やって参りました正きも番外編っ!!

本編終了後、この新婚旅行記を何時か書きたいなぁとは思っていたのです。
読みたいと言って下さる方々もおりましたしね。
そんな中で、久しぶりに連休を貰えたので。

ならば今しか無いっ!!とね?←
要するに早くも正きも欲しい病になった私(笑)

はてさて。この新婚旅行温泉編は一話には纏められないでしょうから。数話に分けてお届けしようと思っております故。
まだまだ飽きてないぞーっ!なんて方は暇潰しに読んで頂ければ。


それでは参りましょうっ!!
仔犬ギュと強気兄さんもイイけど優男ギュとテケテケ兄さんも大好きなんだいっ!やっと書いたかこんにゃろーーっ!!
なーんて私同様、正きも求めて三千里してくれちゃう歩くの大好きな方はどぞっ!!(どんなだ






【正しい気持ちの伝え方・番外(新婚旅行編)】



「季節が違うだけで、こんなにも景色が変わるんですね…」

以前泊まった部屋と同じ場所。その部屋の中庭へと目を向けて、そう感慨深く呟いた声に穏やかな声が返る。

「こうやって四季折々の色を楽しむ。それも、旅行の醍醐味ですから…」

同じ様に中庭へと目を向け。こうした静かな空間を過ごせる事に、キュヒョンは笑みを深く……

「この紐どーやって縛るんだ?」

「紐じゃなくて帯でしょー。もー、ウニョガもドンヘもコッチ来てっ!」

静かな……

「俺達の部屋より贅沢だなオイ…コッチに泊まるか。」

「ちょっ!ヒチョリヒョンそれだけはダメっ!!」

静か……

「この菓子うまいっ!流石高級りょか」

「僕達の部屋で何勝手に食べてるんですか?ヒョン…」

ニッコリ笑顔でシンドンの肩を掴んだキュヒョンは、だがその目が笑っていない。
明らかにどす黒いオーラを放つ姿に、それまで騒がしかった室内がシンと静まり返った。

「で……何だってこの部屋に居るんです?貴方達は。」

仁王立ちよろしく。部屋のど真ん中で腕を組んだマンネ、ことキュヒョンはジロリ兄達へと不穏な目線を向ける。
それもそうだろう、新婚旅行の楽しい一時。しかも結婚してから初の二人きりでの旅行だというのに、だ。

メンバー全員が付いて来た挙げ句、事もあろうに自分達の部屋へと押し掛けてきたのだ。
怒らない方が不思議というもの。


「別段構わないんですよ?この部屋に居て頂いても。ええそのまま泊まったって僕は一向に構いませんよ夜になって僕とヒョンがどんな事をしたとしても堪えうるだけの精神力があればねって言っときますが僕達は皆が思っているよりも大概激しい形で身体を貪」

「ゴメンってば判ったからそれ以上は言わないでキュヒョナ!!」

わああっ!と叫んで止めたのは勿論、こういった事に対しては専ら照れるばかりのリョウクその人。
他人の情事など聞きたくもない。というか、そんな悪趣味な事を誰がするんだなんて。
若干数名のその悪趣味反応を示す者達はさておき。

久しぶりの黒いキュヒョンに周囲が静まり返った中。


「キュヒョナ……着らんない。」


浴室から声を上げたのは、やはりというか周りの空気を全くもって判っていないポヤヤン人物。

「……そのまま出てきちゃ駄目ですよ?」

それまで不穏な空気を醸し出していた筈のキュヒョンは、一瞬にしてその空気を打ち消した。
その早業にはヒチョルですら舌を巻く程のモノ。

皆の居る場所からでも見える浴室の扉。そこからチョコリ顔を出したイェソンは、何だか不貞腐れている様な顔をしている。
恐らく一人で一所懸命頑張って浴衣を着ようとしたのだろう。それでも着られなかった事に拗ねているのだ。
ムゥッと唇を尖らせるのは常だが、何故だろう?新妻となってからのイェソンは、それまでの可愛さに加えて妙な色気が増した様に見える。

