続きです。
前回やっと!!気持ちを少し?通い合わせたこの二人。切なさから嬉しさに変わったこの物語ではありますがー……
まだまだ始まったばかりですので。
仔犬ちゃんがキャンキャン鳴く場面があるかと思われますよエエ(オイ
そんな今回はほら皆様……
例の日を目前にしたお話にしようかと目論んでおりましたよキュヒョンさんの生誕日っ!!!!
私からのおめでとうは勿論っ!!お話を作って祝う事ですのーで。
前回よりも甘めになるといいのだけれどもー……
どうでしょう?(笑
それでは参りましょうっ!!
仔犬ちゃんの生誕祭を兄さんはどう祝う!?というか仔犬が駄々コネない訳が無いよねソレに兄さんが何処まで応えるのさ知りたいから早く始めてーーーっ!!なーんて言って下さる二人の初祝い話を求める方はどぞっ!!
「ヒョンー。明日が何の日か知っ」
「今日何度目だお前いい加減にしないとその口縫い止め」
「ゴメンナサイモウイイマセン」
何度目かの質問への返事に、キュヒョンはショボリと頭を下げた。
【好きの方程式 11】
「………垂れてる…」
ボソリ言う声に、何が?という表情で見上げてくる姿にイェソンは思わず目眩がしそうになった。
恐らくは自分にしか見えないだろう彼の頭と尻に付いたモノ。その事を思わず口にしたのだが、それを言われた当の本人は真相を知る由もなく。
「こっちの話だ……で、明日どうしても俺に休めと?」
あれから。そう、あの自分の心へと少しだけ正直になった夜から、二人の関係は急速に近くなった………訳もなく。
だけれど少しだけ距離を縮めたその空間に、イェソンは正直戸惑っていたりする。
「別に休んで欲しいとは言ってないですけど……」
ムゥッと唇を尖らせてくるのは何時もの事。
ソファへと座るイェソンの前。そこにペタリ床へと腰を下ろして、キュヒョンは唯々その頭の耳を垂れ下げていた。それはもう見るからにションボリしていますと訴えている様で、その事にイェソンはヤレヤレと溜息を吐き出したくなる。
あの日からキュヒョンは甘える事を遠慮しなくなった。いや前からしつこく付き纏って来てはいたが、今程では無いだろう……
現にイェソンの目前で仔犬の様にしゃがみ込むキュヒョンへと、リョウクの呆れた声が飛ぶ。
「ヒョンを困らせちゃダメだよキュヒョナ。」
食後のデザートにと苺の入った皿を手に、キッチンから姿を現したリョウクがキュヒョンへとチクリ釘を刺す。それに不満げに顔を上げる姿は子供の様な表情をしていて。
「だから別に休んでくれなんて思ってな」
「そんな顔して言っても、全く説得力無いぞお前?」
そのままグキリ音がしそうな勢いで、キュヒョンの両頬を手で挟んだまま自分へと顔を向かせた。
「……………その顔……引っ込めろ。」
ガキか?そう言おうとしたのに言えなかったのは、自分に触れられただけで綻んだ顔のせい。
全く何がそんなに嬉しいのかと思う程、キュヒョンは笑顔を抑えられないのだ。
「………ぶさいく。」
「なっ!酷いですよヒョン僕のファンがソレ聞いたら泣きま」
「万が一泣いたとしたら俺が慰めてやるから安心しろってお前のその自信は何処から来るんだ此処での姿を録画して皆に見せてやろうか?」
冷たい視線のまま包んでいた頬を指で掴んで引っ張ってやれば、「ゴメンナヒャイ」なんて間抜けな声が聞こえてくるから笑いそうになる。
今のキュヒョンの姿と言えば、ヨレヨレの白いトレーナーにグレーのスエットという何ともアーティストらしからぬ姿を晒しているのだ。
それでファンがどうのと言われても、ピンと来る訳が無い。
「ったく………朝から映画にワインだ?どっから出てくるんだその発想は……」
今朝からキュヒョンが言っていた事。それは明日の大切な日……
そう、キュヒョンの生誕日にしたい事を延々聞かされていたのだイェソンは。
それもかなりの無理があるだろう計画。
朝起きたらば先ず一度抱き締めて欲しいと。
そこからしてイェソンにとっては大いに恥ずかしい行為でしかないのだが。
その後で二人一緒に朝食をとり、二人で好きな映画のDVDをワインと共に観漁る。そうして午後までを過ごした後は、皆で誕生パーティーを開き。
御馳走を満足するまで食べて楽しみたいと。
「で……その後が何だって?」
言われた事を覚え切れない。そう言わんばかりのジトリ目に、頬をビヨビヨ摘まれながらキュヒョンはしどろもどろに口を開く。
「こふへふひ、ひくふでふ。」
「『公園に行くんです。』だって。」
