はアレじゃないですか?(何だよ


我等が兄さん、イェソン氏の生誕日っ!!!!


兄さんおめでとうっ!!貴方が大好きだよ…幸せを感じてる。
この出逢い達をくれた貴方に、心からの感謝を……



なのーで、おめでとうとありがとうの意味も込めて。序章編を向こうで先に上げました。ただ其方を読まなくても繋がる内容となっております。
自己満として、どうしてもやっておきたかった事をやっただけなので(ぅおいっ
もしかすると、書かなくても良かったんじゃない?な内容だったかもですがー……

ま、そこはね。私ですからっ←
軽く目を瞑ってやって下さいまし♡(笑)



それでは参りましょうっ!!
兄さん生誕おめでとうっ!!兄さん結婚おめでとうっ!!!!と二重のおめでとうを言いたいぞーーっなーんて私の様に欲張りで、一緒にお祝いしてやるよ♡と言ってくださる愛深き方はどぞっ!!







【正しい気持ちの伝え方(道編)】



「やっぱり似合いますね……ウェディングドレス…」

祭壇の前。寄り添いあった体から、温かな体温が伝わってくる。静まり返った場内で囁かれた言葉に、イェソンはボンッと音が出そうな勢いで目元を赤く染めた。

「僕よりも先に皆が貴方を見た事が、悔やまれます。」

残念だ。そんな体で首を横に振る姿にイェソンの頬は尚々染まる。

「ほら…綺麗な顔を上げないと……僕達がこれから誓う方に、貴方の顔…見えませんよ?」

時折垣間見せるこんな意地悪さも、イェソンは嫌いじゃない。
寧ろ恥ずかしさばかりが増長されて顔がどんどん俯いてしまうのだ。自分を隠したくて、持っていたブーケでその顔を覆った時。


「全部聞こえてるっての。惚気なんざ後でしろよ…ったく…」


何とも緊張感に欠けた声。慌てて振り返ったイェソンの目には、新婦側の一列目にて。一人ドッカリ腰を下ろしたヒチョルの姿が移り込む。その隣では、イトゥクが慌てた様にその腕を引っ張っていた。

「思った事は直ぐに伝えたい……でないと、言葉が可哀想でしょう?」

当たり前とばかりに口を開くキュヒョンは、何だか不敵な笑みを浮かべていて。自分に見せるあの優しい笑顔とは違う印象に、何となくイェソンはまた新たな彼に胸を大きく波立たせる。
前は頻繁に見ていた筈の表情ですら、今はドキドキに繋がるのだ。

「やっぱお前にやるのは間違ったか……」

チッと舌打つヒチョルの表情に、周りが思わず笑みで溢れる。
こんなにも結婚式は自由なモノだったろうか?
そんな事を思った時。イェソンの耳にまた聞きなれた声が響いてきた。

「そろそろ式を進めたいんですが……」

顔を上げた先。声のする方を見れば、そこにはシウォンの姿が一つ。自分達よりも二つ程高い位置で、彼は皆とは違う姿で此方を困った様に見つめていた。

「シウォナ…?そこで何して…」

「今は神父様ですよ、ヒョン。」

ニッコリ笑顔を向けられて。そのキュヒョンの言葉にイェソンは思わずポカンとシウォンを眺めてしまった。
確かに。教会の神父が式の際に纏う白の聖衣を彼は着ている。
その首からは赤いカズラを垂らし、大きく引き締まった体を一層男らしく引き立たせていた。

「………なんで?」

驚き過ぎると人は素でモノを尋ねる。その典型だろう、イェソンはコトリ首を傾げて。白いベール越しにキュヒョン仰ぎ見た。それにはイェソンの大好きな優しい笑顔が返ってくる。
全ての事を、安心で包んでくれる……優しい笑み。

「今日は僕達二人の……僕達を愛してくれる人達の……大切な日です。」

だから、その日を大事な仲間たちと。

「僕達が愛する人と、迎えたい。」

だから……だからね?

