続きです。
久々更新にて。つい最近あったイベントといえば?そうですX'masですよね皆様っ!(は?
ともすれば。過ぎ去ってしまった日ですがこんなイベントを逃す手は無いじゃないかっ!!ええ。乗っかりますよ恋人たちのX'mas話っ←
とーは言ってもこの【好き式】
まだまだラブい恋人同士とは言えない状態…
どんなX'masになるのやら……ってTwitterの方で土台の妄想はしてるので、見掛けた方はコレかっ!!となるとは思いますがー(笑)
それでは参りましょうっ!!仔犬ギュは今回も大暴れかな?強い兄さんで撃退したって!でもでもホンワカあったかギュイェも感じたいなぁ……なーんて言って下さるX'masならギュイェでしょっ!とウキウキしちゃう方はどぞっ!!
(……………ヒョンがおかしい……)
ソファへと身を沈めたまま、イェソンは目の前で繰り広げられている光景に目を細めた。
【好きの方程式6】
麗かな日差しの射し込む午後。11階リビングには、何時もの面々に加えて一人。普段はこの階に居ない人物が姿を見せていた。というか、ここ数日毎日の様にこの階に足を運んでいるのだ彼は。その彼というのが……
「ほらイェソナ。これ食べなよ~。」
ニッコリ笑顔で皿を差し出してくる相手。可愛らしい笑顔でのその言葉に、ファンならば一発で骨抜きになるだろうその人物。だが、天使とも呼ばれる人物のその笑顔が今は何だか非常に嘘臭く感じる。もう一度「ほら。」と差し出されて、それまで腕組み姿勢のまま微動だにしなかったイェソンはやっと腕を解きつつ一言。
「何で此処に居るんだ?ヒョン。」
トーンは変えないまま。薄く開いた目でイトゥクを見やる。そう、ここ数日この階へと足げく通っていたのはイトゥクその人。仕事の合間を縫っては顔を出して天使の笑顔を振り撒いていく。
それはもう違和感を存分に感じる程には、だ。そしてその隣には何時も必ずあるのだ。キュヒョンの姿が……
「なっ何でって……暇だから?」
無闇やたらと慌てた口調が違和感を増長させる。若干笑顔が引き攣っているのも、気の所為ではないだろう。
「そっそんな事よりほら!食べて食べてっ!キュヒョナがイェソナの為にっ」
ほらまた……とはイェソンの思考。
イトゥクの最近の口癖はコレなのだ。
『キュヒョナがイェソナの為に……』
これを何度耳にした事か……それもイトゥクだけでは無い。
「そうだよアノ!キュヒョナが買って来てくれたんだよっ」
リョウクも右に習えとばかりに口を出し。
「ヒョンの事しか考えて無いんだなぁ…うん。」
ソンミンもまた態とらしく頷く。
この光景を目にして、胡散臭さを感じない方がおかしいじゃないか。
「………俺は別に頼んでな」
「こら!人の好意をそんな風に言っちゃダメ!!」
途端にダメ出しされて、ハイハイとイェソンは差し出された皿へと手を伸ばす。どんなに抗った所で無意味なのはここ数日で判っている。だからそれ以上は何も言わずに従うフリをしているのだが。
シャリッ。
ウサギ形に切られたリンゴを一口。
「美味しいですか?」
それまで黙っていたキュヒョンの満面の笑みと浮かれた声に、イェソンは無言のままシャリシャリとリンゴを頬張る。シャリシャリシャリシャリ……
そりゃもう室内が水を打った様な静けさになり、リンゴを齧る音だけが響く程には無言のまま。
そうすると、それに耐えられなくなったイトゥクがまた引き攣った笑顔で口を開くのだ。
「お、美味しいよなぁイェソ」
「リョウギが切ってくれたこのリンゴ、美味いな。」
間髪入れずにイトゥクの言葉をぶった切ったイェソンの笑顔。同時にあーあー…なんて額を押さえるリョウクとソンミンの表情が何だか笑える。
「ジョンウナっ!!」
もうっ!なんて飛び出したその呼び名はイトゥクが焦った時に呼ぶ自分の名前。