二人のやり取りにやっぱり呆れ半分で口を開いたリョウクに、ああそんな事も言っていたなとイェソンは向かいに座ったリョウクへと目を向けた。
そう、パーティーをお開きにした後は二人で寒さの深くなった夜の中。近所の公園へと行きたいと言ったのだ。そこで何がしたいかとは言わないまま、ただ行きたいとだけ………
完全に風邪を引きそうなその予定にイェソン等は最早閉口した程だが、行きたいと言うならまぁ仕方無いとは思う。
だが、だ………
「明日は深夜まで、仕事だって言ったよなあ俺は?」
ニッコリ笑顔と共に言われた言葉に、キュヒョンはパッと離された頬を態とらしく撫でて。
やはり唇を尖らせて目前のイェソンの膝上へと顎をペタリと乗せて口を開いた。
「知ってますよ……だから言葉だけでイイって言ってるじゃないですか……」
そう言って今度は緩く頬を膨らませてくるのだから、イェソンは思わずその頭を撫でたくなってしまった。これも前とは変わった心の動き……
前までだったら、確実にその頭を殴っていただろうに……
だから一々戸惑ってしまうのだ……自分の想いの変化に………
「初めに言う位、簡単でしょう?」
ね?なんて首を傾げてくる姿が憎らしい。なんだってこんなにも自分にだけ甘えてくるんだとも思うが、これを他の相手にしている姿を想像するとまた腹ただしさが増す………
(ほんと………面倒だなコレ………)
皆とは違う好きがある。
それを認めてからの心は、時におかしな感情を生む。
だから嫌だったんだと自分の胸に叱咤して。それでも、後悔だけは無い事も事実なのだと……
だから………自分はバカだろう事もしてしまうのだろうか?そうイェソンは、自身の行動を振り返ってまた一つ叱咤をした後で。
「…………言う位、なら………」
まだ隠していなければならないからと。
胸の内に秘めた事を覆い隠して告げた言葉に、キュヒョンは本当に嬉しそうにその表情を綻ばせてから。
「約束ですよヒョン……破ったら、泣きますからね?」
パタパタとバカみたいに振られた尻尾に正直な奴だと笑いつつ。
「判ったから、離れろ。」
恥ずかしそうにそうキュヒョンの額へと手を当て、グイグイと自分から引き剥がそうとするイェソンと。それでも離れようとしないキュヒョンという何時もの構図の出来上がり。
「……あのさ………ボクが居るって、知ってるよねぇ……?」
明らかにバカっぷるだろう二人の行動に、距離の近付いた二人に安堵しつつリョウクは思わず笑顔が引き攣った。
そうして迎えた翌日の朝。
イェソンは静かにキュヒョンの部屋のドアノブを押し開く。ソンミンはもう早々起きていて、キュヒョンだけが静かに眠るその部屋。
「………相変わらず寝てる顔は、無害だよな……」
ポソリ呟いた声は眠るキュヒョンの耳には届かない。
暫くその寝顔を黙って眺めた後。
イェソンは一つ溜息を緩やかに吐き出して。
「初めのおねだりは……コレだったよな……?」
囁きと同時に眠るキュヒョンの体を布団越しに上から包み込み。ともすれば腰に響きそうな体制になる為、床へと膝を付きそのままキュヒョンの顔を覗き込んだ。そうすれば、覚醒間近だったのだろうキュヒョンの体がモゾリと動く。
(…………何やってんだ……俺は……)
傍から見たらかなり恥ずかしい事をしている気がする。それでも今日は彼の為に……傷付いても、好きだからと離れずに自分を想ってくれた彼の……
キュヒョンの為にとそう……決めたから。
「…ッ…………ひょん………?」
ゆっくりと瞼が開き、間近にあるイェソンの瞳とかち合って。寝惚け眼に思わず笑みが溢れる。
きっとまだ状況を把握しきれていないだろう彼の脳へと、イェソンはその耳元へと唇を寄せてから。
「誕生日、おめでとう………キュヒョナ……」
布団の上から抱き締めた腕を少し強い力に変えて。
そう普段は呼ばない愛称と共に囁いて、また彼の顔を覗き見る。
その自分の言葉にやっと目が覚め始めたのだろう。
何か言おうと口を開きかけた瞬間。
「次は確か、朝食だったよな……?」
「…………え……?」
囁いてフッと微笑んだイェソンに、キュヒョンは完全に覚醒した。
※キュヒョンさん生誕祭話でございます。
長ーくなりそうなので、ぶった切って次に繋げてしまおうという(オイ
兄さん大胆行動発動っ!!という感じで次に続きますよ勿論連投ですだって生誕日が終わっちゃうっ←行動遅過ぎ
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