さてはて今年最初の更新でございます!!
となるとー……書くのは勿論!【正きも】でございますよだって皆様と一番繋がる事の出来たお話だからっ!!

というのは私の感想なのですがー……
皆様は如何でしょうか?(聞くなって
ワタクシ胡蝶、唯我独尊で動いております故……
違うぞーーーっ!!なーんて反応は知らんぷりんっ(待て

という訳で参りましょう!!←
今回はサクサクッと本編に行っちゃうよ!でも番外温泉編とも違う今回の正きも!!今度はどんな二人を見せてくれるのさ?結局ラブって終わりでしょー?それでも最後を飾るならばやっぱりラブい二人が見たいやーーーいっ!!なーんて叫んで下さる笑顔で二人を見守り隊って方はどぞっ!!(どんな隊だw











【正しい気持ちの伝え方・番外(迎える編)】



クリスマスという世のイベント事も過ぎ。
しかし仕事に忙しく、祝い事らしいモノも無いまま……それでもプレゼントを贈りあって、夫婦としての大切なモノがまた一つ増え。
そうなれば後は静かに年の瀬を感じつつ、新しい年を待つだけ……

そう穏やかに二人は過ごしていたのだけれど。


(………また……)


神経を研ぎ澄まさなければ判らない程小さな音。
本当にそれは、小さな小さな溜息……
その空気を小さく揺らす音に、イェソンは気付かれない様にその背へと目線を向けた。

新居に居る時間は本当に短い。宿舎に居る方が長かったり、仕事場との往復で此方へと戻って来る事は1ヶ月に数える程しか無かったりする。
だからこそ、その時間は希少価値であり互いに噛み締めて過ごしている。
だけれど今回は………

(………まだ、悩んでる……)

何時もは大きく見える背の、近頃弱さが見え隠れする背を目に。イェソンはキュッと唇を噛み締めた。

その背を目にする様になったのは、ここ数週間での事だろうか?大事な大事な旦那様………
愛して止まない相手、キュヒョンの異変に気付かない程イェソンは鈍感では無い。
見つめる先、普段は頼れる夫として常に自分を支えてくれるキュヒョンの。珍しく見せる落ちた姿にこの数週間、イェソンは胸を痛めていた。

「お風呂、まだ?」

まだ風呂には入らないか?そう聞く声にキュヒョンは数秒遅れて声を上げる。
普段ならば絶対に無い、その数秒の間。

「ああ……そろそろ年が明けますね……」

その言葉に壁の時計へと目を向ければ、そこはまだ夜の九時を指す所。
まだ数時間は残っている筈なのに、それすら今のキュヒョンには計算が出来ないという事だろうか……
いや、その余裕が無い程自分の中へと心を閉じ込めてしまっている……と言った方が正しいかもしれない。

何時も太陽の様に強く優しく、その光を見せてくれる笑顔はなりを潜めて。
今は陰のある笑顔しか見せてはくれない。
それがイェソンには痛みを伴うモノだという事も、今のキュヒョンには読み取れていないのだろう。

「………上、行ってる。」

そう一言告げるとキュヒョンへと背を向けて。イェソンのその声に憂いがある事を読めないまま、キュヒョンはおやすみとだけ……そう呟いて弱く小さく微笑んだ。




暗い室内。待っても来ない、優しい体温……
今は下に居るだろうその体温を思い出して、イェソンは長く細い息を吐き出した。
彼が今なにを悩んでいるのか……そんな事はもう判っている。だけどソレは、自分にはどうする事も出来ない事………悩んで悩んで、本人がその答えを出さなければ何の解決にもならない……
だから黙って見守っていたけれど。


「…………俺は、奥さんだもん………」


ポツリ呟いて。イェソンは決心した様にスクリ立ち上がると、自らの身に纏っていた服へと手を掛けた。






「キュヒョナ………」

明かりが煌々と照るリビング。広々としたその空間が、今は寒さしか感じさせてはくれない。
それにイェソンは一瞬眉を顰めると、返事無くソファへと項垂れる背へと真っ直ぐに歩みを進めた。
眠ってはいない筈だ……それはソファ越しに後ろから抱き締めた感触で、直ぐに判る。

「……………もうすぐ、終わっちゃう……」

壁の時計はいつの間にか深夜零時を刺そうとしていた。なのにこの冷たい空間は、何だろう?

