続きです。

前回は何とも空笑いが出そうな終わり方をしたこのお話。はてさて今回はどんなお話になるのか……
書いてる本人すら行く末が見えないという、無計画丸出しなこの二人ではありますがー……

今回は勿論、お正月話でございます。
このお話は今の季節と同時期に進んでおります故←今更

そうなると勿論、此処でもお正月が来るわけです。
だがしかしっ!!進んでるのか否か少々判り難い二人に今回、少し展開が見えて来そうな来なさそうな……?(どっちだよ


それでは参りましょうっ!!
今回は仔犬と狼どっちかな!?どっちのギュも美味しいんだよーっ寧ろ兄さんの反応が一番美味しいやも!?なーんて言って下さる何だかんだでギュに弱い兄さん大好き様はどぞっ!!









別にアイツの気持ちを軽く見てた訳じゃ無い……
こんな形で傷付けるつもりは、だから無かったんだ……



【好きの方程式7】



正月に仕事が無い事は殆ど皆無。個々の活動も含め、それなりに忙しい年明けが毎年恒例の様に待っていたりする。
それはイェソンも例外では無く。雑誌の撮影やらテレビ出演と、慌ただしい日々を毎年送っていたりする。
だが今年は年明け四日目にして、奇跡的に一日の休暇を貰う事となり。
それはたまたま仕事が一つキャンセルとなり、降って湧いた一時の休日。

他の者は皆仕事が入っていて、ともすればイェソンは宿舎で一人という時間をノンビリ過ごせるという事となる。
それは疲れを癒せる絶好のチャンスでもあったのだが、そこに入った一つの電話。
着信を示す相手のその名前に、珍しさからイェソンは顔を綻ばせながら通話ボタンを押して。

その事が後に、自分の心に一つの感情を認識させる出来事に繋がるとは……まだこの時のイェソンには知る由も無かった。




「お前から連絡が来るなんて、雷でも来るんじゃないか?」

軽口を叩きながら軽い足取りのイェソンに、隣でユックリと歩みを進める相手はクスクスと楽しそうに笑う。こうした軽口がイェソンから出るのは珍しい事だ。
人見知りとまではいかないものの、イェソンは本当に親しい相手以外にはそういった事を口にはしない。

「ヒョンがそろそろ寂しがってると思いまして…」

口調は礼儀正しいのに、どこか同等さを含んだ響き。
そんな言葉にイェソンは少し拗ねた様に唇を尖らせると、別に寂しく無いとソッポを向いてしまう。
それだけで判る、寂しがりなその性格。
強がりな部分を見せながら、それでもチラリと見え隠れする寂しがりな部分が何だか可愛らしい。

「久しぶりにオフを貰えたので、会いたいと思ったんですよ。」

強情な性格は昔からの付き合いで知っている。だから敢えて折れてくれるその言葉に、イェソンは仕方なさそうに。それでも嬉しさを隠し切れない表情を見せて仄かに笑った。

「ユノのお守りばっかりで、俺が恋しくなったか?」

「そうですねぇ……偶には貴方に、甘やかされたいです。」

冗談には冗談で。そう返して来る言葉に、イェソンは隣を歩く嫌味な程に整った顔の持ち主。
チャンミンの二の腕を殴る素振りを見せながら、軽い足取りで目的地へと歩みを進めた。


午前中に入った電話。それは昔から何かと面倒を見ていたチャンミンからのモノ。
何処から聞いたかは知らないが、イェソンがオフだという情報を入手したらしい。そしてタイミング良く午後からオフだったチャンミンが初詣に行こう。
そんな誘いをしてきたのだ。昔から可愛がっていたチャンミンの誘いをイェソンが断る事は、当然無い。二つ返事で近所の神社へと初詣に訪れたという訳なのだが………

「流石に三が日過ぎると、人は少ないな。」

とは言っても、本当に近所のしかも小さな小さな神社。今やその名を知らない者は居ないだろう二人としては、騒がれる事を避ける意味でも此処を選んだ訳で。

「人混みは好まないでしょう?貴方も、僕も……」

職業柄、オフの日位は誰の目も気にせず過ごしたい。それはこういった業界に携わる者全てが一度は思う事だろう。チャンミンのその言葉に当たり前だろと目線だけで応えると、二人は人も疎らな神社の境内へと足を踏み入れた。