「此処には、大切な仲間しか…いないんです。」


穏やかに微笑むキュヒョンに促されて、イェソンはこの時初めて周りを見つめた。
やはり緊張していたのだろう。よく見れば、自分の知らない顔なんて……一つも無い。
オルガンの前にはドンへが座り此方を笑顔で見つめている。

先程まで賛美歌を歌い上げていた場所には、何故かウニョクやシンドンの姿があって。
その横には、来れないと思っていたカンインとキボム。
そしてヘンリーとチョウミの姿もあった。

「皆が、この大切な日を……待ってたんです。」

控え室に姿を現さなかったメンバーが居た。それは、この一大イベントを成功させる為の……その為の準備をしていたからだと。この時やっと悟ったイェソンは。

「………みんな………ずるい…」

頑張って耐えていたのだ。涙を……
喜びは笑顔で。皆が好きだと言ってくれる笑顔で此処に居たかったのに……

「俺に秘密なんて……ずるい……」

静かに。彼を象徴する、その綺麗な漆黒の瞳から。
ポロリポロリと涙が零れ落ちていく。熱くなる胸を抑える事の出来ない、その気持ちと共に……

「もら、って……ばっか……」

こんな風に優しさを貰って、返せるモノなんて本当に小さなモノばかりで。大き過ぎる想いに、自分は一体何が返せるだろう?その答えをくれるのは、やっぱり彼しかいないのだ。

「貴方は笑っていれば……それでいい。」

「…………」

「僕も、皆も……貴方の笑顔が。その笑顔が…大好きだから。」

「………返すの……大変そうだ……」

笑顔を出すのは、涙を流すよりも大変な事。
喜びよりも痛みの方が多いこの世界で。だからこそ、笑顔が大事だという事も……知ってる。

「大変ですよ?だから、僕が傍にいる……」

そんな世界だからこそ、少しでも笑っていられる様に。
痛みよりも喜びで染め上げてあげられる様に……

「僕が、貴方の笑顔を守ります。」

そうやって、また優しさをくれるこの相手と……大切な皆へと。
イェソンは零した涙はそのまま、柔らかい微笑みをその口元へと。心のままに浮かべて見せた。






「これから二人は、永久の愛を誓う。」

シウォンの少し低い、だが聞き心地の良い声が教会内へと響き渡り。その説教へと、イェソンは瞳を閉じて耳を傾ける。

「太陽と月は、常に互いを尊重し合い。その存在で互いの姿を照らしていく。明るい世界を広げる為に輝く太陽は、生きる為の活力を与える。強い光で世界を彩り、先を見据える力を漲らせる。しかし時に世界は闇に包まれる時がある……その闇に包まれた世界を照らすのは、優しく柔らかい月の光……穏やかな世界を作り上げ、闇の世界から道を照らす……それが月。」

幻想にも近い言葉。それなのに、何処か自分達を示している様な……そんな説教。

「太陽と月……どちらが欠けても、この世界は成立しない。互いを必要とする……同じ様で全く違う光を持つ者。」

シウォンの瞳がキュヒョンを捉える。

「太陽は常に光を失わず、その強さで力を与えなさい。」

その視線が今度はイェソンを捉え、穏やかに言葉を紡ぐ。

「月は、その太陽の光が消えた時。その道を照らして……元ある道を照らしなさい。」

互いの光を、失わない様に……


「その一生を、光と共に。」


大切なモノは、脆く見失いがちになる。
だけどその光が消えない限り、道は照らされ続ける……
互いの光を見失わず、寄り添ってその道を照らせ。

その言葉が、今の自分達には一番大事な事なのだと。
だからその言葉をくれたシウォンへと……感謝の想いが胸に広がる。

「ありがと……シウォナ………」

伝えたい言葉を伝えたい時に。そう教わった心のままに。

「イェソニヒョン……貴方は貴方のままで。」

フワリ微笑んだイェソンへとシウォンもまた。彼特有の優しい微笑みを乗せて。二人の幸福を賛辞した。



「チョ・ギュヒョン。貴方はキム・ジョンウンを愛し、その身を永久に守り……その微笑みを失わせる事無く永遠の時を共に過ごす事を、誓いますか?」

優しい音色が耳を擽る。この旋律は、一体誰が作ったのだろう?そんな事をボンヤリ考えながら、イェソンは目の前の相手を見つめる。その先には、愛して止まない……最愛の相手の瞳。

「誓います。」

強い意思を持った迷いの無い言葉に、また胸が熱くなった。

「キム・ジョンウン。貴方はチョ・ギュヒョンを愛し、その身を永久に守り……他には優しさの欠片も無いこの男を見捨てる事無く。永遠の時を共に過ごしてやる事を、誓いますか?」

言われた事に瞬間的にシウォンを見れば。何処か含みのある笑みが一つ。式場からもチラホラと笑いが巻き起こる事に、イェソンは思わず神聖な場面で吹き出してしまった。

「俺には優しいから、誓う。」

こんな式でいいのだろうか?そうは思うが、目の前の愛しい相手は仕方ないなと笑ってくれるから。
こんな式だからこそ、心から誓える……

永遠に、傍にいる事を。サプライズだらけのこの式をくれた、ただ一人の相手へと。

「俺の時間を……キュヒョナと……」

ずっと、永遠に……


「それでは、指輪の交換を。」

幸福の中で約束される、永久にその道を共に歩く為の確約を。
丸い指輪は、途切れる事の無い道を共に歩くという……
共にその道を歩み続けるという、証。
互いの指へとソレを嵌めれば、残るは……



