続きです。

第一話から少し時間が空いてしまいましたが、やっとこ書けましたよ第二話!!(遅っ

いやはや……ほら、今まで優男だの鬼畜ギュだのを書いておりました故。暴走可愛いマンネギュというのが中々に難しゲフゲッフン←
要するに、ダラけておる訳ですねワタクシが(汗)

いま少し、Twitterの方もお休みにさせて頂いておりますので。
もう少しペースを上げて書けたらなぁとは思っております。
こんな私ですが、長い目で見て頂けたら幸いです。


という事で参りましょうっ!!

一話目にして暴走マンネにヤラれ気味?な強気兄さん。そんな彼が何処までマンネの攻撃に耐えられるのか!?ってこの二人ちゃんとラブくなるのかよオイ……
なーんて思いつつも、どうせ仔犬ギュに根負けしちゃうんでしょ?とヤレヤレ肩竦めながらものらくら読んだるよってドタバタ大好きな方はどぞっ!!









鼻歌交じりにリビングへと現れたキュヒョンに、リョウクは何となーく嫌な予感を感じつつ。

「えっと……何か良い事……あった?」

聞いてくれと言わんばかりのキュヒョンに問えば。

「ん?そんなに聞きたいなら…」

待ってましたと胸を張り、一言。

「今日はイェソニヒョンと二人きりでデー」

「二人で雑誌の撮影という名の仕事だがそんなに誰かとデートしたいならリョウギと代わるかお前?」


キュヒョンの背後から飛んできた低い低ーいイェソンの声に。
リョウクは頼むから自分を巻き込まないでくれと、思わずこめかみを押さえた。






【好きの方程式2】



「はーい、キュヒョンさん。そのままコッチに視線下さい。」

キュヒョンへと飛ぶ指示を聞きながら、照明の当たらない場所へと身を潜める様にイェソンは立っていた。
背後の壁へと軽く寄り掛かりつつ、眺めるのは少し先で撮影をしているキュヒョンの姿。

(……ったく…)

どうしても出てしまう溜め息を止められない。
何だってあんなに好きだ好きだと言うのだろう?
それを問い続けてもう一ヶ月。未だ判らないその理由を突き詰めるのは、もう飽きた。

そうは思うのに、どうしても考えてしまうのだ。その理由を…

今朝もそうだ。二人での撮影をデートだなんだと言っている姿には、呆れを通り越して尊敬すら覚える。
そんな事を言えば絶対に自分からキツい言葉が返ってくる。
それが判っているだろうに……

(いや……判ってないのかも……)

あの底抜けとも言える自分本位な思考。
判っていれば少しは遠慮というモノもあるだろうが、それがどうにも見えない。

(天然の底抜けか?)

本人が聞いたら憤慨しそうな事を思いつつ、それでも追うのはキュヒョンの姿。
撮影をしている時の彼は、普段とは違う姿を見せる。
真剣な眼差しでカメラを見据える表情に、確かにコイツは良い顔をするなと……

そうイェソンは前から思っていた。

人を魅了するのは表情だけでは無い。その人物の持つオーラというか……独特の色があるのだ、その人物自体に。
その独特な、人を惹きつける色を持った者がこの世界に生き残れる。そうイェソンは思っている。

そしてその色がキュヒョンにもある。


一つ一つの表情ですら、その魅力を存分に見せ付けて止まない……


とは思うのだけれど………


(………っ……また……)


まただ。

そうイェソンは思う。

こうした雑誌撮影の時や、ステージで歌っている時。
そして、普段の彼と接している何気ない時間……

その時間の瞬間瞬間で、時折此方へと見せてくる表情。


(………見るなよ……)


その表情から、目を反らせなくなる時があるのだ。
そう……それは、此方へと向けてくる真摯なまでの……想いを込めた瞳……


(そんな目で……見るなって……)


深く想っているからと。
そんな感情を込めた瞳を向けられる瞬間が、ある。

普段はふざけて好きだ何だと言っている様に見えるのに。
こうした瞬間を見せられるから、無視が出来なくなる。


(仕事中だ……バカ…)


心の中で念じて。見なければいいのに、反らす事の出来ない視線へと態と冷たい瞳を向けてやれば。
途端に代わるその表情……


「あー、その表情良いですね……そのまま。」


何が良いんだとイェソンは思う。
捨てられた仔犬の様に見つめてくる瞳は、加護欲を擽られる。
自分が拾ってやらなければ……
そんな風に思わせる、その表情。


(あのバカ……後で説教だな……)


仕事にまで自分の感情を隠す事の無いキュヒョンへと。
説教してやらなければ。
そんな事をその胸へと決意しながら、イェソンは自身の瞳をキュヒョンから反らさせる様にと。
その両眼を掌で静かに覆った。





