続きです。

不定期更新よろしく。なのらくらブログですがー……
まだまだ脳内の勢いは失っておりませんよって事で続きでございますよ仔犬ちゃんと兄さんの恋の行方っ!!

前回は二人を見つめる方たちのお話的内容でしたが……
兄さんはソレに何を思ったのか?
そしてこれからの二人はどうなっていくのか……
嗚呼早く二人のムフムフ書きたいんだよーーーっ!!とは思いますがはてさてどうなる事やら……←


それでは参りましょうっ!!
二人の弟からの力で兄さんはどう動くのか!?仔犬ちゃんはこのまま兄さん諦めるの!?そんなのギュイェとして成立しないっしょーーーっ!!なーんて叫んで下さる二人のイチャりを愛でたいって欲求に正直な方はどぞっ!!







俺は………どうしたい…………?

寒さで感覚の無くなった掌を、イェソンは緩く深く握り締めた。



【好きの方程式10】



冷え切ったドアノブですら、その冷たさを伝えてはくれない。それだけの時間を外で過ごしていたのだろう……そんな自分にほとほと呆れる……
そう思いながら、イェソンはそのドアノブを静かに押し開いた。


静まり返った室内は、カーテンの隙間から射し込む月明かりと廊下からの灯りで照らされ、その暗闇を逆に主張させる。
時刻にすればまだ宵の口………眠るには速い時間だというのに、その部屋の主は定位置であろうベットを膨らませ規則正しい呼吸音だけを室内に響かせる。
その音に耳を傾けながら、起こさない様にと細心の注意を払いつつイェソンはその扉を静かに閉めた。


『キュヒョナはヒョンを、待ってるよ?』


そんな風に言われて此処に来た。
待っている?そんなのは唯の気休めじゃないだろうか?そう思うのに、それを信じたくなった自分の心に……
その想いに正直になりたいと思った。
大丈夫だからと、優しく微笑むソンミンと。そして何も言わずにただ自分達を心配して共に涙を流してくれたリョウクに、背を押された。

そうだ………自分は………


「……………キュヒョン……」


呟きは静かな室内に虚しく響く。低いベットの位置へと近付いて、身を組めて膝を床へと置いて。
こんな風に彼を見たのは何時ぶりだろう?そう……あれは彼が……キュヒョンが大きな怪我を負った後で、漸くこの場所へと戻って来た時。

誰も居ないこの場所へと、身体を癒す彼を看るべくこの場所に来た時以来かもしれない。
あの時はまだ、血の気の引いたままの顔にただ元気になってくれと祈りにも近い想いを胸に彼を見つめていた。その彼が今は、その頬に血の気のある色を乗せて静かに寝息を立てている………

それだけで、幸せだと思ってしまう寝顔。

「……………もう、何年経つ………?」

眠る頬をユックリと。起こさぬ様にとその頬へと指を触れさせて、体温を確かめる。
あの時はとても冷たかった……その体温……今は……


「…………子供か……お前………」


子供の体温は高いという。それを彷彿とさせるその体温に、何だか変に笑みが溢れてしまうのは何故だろう?

暫くその頬の体温を確かめる様に指で触れて、そのままソコを冷たい掌が包み込む。それは大切なモノを扱う様な……そんな感覚。

「俺は………強くないんだ………」

そのまま不意に口を突いて出た言葉のまま、イェソンは目の前の閉じられた瞳を見つめる。
思い出すのは、ソンミンに言われた言葉………



『同じモノなんて、一つもない。』



そうだ。同じモノなんて無い………
想いは人それぞれに違い、それでも同じモノを抱いて……それを大きくしていく。
同じじゃないから駄目だなんて事は……だから無いんだと。そう、ソンミンは言っていた……

「俺は、お前と同じには……なれない。」

自分の事を好きだと言った彼。
その強過ぎる想いを否定しようとは思わない………
あれだけ強い瞳を向けられたら、いくら鈍感だと言われる自分にだってその想いは伝わる。
だけど………だけど何時かそれに終わりが来たら?
もしも今の感情のまま、自分の気持ちを待っている事に……飽きてしまったら………