「永久の愛を誓う為の、キスを。」



白いベールが上げられる。伏せた瞳でも分かる、強くて優しい瞳は……きっと永遠に、自分を離して止まない光。


「綺麗ですね……想像以上だ……」


言われた事にまた恥ずかしさから、視線を落とす。
だけど優しいその瞳を、この目に焼き付けたいから。

この瞬間を、全身で感じたいから。


「俺を……ずっと……」


見てて欲しい。迷って泣いて、怒って時に悲しんで。
色んな感情を、それでもこの相手にならば……全て見せられるから。


「どんな貴方だって、ずっと傍に……」


互いの手を取って、嵌められた指輪へと……

静かに唇を押し当てる。

終わりの無い、その道を共に歩くという……その誓いを込めて。永遠に、永久にその時を添い遂げるのだと……深い想いを込めて。



それが、自分達の……深く尊い、誓いのキス。



「愛してる……ジョンウニヒョン……」



指輪越しに伝わる熱が、愛おしい。
優しさも厳しさも、全てを与えてくれるこの相手を。



「俺も……愛してる……キュヒョナ……」



同じ様にその指輪へと。
永久の誓いを立てた、破られる事の無い約束を。



「二人の魂はここに、永久の誓いと共に。」



奏でられるオルガンの音が体の奥底へと響いていく。
立てた約束を共に歩いて、その破られる事の無い様にと……
この場の全ての想いと共に……


今ここに、その想いが一つとなる。



「俺………今が一番、幸せ……」


ポツリ呟いた言葉へと。キュヒョンはその優しい眼をイェソンへと向けたまま。


「貴方の幸せが、僕の幸せです……」


握りあった手の温かさに、この日初めての最高の笑顔が。
その場を覆い尽くした。





「皆さん列んでーーーっ!!」

会場のスタッフが声を上げる。
花弁舞う白い道は、柔らかな風を讃えて。
二人のこれからを、祝福する。

「ブーケを受け取れるのは、一人ですからねーー!?」

言うスタッフに笑みが溢れる。
そんな事は、させないと。皆が平等に祝福を……

イェソンは集まったファン達も含め、路上にまで溢れる人々へと一つ笑みを向けると。



「皆、幸せに……」



一つ言葉を述べて、大きくブーケを空高々に投げ上げた。
そして舞うのは、白く美しい花弁達……

ヒラヒラと舞う花弁は、ブーケの形すら原形を留めないまま。
全ての人々へと、舞散っていく。

皆が幸せになれる様にと、その願いも込めて………



「……貴方は何処まで優しいんでしょうね……」



囁く言葉にイェソンは笑みを向ける。
その優しさを教えてくれたのは、この最愛の相手だから。



「教えてくれたのは……キュヒョナだ。」



引き寄せられた腕の力強さに、その身を委ねる。
花弁を追う皆の姿を目の端に。


「ずっと一緒だって……約束……」


寄せた唇を違う事無く。恥ずかしがりのイェソンの、今ならば告げられるその言葉を汲んで。



「僕の光を、貴方に……」



太陽はその光を失わない。強いその力を、この身へと。

そして、その光が失われた時。その光へと自分が道を開ける様にと。


優しく塞がれた唇に、イェソンはこの相手と出逢えた奇跡と。
そして周りの強い自分達を思う想いに、その瞳から新たな雫を静かに零した。








※兄さん。イェソン……生誕日、おめでとう。
貴方と出逢えたこの奇跡を胸に、私は想いを文章へと。

皆様、ブーケは受け取れましたか?
一人にでは無く。全ての人達へと幸せのお裾分けを。

彼らしい、そんな想いを込めて。
いやぁしかし優男さん含め、周りの皆の優しさが含まれたこの回。皆様に伝わったでしょうか?
文章力の無い私が頑張ってみた結果ですが、少しでも受け止めて頂けたらば、幸いです。

彼の幸福を皆様と共に……

なーんて思う私のお話でございます。


ブーケ、受け取って下さいね?
きっと優しさが溢れ出しますから。



さーーーて!次は披露宴っ!!
皆様、共に楽しみましょうっ(大暴走にて失礼っ



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