キュヒョンが宿舎へと帰ったのは、午前も一時に回る頃。
イェソンとは撮影現場で別れ、そのまま別の仕事へと向かっての帰宅。
疲れているのだろう、重い足取りのままリビングへと入って来たキュヒョンを待っていたのは、昼間説教をと心に決めていたイェソンその人。

「遅かったな。」

ソファへと身を沈めたまま掛けた声に、それまで疲労を全面へと押し出していたキュヒョンの瞳がパッと輝いた。

「起きてたんですか?」

キッチンへと進んでいた筈の足がイェソンへと向く。
キラキラした瞳は、それでも疲労を隠せないまま……

「もう今日は会えないと思ってました。」

トスンッ。隣に座ったキュヒョンに、それまで説教をと意気込んでいたイェソンの心が揺らぐ。

「………ほら、水。」

何となく言い淀んでしまうのは、きっと相手が酷く疲れているせいだ。
自分の飲んでいたペットボトルを渡せば、嬉しそうに受け取るキュヒョンにまた言葉が出なくなった。


「今日はね?仕事が思ったよりも、長引いたんです。」

コクコクと水を飲み干す姿に、目を細める。

「僕はまだまだなんだなって……」

何があったとか、そういった事をキュヒョンは言わない。
だけどとイェソンは黙ったまま、キュヒョンの横顔を見つめる。


「一人前になるって、大変なんですね……」


ポツリ呟いて、俯いてしまった横顔。
その耳には、ションボリと垂れた耳が見える……気がする。
だから、言ってしまうのだ。

「………一生、なれないかもな……」

その耳が見えるからだろうか……
さっきまでの意気込みは消えて、今あるのは……



「一人前になる為に、人は走り続ける。」

一生をかけて……


「俺も、お前も……」



きっと死ぬまで、それを追い続けるだろう。
だけどその求める心が……大事なのだと。


「頑張ってるよ……お前は。」


優しい言葉を掛けたつもりは無い。
何時だって頑張っている事を知っている。だからと掛けた声に、キュヒョンは一瞬驚いた顔を向けてから。


「だから僕は貴方が、好きなんです……」


「……って……ちょっ!おまっ……!?」


ポスリッ。膝に落ちてきた頭にイェソンは慌てた。
これは所詮言う所の膝枕だろう。大の大人が、しかも男同士が膝枕など明らかに何かがおかしい。

「俺はもう寝るん」

「落ち着く……」

寝るからどけ。そう言おうとしたのに、穏やかな声に邪魔をされる。この声は何時ものあの、自分の意思を奪う声。

「明日からまた、頑張れそうです。」

スリスリと頬を寄せてくる行為に、嫌な気がしななんて。
それはきっと気のせいだ。

「……足が痺れる。」

言いながら、退かせないのは相手が弱っているから。

「30分だけ……良いでしょう?」

チラリ向けられた瞳はやっぱり仔犬の様で。
その瞳に溜め息が漏れる。朝が早いのだ、今日も。


「…………5分だ。」


顧慮の言葉は邪険に出来ないという、弟想いのイェソンの優しさ。何時もならば3分と言い切るイェソンの、その優しさが今はキュヒョンの救い。

「やっぱりヒョンは僕の事がす」

「朝までグッスリ眠らせてやろうか?」

「朝ゴハンガ楽シミデス」

ニッコリ笑顔で拳を握るイェソンに、キュヒョンの笑顔が固まる。何時もの二人の、他愛ないやり取り。
それがこんなにも落ち着くのだから、この時間をもう少し…


二人の間に流れる想いは一つ。


そんな戻ってきた何時もの時間が幸せなのだと。
互いに感じるその想いを受け止めながら。



「ありがとう……ヒョン…」


誰もを魅了する、時折見せるその笑みと。
自分にだけ向ける熱い瞳を受けて。


「………少し、黙ってろ。」


昼間見たあの瞳と同じ強さに、その目元を掌で覆い。
その疲れた顔を静かに見つめたまま。

互いの体温を感じつつ、イェソンはこの日初めて。
穏やかな時間をキュヒョンと共に長く共有した。







※あれ?何だか既に絆され撒くってる兄さんが…(激汗

二話目にしてコレ!と思いますがキュヒョン君、お疲れの巻でございます。
大好き攻撃だけじゃ無い、こんな甘えるマンネに兄さんはヤラれていくんですねぇって回ですなエエ(待て

さて暴走だけじゃ無いんだよーってマンネを感じる兄さん。
一体いつ落とされちゃうんでしょう?

しかし簡単にいったら、ねぇ…?←

勿論続きまっす!!





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