【正しい気持ちの伝え方・番外(ずっと編)】





はい。正きも完結から数日。実はやり遂げ症候群にて、お話自体を妄想する力がね?なんとなーく失くなっていたのですが。
私のマネ様のとある一言で妄想が一気に膨らみ。

こりゃ書かねば収まらんだろーと(は?
なのーで。書いてしまいました正きも番外編っ!!

あ、いや新婚旅行編とは違いまして、今回は二人の新婚デート編でございます。要するに結婚後の二人の模様という形でしょうか?
なのーで。これはTwitterのみの更新予定だったのですが。やはり正きもは皆様と共存したお話なので。
此方にも載せようと思います。もう読んだーって方は全く同じモノなので、そのままUターンでも読み返しでもっ(ぅおいっ



それでは参りましょうっ!!
結婚後の二人の私生活や如何に!ラブい二人はやっぱりイイね♡なーんて言って下さる、正きも激甘ラバーな方はどぞっ!!







【正しい気持ちの伝え方・番外(ずっと編)】



麗かな陽射しが照る午後。
久しぶりの休みに、二人は近所の公園へと訪れていた。
と言っても、近所というのは新居の方。
結婚して数ヶ月、仕事に追われていた二人の久しぶりの休日。
そんな日は当然二人で過ごしたい。

だからと新居へと数日二人で過ごしていた、そんなある日の事。それはキュヒョンからの提案だった。



『公園でお弁当、食べませんか?』



言われたイェソンは勿論首を傾げるばかりだったが、それでも行こうというキュヒョンに、ならばと朝から早起きをしてその腕を存分に発揮して。
今は眩しい光の中、公園の芝生の上。二人でその弁当を開いていたりする。

「いい場所でしょう?此処……」

木陰にと、芝生の広がるその場所の。大きな木の下へと身を寄せた二人。
それでも感じる温かい陽射しは秋の色を感じさせる。

「ん……風、気持ちいい。」

ポツリ呟いて遠くを見つめるその瞳には、その先にある湖を映しているのだろう。
広大な公園には大きな湖があり、その中にはアヒルが数羽。その羽根を癒す様に水面へと身を寄せていた。

「此処を初めて見た時、貴方とこうして過ごしたいなって……思ったんです。」

向けてくる優しい微笑みにイェソンの頬がポワンと赤くなる。
何時だって甘い言葉でこうして自分を包んでくれる。
それだけで幸せだと感じてしまうのだから、これはもう惚れた弱みとしか言い様が無いだろう。

「お弁当……」

早く食べようという声に、キュヒョンは恥ずかしがりなイェソンの言葉を汲んで。パカリ開けられたソコへと目を向けた。
先ず最初に見つけるのは、彼のもう癖の一つとなった定番のアレ。


「………今日は、ミートボールを?」


言われた事にイェソンは、湖へと向けていた瞳を作った弁当へと向けて。そのままサンドイッチへと手を伸ばし、無言でモゴモゴ頬張り始める。それでもキュヒョンは聞きたいのだ。
自分へと向けられた、その心を。
だからと尚も口にするのは、目に捉えたままの少し形の違うミートボール。

「これ……種から作ったんですか?」

ん?なんて無視を決め込もうとする顔を覗き込んで。
それに観念したのか、イェソンは頬張っていたサンドイッチをコクリ飲み干し一言。

「俺、頑張った。」

それがイェソンの精一杯の返事。
朝からミートボール一つの為に挽肉を捏ねてくれたのだろう。そして形が崩れない様にと、頑張って作ったのだ。

ハート型のミートボールを。


「………とても美味しいです。」


市販のモノとは比べ物にならない。それはキュヒョンの正直な感想。だって大の男がだ、小さなハート型のミートボールを自分の為だけに。朝から一所懸命作るだなんて……
これ以上に美味しいモノ等ある筈がないじゃないか。

「貴方の想い……また一つ、貰いました。」

ムゥッと唇を尖らせて、目元を染める姿が何とも可愛らしい。
本当にこの人はアラサーなのだろうか?
毎度の事ながらそんな事を思いつつ、その頭を優しく撫でてやれば。

「……おにぎり、おいし。」

恥ずかし過ぎたのか。サンドイッチを食べているのに「おにぎり」だなんて言うイェソンに、キュヒョンは思わず吹き出したのは言うまでもない。





お腹も満腹となり、木に寄り掛かったイェソンの膝の上。
そこに頭を乗せて瞳を閉じていたキュヒョンは、穏やかな風に乗って。仄かに頭上から聴こえてくる声に耳をすませる。
こうしてイェソンは、時たま甘えるキュヒョンへと膝枕をしてやりながら、歌を奏でる。

普段はイェソンへと甘えないキュヒョンの、それが至福の時…

こうして膝枕をしてもらう様になったのは、確か婚前旅行の時からだったろうか?甘えろというイェソンに、仕方ないなぁと膝枕をしてもらって。
そこからだ。最初は何となく違和感があったのに。いつの間にかそれが、とても心地の良いモノに変わっていた……

そして……

「やっぱり貴方の声は……落ち着く。」

疲れた体と心を癒してくれる、深く響き渡る声。
その声が好きだと思ったのは確か……グループへと入って少し経ってからの事。

「僕の全てを……癒してくれる……」

ゆっくりと瞳を開いて、頭上の顔を見上げれば。
そこにはコテリ首を傾げてキョトンとした顔が一つ。
ピタリ止まってしまった声は少し残念だけれど、こんな顔も好きだから。