「寝ないと体……壊す……」

ここ数週間、深い眠りに就けず朝を迎えていた彼を知っている。それは彼の体を浸食し、その心すら乗っ取ろうとしている事だって………

だから言ったのに、なのに………

「………貴方は先に寝ていて下さい……」

やっと聞けた声はそんな言葉を発するのだ。
何時も優しく強い、自分を第一に想ってくれる相手の……そんな声を見逃せって……?


押し黙ってしまったイェソンの腕を、キュヒョンはあやす様に優しく叩く。
それを弾く様に跳ね除けると、イェソンはその手を強く叩き落とした。
そんな行動を取るのはきっと今までで初めての事……
それに驚いたのは勿論キュヒョンで。
それまで無反応に近かった彼が、初めてイェソンへと目を向ける。ここ数週間で初めての、真正面からの瞳………



「俺は………人形じゃない………」



突然言われた言葉と行動にキュヒョンは驚きを隠せない。そりゃそうだろう、普段はポヤポヤしているイェソンの突然の強い言葉と行動………
驚かない訳が無い。

「……………ヒョ…」

「俺は何の為に、お前の傍に居る?」

『お前』なんて呼び方、久しぶりに聞いた気がする。
そんな風にキュヒョンが思っている中で、イェソンは構わず言葉を紡いでいく。

「俺の道を照らすのはお前……そのお前の道が見えなくなったら、俺が照らす………そう約束したのに……」

互いの道を照らして行こうと。長い長い道を、暗闇の中でもその足元が見える様にと。
温かい手を離す事無く、砂時計が落ち切っても尚。
互いの道を照らし続けようと………
そう約束して結婚した筈なのに。

色んな時を感じる為に、この場所へと来たのに。


「お前が俺の手を握らなきゃ……俺は引っ張ってやれない。」




背中越し。見つめた先の黒い瞳が大きく揺れた。
それは久しぶりに見る、イェソンの涙………
結婚してからも喧嘩はあった。だけれど、こんなにも哀しみに溢れた涙を見る事なんて……一度も無かった。


「…………ヒョン……」

「俺は何時だってお前を照らしてる。」

フルフルと震える肩は、小さいながらも何かを一生懸命守ろうとする様に。

「道が見える様にって……照らしてるのに……」

キュッと噛み締めた唇が、切なさと痛みを含めて。



「何で…………」



何でお前は、その道を見ない?



「…………ヒョン。」

「俺はそんなに、頼りない?」

「ジョンウニヒョ」

「俺は……本当に、必よ」

「ジョンウナ。」



言おうとした言葉を塞ぐ様に抱き締められた。
それは久しぶりに感じる温かい感触………
この数週間、抱き締めて貰っていても感じる事の無かった……自分をきちんと見つめてくれる、強い感触。


「僕には貴方が必要だって………知ってるでしょう?」


囁きと共に強く抱き締められたって、そんなのは知らない。こんな風に名前を呼ばれたって、自分を本当に必要としているのかすら判らない……だって感じる温かさは戻っても、求めるモノはもっと違うモノだから。



「………知らない……見せてくれないお前なんて……知らない。」



キュヒョンにミュージカルの仕事が舞い込んだ。それは初の事では無かったけれど、大きなその仕事にキュヒョンは強い意気込みを見せた。
だけれど本人が思った様には練習が上手くいかなかった。周りは大丈夫だと言っていても、本人が納得しなかったのだ。それに加えて普段の仕事もこなし……キュヒョンの疲労は限界に近かった。それを言い訳にはしたくない。演技だって他の誰にも引けを取らないモノにしたい……
その気持ちは十分過ぎる程に判る事………