「俺の100を………お前は………待てる…………?」



震える声で。

そう吐息にも近い声と共に想いを乗せた音に、それまで規則正しい呼吸音を奏でていた息が不意に止まる。
そのままフッと暖かい手に包まれた自分の手の甲に、イェソンは息を詰まらせた。



「僕が……待てないとでも………?」



不意打ちにも近い言葉にイェソンは身動きすら出来なくなった。眠っていると思っていたのに………
だから気付いたこの想いを、こうして密かに告げたというのに。

「貴方の想いを100にする………僕は、あの時そう言った筈です……」

重ねられた掌が、そのまま指に絡んでいく。
そうして外された手は柔らかな唇へと誘われて。



「貴方を好きだって………コレ、何度目ですか?」



クスリ微笑んだ唇に、イェソンはただただ驚くばかりで。だって眠っていると思っていたのだ。こんな形で聞かれているだなんて、思う筈が無いじゃないか?

「……………ッ………は、な」

離せと言いたかったのに。それは優しく指へと触れられた唇に邪魔をされる。

「僕と同じになれないから、好きじゃないって?」

悪戯を仕掛ける瞳が月明かりに照らされる。
そのまま絡めていた指を解かれて、首筋へと回る腕……

「だから『大事な弟』だって………?」

緩やかに引き寄せられて……だがその力に抗えない。

「僕はね?」

僕は………



そのまま吐息が唇にかかり、間近に見つめられた瞳のまま。



「貴方の1ですら………100に思える………」



そのまま。掠め取る様に触れられた唇に、イェソンの背が震えた。二度目のキスは、やっぱり軽くて触れるか触れないかのモノだったのに。


「ほらね………100でしょ……?」


「………………………知るか……」


クスクス笑って額を合わせてくる相手に、もう白旗を挙げるしか無いのかもしれない。
そうして引き寄せられて、引き込まれた温かなベットの中。
途端に仔犬の如く嬉しそうに胸元へと擦り寄ってくる相手に力が抜けてしまう。
あれだけ悩んで苛立って………
泣いて後悔した後で、寝ている相手に勇気を振り絞って囁いた自分はいったい何だったのか?  

こんなにも軽く自分を元の場所へと収める相手に若干の腹立たしさも湧いてくるのに。


「……もう……約束、破らないで下さい………」



僕を1でも、違う好きで見てくれるなら。



「もう弟だなんて………言わないで………」



「………………………なら……さ、よなら…なんて………言うな………」



そう。好きは同じには成り得ない。
だけど僅かな違いのある好きを………こうして足して行けるなら。

掛け算なんて大きく数字は増えなくたって、そんなのは構わないじゃないか。



「10位には、なりました?」



ピコピコと耳が動いている気がする。同じ様に尻尾もきっとファサファサ大きく振られているのだろう。
だから今日も敢えて言うのだ。
何時もと同じ………だけど何時もとは少し違う、この想いを………



「……ま、だ4だバカ調子に乗ってるのもいいが俺はまだお前の好きには程遠」

「じゃ、これで……5だ。」



そのまま、また重ねられた唇。
今度は少し長く触れられたソコに、二人が出逢って初めての新たな熱が……



「……………ね?5になった……………でしょ……?」



「………………………………一発殴る。」



そんな新たな熱と共に、二人の道が動き出す。






※…………………っやーーーーーっ!!!!(どーした
やっっっと!!スタートラインに立った形の二人でございますよ皆様っ!!(え

久しく?ちこっと通い合った二人の気持ち。
少し展開早めかな?とーも思いますがー……
ほら、まだまだ前途多難なこのお話ですので油断は禁物っ←おまっ



え?そりゃもーコレはまだまだ続きます仔犬ちゃんがこれから大暴走っ(止まれ
って事で次回まで暫しお待ちをっ←






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