そして焦ったという事は、何かしらの策略があるという事……それをぶち壊されそうになると慌てて叱り付けてくる。そんな構図が数日続いていて、良くもまぁ飽きないなぁと思わずイェソンの口から溜息が漏れた。
「キュヒョナが可哀想でしょ!?」
めっ!なんて子供を叱り付ける体にウンザリするが、それを横目にイェソンの思考は別の所へと飛んでいた。
この現象は何時からだったか……と。
そして辿り着くのは、やはりというか三日ほど前の事。そう……キュヒョンがベットの横、枕元付近へとある物をぶら下げた時から……
「やっぱり僕の所には…来ないんですかね……」
(…………また……)
ボソリ呟いたキュヒョンの声。それに反応して目を向ければ、そこにはションボリ落ち込んだキュヒョンの姿。
またしても元気なく垂れた耳とパタリ、パタリと揺れる尻尾が見え隠れ……
「く、来るってヒョンは思う!うん、来るよサンタさんは!!」
何を力説しているのか、イトゥクのそんな姿に若干の頭痛をイェソンは感じる。これも三日前から恒例となっている言葉の一つだ。
キュヒョンがベット横へとぶら下げたのは、一つの靴下。この季節では街中でも良く見る赤いソレ。
そして今日、12月24日は世間が騒ぎ立てる聖なる夜……
X'masイブ。
靴下はサンタからの贈り物を入れて貰う為のモノ。
だが数年共に過ごしている中で、キュヒョンが今までそんなモノをぶら下げた事は一度も無い。
それにサンタなんて架空の人物を、あの腹黒いキュヒョンが信じているとも思えない。
(何か仕掛けたのか……?)
疑問は確実なモノに近いが、それが何なのかが判らない。欲しいモノを紙に書いて靴下の中に入れる……そんな行為は昔自分にも覚えがあるからと、実はキュヒョンの留守中にイェソンはその中身を覗いてみたのだ。
しかしそこには何も入っておらず……
となると、自分よりも前にその紙を取り出した人物が存在する訳で……
(ヒョンは何を見たんだ……?)
嫌な予感がする……この数日間、その嫌な予感を胸に抱えて過ごしていたものの……
騙されやすいイトゥクの事だ。どうせキュヒョンが純粋めいた言葉を書いて靴下の中へと入れ、それをどんな手を使ったかは知らないがイトゥクへと見せたのだろう。
そして見事に騙された兄が弟達も仲間に引き入れて、無意味な奮闘をして今に至ると……
そこまで考えて、ふと目前を見遣れば。
そこには此方をジィッと見つめる仔犬の瞳が一つ……
策略家の癖に、よくもまぁそんな目を向けられたもんだ……そう思うのに……
「僕は何も、してませんよ?」
ションボリ垂れ耳とキラキラした瞳。
「ヒョンが思ってる様な事は、してないです。」
ね?なんてイトゥクを見やる姿は、主人に甘えた仔犬の様で。
「…………判ったから、それ止めろ…」
何となく。何となくだけれど……
「?ヒョン……?」
あの姿で人に甘えるのを見ると……
(…………ムカつく…)
自分じゃない相手に甘える姿が、何となく。
こんな感情は初めてかもしれない。訳もなく苛立つこの感じは、一体何なのだろう?
その感情が判らないまま、イェソンは目の前のリンゴを口へと放り込んだ。
「入るぞ?」
まだ深夜零時を回る前。クリスマスパーティーは25日にと解散した夜。イェソンはキュヒョンの部屋の扉を静かに押し開いた。室内は暗闇となっていて、こんな早くに寝たのかと若干の驚きを感じる。
ソンミンとリョウクは上の階に行くと出て行ったまま…
それも何となく腑に落ちない部分はあるものの、まぁいいかと思っていたのだが。
(こう暗くちゃ、何が何処にあるんだか……)
借りたいモノがあったのだ。だが聞こえてくる息遣いから、キュヒョンは本気で眠っている。それを叩き起すのは流石に気が引ける……
どうしたモノかと顎に手を当てた時、廊下の明かりに照らされて見えたのは……例の赤い、あの靴下。
(…………25日…)
サンタは25日になる頃……闇に包まれた深夜に訪れる。もしかして、その為に早く寝たのだろうか?