だからキュヒョンは落ちた。
悩み苦しみ、一人その闇へと落ちて。
射し込む光すら見えなくなった………いや、見えなくなったんじゃない。拒んだのだ………


「弱い所見せるのは……や?」


ポンポンと背を叩かれて、やっと声を上げたイェソンの言葉。それに一瞬驚いた表情を見せたキュヒョンは、困った様に微笑む。

「嫌に、決まってる………」

当たり前の事を聞かないで下さい。

イェソンの瞳からポロポロと流れ出した涙。その黒い瞳を覗き込んでキュヒョンは言うのだ。

「僕は貴方を守りたい……そう思って……強く在りたいって………それが僕の役目だって……」

妻を守るのは旦那としての役目だ。
それは勿論の事、愛する人を守れない弱い男で在りたくない。だから弱さは見せずにただ強さと優しさを……
そう思って頑張っていたのだ、キュヒョンは。
どんなに疲れていたって、それだけは譲れないモノだった。

だがそれはイェソンの欲しいモノじゃない。
イェソンが本当に欲しいのは……求めるのは………


「俺は……弱いお前だって………好きだもん……」

強さと優しさ。それはとても居心地の良い温もりだけれど。

「ホントのキュヒョナが……俺は欲しいもん……」


自分はキュヒョンを守ると決めた。そう決めて結婚したのだ。それは彼の全てを知っても愛する事が出来る……そう確信出来たからこそ思えた事。守られるだけなんて……そんなのは違う。
なのにソレを見せてくれなければ………全てを晒け出してくれなければ。


「俺がキュヒョナの奥さんだって、言えなくなる。」


自分だって包んでやれるのに。痛みも苦しみも、喜びも悲しみも……その全てを受け止めたい。
そしてその全てを共有したいと、そう思うのだから。
生きている中でそんな風に思える相手なんて……
きっと本当に少ない。



「なのに何で俺に、甘えないの?」



イェソンの言葉にキュヒョンは息が吸えなくなる様な感覚に陥った。そこまで深く想われていたのに……
判っていた筈なのに、それでもプライドという馬鹿らしい感情が自分の心を占めていて。
それが相手の……それも大切な大切な……
誰よりも深く愛する相手を傷付けていたなんて………


何て烏滸がまくて、馬鹿なのだろう……?


「……………なら………貴方の肩、貸して……くれますか………?」


言うと同時にソファ越しの体がフワリ浮き上がり、気付けばその体はキュヒョンの腕の中へと収まっていた。
こんな時のキュヒョンは本当に素早いと思う。
互いに向かい合う様にその膝の上へと降ろされて、彼の言葉通りその額が肩口へと寄せられる。

そして僅かに震えた、何時もは広い広い肩。


「……………知ってる……」

やっぱり何も言わない彼の、心の声が聞こえる。
頑張っているのに、上手くいかない。満足出来ないのだと、そう心で叫ぶ声にイェソンは優しく問い掛ける。
そうしてポンポンと叩く背は、何時もはキュヒョンがやってくれている大好きな行為。