「頑張りましたね、一人で。」

不貞腐れたまま見てくる瞳に微笑んで。そんな事を呟く姿に、さっきの黒さは何処行ったと全員が思った中。


「あ、この人達……煩かったら遠慮なく旅館から追い出してくれて構いませんからね?雅代さん。」


やはりニッコリ笑顔でそう、先程まで共に庭を眺めていた相手。部屋付き仲居の雅代へと囁いた言葉に、メンバー達は顔を引き攣らせ。
言われた雅代は一拍置いて、皆の表情に思わず吹き出したのだった。






「きれい……」


ポツリ呟かれた言葉に、イェソンの足元へとしゃがみこみ帯を締めていたキュヒョンが顔を上げた。
そのイェソンの目線の先には、二人で何時も入っていた露天風呂が一つ。

「前と違う顔、してる。」

ボンヤリと。何処か現実とは離れた場所を見ている様な声が耳に心地良い。
イェソンは露天風呂の景色を綺麗だと言っていた。
前とは違い、秋へと入ったこの時期独特の葉の色合い。それにに魅入っているのだろう。


「色を楽しむんですって……」


旅行はその季節の色を楽しむモノでもある。そう雅代に言われた事を思い出し、キュヒョンは見上げた先の瞳へと優しく微笑んだ。

「この旅館は、その色を感じさせてくれる……優しい場所なんです。」

疲れた体だけじゃない。心も癒してくれる、そんな場所。
そうありたいと願うスタッフ達が作り上げたこの空間を、だから自分達は気に入ったのだ。


「あの時此処を選んで良かった……」


会いたいと思える人と、また絶対に此処に戻って来たいと思える場所。そして、お帰りと言ってくれるこんな場所を……
自分達は幸運にも見つける事が出来たのだ。
これもまた、出逢うべくして出逢えた道なのだろう。

「貴方と出逢えなかったら、此処にも来ることは無かった…」

スッと立ち上がったキュヒョンへと、イェソンが目を向ける。
その目元が色付いているのは、この場所での記憶を思い起こしているのかもしれない。

「その顔じゃあ……皆の前には行かせられませんね……」

「……どんな顔…」

紡いだ言葉を消す様に、柔らかく唇が重なる。
驚きに一度見開かれた瞳は、それでも直ぐに閉じられて。

「誘うその目……僕の前だけにして下さいね…?」

心配だからと。
そう言いながら深くなるキスにイェソンは酔いしれる。
別に誰を誘っている訳でも無いし、そんな目をした覚えも無い。だけどキュヒョンが目の前に居るだけで、どうしても触れていたくなるのだ。心も、身体も……


「……ッ……今日も……いっしょ?」


絡む舌の合間に漏れる声。それが前以上に色香を発し、キュヒョンの心を絡めとる。


「一緒に、居たいんでしょう?」


露天風呂でも食事の時でも。広い部屋でも何処だって、傍に居たい。
そんな想いを違う事無く受け取るキュヒョンに、イェソンの目元が尚々赤く染まっていく。

「も、戻る……」

恥ずかしくなったのだろう。そんな事を口にして、唇を噛み締める姿がバカみたいに可愛くて。
加えてキュッと握った手。浴衣にシワが寄るんだけどなぁと思いながらもソレを止められないのは、離れたくないという意思表示だと判っているから。

それでも口には出せないイェソンだから。だから此方が折れてやるのだ。


「もう少しだけ……貴方を感じていたい……」

駄目ですか?


覗き込んでくる瞳はとても優しい光を帯びる。
まだ離れたくないから、このままで。

そんな風に言われたら、止まらない慾望が疼き出す。



「………みんなには、ないしょ。」


舌足らずなのはキスに酔っているから。

イェソンのその言葉と共にスルリ首元へと回された腕に笑って。



「ええ………内緒です。」



そのまま甘く深いキスを落としながら。
此処に来ると積極的になるイェソンに、この旅行での忍耐は何時も以上になるだろうと気を引き締めるキュヒョンが一人。



長く短い新婚旅行が、今始まる。






※【正きも番外・(新婚旅行編)】如何でしたでしょうか?
ってまだ触りの部分でございますよエエッ!!
こりゃ夜は相当密度の高いモノになりそうな予感がね?(待て

激し過ぎだろって場合は夜編をツイショで上げると思われますよだって消されちゃうっ(そこまでか
しかしなるたけ此方でお届けしたいので。
濃密な夜をアメ限として上げる日も近いかと(笑)

そういえば正きもってアメ限少ないよねぇ…←今更



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