キュヒョンはクスリ笑うと、肌触りの良い頬へと手を滑らせた。

「これは初めて言うかもしれませんが……僕が貴方を最初に好きになったのは……その声なんです。」

頬から首筋へと指を下ろし、イェソンの白い喉へと指だけで触れていく。

「笑う声も、怒った声も。歌う声も……そして、泣く声も…」

その全てを聞いていたいと。
そう思った。

「だからこうして一緒に居て……貴方の声を傍で感じられる時間が、僕にとっては何よりも……大事なんです。」

判りますか?そう微笑むキュヒョンに、イェソンはそれまで向けていたキョトン顔を一気に赤らめて。
どう返していいのか判らないのだろう、キョトキョトと辺りを見回すのだから笑いが込み上げてくる。
こうした所がまた不器用で可愛い所なのだが……

「今の話を聞いて、嬉しいって……思いました?」

イェソンの膝の上。ん?と伺うキュヒョンの眼差しを受けて、イェソンは少し目を泳がせてから一言。


「…………ん。」


二人でいる時のイェソンは饒舌だが、こうした時は面白い程無口になってしまう。
だからと、キュヒョンはこんな時に言ってやるのだ。
その時に必要な、相手へと返すべき言葉を。

「『ありがとう』……ですよ……」

簡素で短い単語達を。

「ありがとうの一言で、相手には全てが伝わる……」

想いを込めれば、どんなに短い言葉だって…とても大切な言葉になる。


「僕は貴方の声が、大好きです。」


イェソンの大好きな笑みを向けての言葉。
そのまま首筋へと下りていた指が頬へと伸び、髪を撫でて引き寄せられて。

その流れに逆らわないまま、イェソンはただ一言。


「…………ありがと。」


そのまま塞がれた唇に、ゆっくりとイェソンの瞳が閉じられる。ゆったりと流れる時と風が二人を優しく包み込み、それだけで幸せを感じられる。
結婚をして、忙しい時間を過ごす中で。
それでもこうして設けた時間の大切さ……

互いの好きを、改めて感じる為の……その時間。



「俺も……キュヒョナの声、すき……」

少し離れた唇が、緩やかに告げてくる言葉の羅列。
その一言で、キュヒョンは何時だって幸せになれる。
イェソンの囁きに笑みを深くして、告げるのはこの先の未来。


「ねぇ、ヒョン……これから先、僕達が歳を重ねて……」


お互いが今とは違う姿になっても。
そう……何時かどちらかがその姿を消したとしても……



「命の尽きるその日まで……この場所で、共に過ごしましょう?」



あの時計の砂が、全て落ち終えたとしても。



「ずっと、一緒に……」



必ず訪れるだろう終わりの時が来ても、互いの存在を忘れない様に。今日という日と同じ時間を、ずっと………

「……また、声が好きって?」

好きになった瞬間を、此処に来る度に。

「そう……また、最初の好きを……貴方に。」

一生忘れる事の無いだろう、相手を想ったその瞬間を。


「………やくそく?」


「ええ……約束です。」


その言葉にイェソンはただ無言のまま微笑んで、瞳を閉じる。
それを違う事無く汲み取って、キュヒョンは目の前の唇を深く塞いだ。



大切な言葉は何時だって、心を満たしてくれる。
飽きたって構わない。その言葉だけで、きっと自分達はこの先の道を迷わず歩いていける。

満たされた想いと共に、互いを包む風が一層。

優しいモノへと変わった気がした。








ーーーーーおまけーーーーー


「……………あの二人……此処が公共の場だって、知ってるよなぁ?」

呆れ果てた声に、隣でポカン口を開けていたリョウクがハタと正気に戻った。

「もうっ!此処はお子様の遊ぶ場所なのに!!何してるのさあの二人っ!」

何となく怒る所が違う気がする……そんな事をボンヤリ思いつつ、ソンミンは遠巻きに件の二人を見つめる。
今日は二人の新居に遊びに行くと言っていたのだが、どうやら二人はそんな事をスッカリ忘れているらしい。

向かう途中で二人に気付いて声を掛けようとしたのだが、そんな雰囲気ではないなぁと隠れて正解だったかもしれない。

「……ミニヒョン……大丈夫…?」

黙っていたら、リョウクから少し伺う様な声が聞こえた。
リョウクはソンミンがイェソンを好きだった事を知っている。
だからと心配になったのだろう。

「ん?あー……何かさ、逆……かな?」

「逆……?」

伺う声はそのまま。不思議そうな瞳に笑って、伸びを一つ。

「あの二人。なーんか見てるだけで、優しい気持ちになるんだよなぁ……」

何でだかは判らない。でも、幸せな気持ちになれるのだ。

「そんなに心配そうな顔するなって。」

クシャリ。リョウクの頭を撫でると、ソンミンは誰もが惹き付けられるあの笑顔を零して。


「俺はもう、大丈夫だから。」

お前もこうやって、傍に居てくれるしな?

「………っ……ミニヒョンっ!!」


心配を掛けた弟にと言った言葉は、だが何だか少し違う響きとリョウクは受け取ったらしい。
真っ赤になってしまった顔が可愛いなぁと思い、アレ?と自分の少し違った感情を見た様な気がしたのは、思い違いだろうか?

辛い時にずっと傍に居てくれたリョウク。
何時だって優しく、でも時に厳しいこの弟……

「リョウギ……これからも、傍に……」

居てくれる?


また何となく。告げたくなった言葉に、リョウクはそれまで喚いていた声をピタリと止めて。
小さく小さく頷いた。



また新しい風が吹くのは、近いかもしれない………






※如何でしたでしょうか?正きも新婚デート編っ!!
結婚から数ヶ月後のお話でございます。
え?新婚旅行編?そりゃあ……書かせて頂きますともっ!
エエもうエロもビッシリとっ(やめろ







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