「頑張ってるって……知ってる……」

こうして優しく叩かれると落ち着くのだ、心が。
だから貰っているその心を、今は彼に………


「楽しいを、伝えればいい………」


そう。先ずは自分が楽しまなければ。
人を楽しませるのに自分が楽しいを感じないと、それは人には伝わらない。だから早く彼が……
キュヒョンが楽しいと思える様に。

皆にソレを伝えられる様に………



「歌ってる時、楽しいって……判るもん。それとおんなじ………頑張るより、楽しいをいっぱい……」

大好きな歌で皆が笑顔になって、楽しくて嬉しくて。幸せだと思えるあの感覚。それと同じだと……
だからソレを思い出せと。


そう優しく優しく囁いてくれる声が胸に響く。
苦しいをこんなにも伝えたのは初めてかもしれない……
弱さを見せるのは違うと思っていた。
だけどソレこそ違うのだと。


弱さも含めて、人は人を受け入れてくれる。

その強く温かい心に、キュヒョンの固まった心が溶けていく。だからこの人を愛したのだと、そう改めて実感させられる瞬間………



「…貴方には本当に、負けます………」



一層強く揺れた肩にイェソンは笑って言う。

「だって、俺はキュヒョナの奥さんだもん。」

ヨイショと頬に当てた手で、肩から上げたキュヒョンの顔は情けない笑顔になっていて。それがまたイェソンの心を擽っていく。

「こんなキュヒョナ……俺しか見れないもん。」

そうでしょ?なんてコトリ首を傾げる姿は愛らしさを含むのに。その姿と今の格好がそぐわないのは気の所為だろうか?


「…………で……何でサンタクロースなんです……?」


やっとその瞳に生気が戻る。そうして言われたのは、今のイェソンの姿の事。
それにはて?またコトリ首を傾げながらイェソンは言うのだ。

「これならキュヒョナが元気になるって、言われたから。」

そう言ったイェソンの姿。真っ赤な服を着たその姿は見間違い様も無いだろう、サンタの姿。
しかもサイズが合っていないのだろう、袖は彼の腕よりも長く指がほんの少し出ているだけで。
際どい丈のその下は何も履いていないという……

正に萌え袖萌え丈という目を疑うその姿。

それを着てでも自分を元気にしようと頑張ってくれた気持ちは嬉しいというか……複雑というか。
だけど恥ずかしがりなイェソンの、そんな努力にキュヒョンは笑顔を取り戻す。


「この姿……他の誰かに見せたら……ダメですよ…?」

真剣な話でのこの姿も如何なモノか?
だが、それもまたイェソンの魅力の一つ……

言いながら太ももを滑る手は何時の間にか熱を発していて。
意図したその手にビクリ身体を揺らして、イェソンは一気にその目元を染め上げた。
そのままジタバタと膝から降りようとしても、時既に遅し………


「キュヒョ……も、おしょうが」

「どんな僕でも、欲しいんでしょう?」


ニッコリ笑顔が何だか強さを感じる。
先程までの弱い姿は何処に行ったんだと言いたくなるけれど。


「時期外れのプレゼント………頂きますよ………?」


久しぶりの妖しいその瞳に魅了される。
優しいだけの腕じゃないけれど、そんな彼も自分は愛していると………バカみたいに今は囁けるから。



「……………いっぱい、抱っこ…?」



「ええ………今日は沢山……」 



「………………………えっち……」



言いながら少し腫れてしまったキュヒョンの目元へとキスを一つ。


同時に室内へと鳴り響いた新たな年の訪れに、熱い吐息と共に笑顔が溢れ出す。


これから先もきっとこういった痛みを分け合う時がある。でも、それは欲しい痛みだから。
それを共有し合って、時を紡いでいく。

そんな時間が、自分達には一番の宝物。



「改めて。初めまして……僕の貴方………」


「………はじめまして………俺の、お前………」



囁き合った唇は深く重なり合い、また新しい足跡を作る為に。


新たな年の訪れと共に、二人の新しい日々が動き出す。







※はい。今年初めの更新でございます正きもっ!!

いやはや……元々コレは年末に書いたモノなのですがね……更新するのに時間が掛かりましてー……
最早ネタ的に遅すぎる感有りではありますが、そこは気にしなーい気にしなーい←

そんな私とお話達ですが、これからもどうぞ宜しくお願い致しますっ!!
え?エロ?そりゃー……その後って形でツイショにでも上ゲ(黙れ


それではでは。



新たに訪れた皆様の年に、良い風が吹きますよう………







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