「久しぶりな気がするな……」

木々が茂る中。その隙間から射し込む光にイェソンは目を細める。こうした自然の光を静かに感じるのは本当に久しぶりだ。
日々を忙しなく過ごす中での、一時の休息とでも言おうか……こんな時間が、だからとても大切だと思う。
が…………


「で………お前は一体、何が聞きたい?」

イェソンのその言葉に、引いたおみくじを眺めていたチャンミンは微妙な笑みを向けてくる。
困った様に下げた眉ですら男前な事に、若干その頭を叩きたくなるがそこは我慢と決め込んで。

「俺に何か聞きたい事、あるんだろ?」

イェソンが引いたおみくじ。ヒラヒラと目前で揺らされたその文面を読めば。

《尋ね人来たり。事はその者の存在にて動く。総じて動く時を、見極めるが吉》

その言葉にチャンミンは肩を竦めて見せて。
そんな姿に、イェソンは同じ様に肩を竦めて見せたのだった。





日が暮れる頃。吐く息の白さに肩を固め、宿舎の扉を押し開いたのだが。

(………帰って来てる……)

思いの外早い帰宅を示す靴の存在に、少し前にチャンミンと話していた事が頭を過り思わず溜息を漏らした。

チャンミンはイェソンへと、キュヒョンに対しての気持ちがどういったモノなのか……
それを聞きに来たのだ。というのも、実は告白されてから今まで。自分が心を開ける数少ない相手でもあり、そしてキュヒョンの親友でもあるチャンミンへと。
他には言えない心の内を聞いてもらっていたのだ。


『アイツは、本気ですよ?』


ストレートに言ってくる言葉が胸に突き刺さる。
そんな事は、知らない。
そう言いたいのに言えないだけの視線に、居心地の悪さを覚える。

『貴方が本気じゃないなら、まだ間に合うかもしれない。』

歩みを進めようとしたのに、隣を歩く足が止まり行く手を阻む。そして向けられた瞳は、痛みと優しさを含んだ……今まで見た事の無い様な……そんな瞳で。


『可能性が無いなら……希望を見せないで下さい。』


それは彼の……キュヒョンの親友としての言葉。
彼の心をこれ以上膨らませないでやって欲しい。
痛みしか残らないモノならば、今この時に切り捨てるべきだと。

そうチャンミンの声が、静かに胸へと落ちてくる。
そして次に来るのは………


『貴方が痛む姿も……見たくないんです………』


それはきっと本心からの言葉だろう。
チャンミンはキュヒョンと同じ様に、イェソンを大切に想っている。それは親友と兄という、全く別の感情だけれど。それでもチャンミンにとっては、二人はとても大切で大事な存在なのだ。


『僕は……僕の大切な人達に、笑顔で居て欲しい……』


その言葉が胸を締め付けて、嵌りかけた思考を今ある現実へと戻させた。

(………俺は…………どうしたい………?)


リビングへと続く廊下を歩きながら考える。
好きだと言われた時、嫌な気持ちは全く無かった。
同時に冗談に近いモノかとも思ったが、それは与えられる気持ちで嘘では無いと気付いた。

そして、キスをされた時………

自分の中にある何かが、一瞬ざわついた………

それが何だったのかは未だに判らない。
甘えられて、それを拒めない自分が居るのは事実。
だとすれば、それは何故………?

そこまで突き詰めても、自身の心が判らない。
だからチャンミンの言葉にも、答えを出せなかった……

【好きになる可能性が無いなら、期待を持たせるな】

そう彼は言ったのだ。
それに息の詰まる思いがしたのはつい数十分前の事……
甘えてくる姿は嫌いじゃない。頼られるのは、寧ろ心地良いとさえ思う。
だがそれが求められる心に繋がるのか……そう思うと……

思考が混濁しそうになる中で、リビングの扉を押し開いたイェソンは。



「………初詣………楽しめました……?」



ソファへと座ったまま。
何処か冷たく発せられたその声に、思わずその身を固まらせた。





※……………はれ??
動き始める筈の回が意外と長くなってしまったこの事実ww(ぅおいっ

やって参りましたよ我がお話には欠かせないその人物がっ!!その名もチェガン・チャンミンっ!!( ンギャッ

やはり彼は物語を動かすキーマンなのですかねぇ……←
このお話、初の続き的繋ぎになりましたがー……

お正月話としては、ちと遅すぎる?(今更だろ
そんなこんなで続きます。





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