バカバカしいにも程があるキュヒョンの行動。それに眩暈を覚えそうになるが、ハタと脳裏を掠めた事にイェソンはいつの間にやら靴下を凝視していた。
(もしかして……)
自室へと引き上げる前に、キュヒョンが自分へと言った言葉を思い出す。
『靴下の中……絶対に覗かないで下さいねっ!!』
二度程念を押されて引き上げた後ろ姿に、そんなモン見るかと思っていたのは2時間程前の事。
しかし思い出してしまうとコレがまた厄介なモノで。
強く言われれば言われる程、見たくなってしまうのだ……人というのは。
(起きない……よな……?)
ソォー……っと。足音を立てない様に。
ソロリソロリと近付いて、息を詰めながら差し入れた靴下の中……
カサリ…………
(……………………カサッ……?)
前に見た時には無かった筈の、紙の感触。
無用なドキドキがイェソンの胸の中に広がる。これは恐らく、信じてもいないサンタへと見せる為のメッセージ。それをこれから自分は見ようとしている。
罪悪感は、ある。が……あそこまで見るなと言われたら……
スルリ取り出した紙は二つ折りになっていて、それを静かに静かに………
イェソンは胸の高鳴りのままソレを開き、廊下の明かりを頼りに目で追って。
(………………ッ……)
思わず出しそうになった声を抑える様に、唇を掌で覆っていた。そこに書いてあったのは、本当に簡素なモノで。短い言葉でただ……
【ジョンウニヒョンの、好きが欲しい】
ただ、それだけ。
それだけが書かれた紙なのに、想いはとても深く感じる一列の文字……
「………………………バカだろ…」
こんな事を他人に頼むだなんて。
何てバカな奴なんだろうと思う。それなのに……
(鳴り止め………バカ……)
煩く高鳴る胸の音に叱咤した。こんな文字だけで、何だってこんなにも自分は動揺している?
これはきっと、自分へと見せる為のメッセージだ。それに自分はまんまと乗せられて引っ掛かっただけに過ぎない。そう思うのに……
「………る、さい………」
バカみたいに鳴り止まない音が自分の耳にまで響いてくる。こんなにも威力のあるモノだと知っていたら、自分は見る事なんて無かったのに……
止まない音のまま、キュヒョンへと目を向けようとした時。
カサリ………
持っていた紙の後ろ。そこにもう一枚の紙が重ねてあったらしい。床へと落ちたその紙を拾って目を通したイェソンは、瞬間その身を固まらせる事となった。
その紙には一枚目とは違い、かなり長めの文章が綴られており。
【本当はあの絹の様な肌に触れたいし崩れない表情を荒く抱いて泣き喚かせたいとも思いますけどソレは自分の手でするので結構です。勿論、頑ななあの人の性格は知ってますから、あの口から好きだと言わせるのは骨が折れますがソレも僕が何時か叶えてみせますので云々】
「………………………へぇ………」
人は堪忍袋の緒が切れた時、その音を自分の耳で聞くのかもしれない。とはイェソンの後日談。
スヤスヤと気持ち良さそうに眠っていたその布団は宙を飛び。
「サンタからのプレゼント……俺が代行してやろうか…?」
それはそれは壮絶なまでの色香と共に。
今までに見た事の無い笑みを称えたイェソンを目前にして。
「………僕ハ成人ナノデ遠慮シマス………」
引き攣った笑顔で眠気が吹っ飛んだキュヒョンが居たのは言うまでもない。
※あれ?甘さが皆無wwww
というか、何ですかねコレは?←
えーと……X'mas話として作った筈なのに何故だかよく判らない展開という…(あ、何時もの事?
しかし今回も兄さんは動揺してたりしますからねぇ…
ある意味ギュの勝利的な?(オイ
後日談と溢れ話を後でTwitterにて上げますかねコレ…(汗
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