お久しぶりです皆様。忘れてらっしゃる方も多いやもしれませんが、胡蝶にございますオゲンキデスカーーーーー!?(は?
暫くお休みを頂いておりますが、その間皆様ギュイェ愛を育んでおりましたでしょうか?
って実は復帰した訳ではないのですが……寧ろ加速する仕事の増加に身動き取れない状態と陥っております昨今。
そんは私に、やはり癒しはギュイェなのだなぁと…←
ってぇ事で色々お話滞ってるけどこんな時こそ動こうぜっ!!なーんて形で新たなお話始めさせて頂きまっす(待てーーいっ
え?【好き式】?勿論書きますよラストは既に考えております故。並行してこのお話をツラツラ書いて行こうかなぁと……とは言っても、時間に空きがある時に限られますので不定期です。
なのでお付き合い下さる方々には多大なご迷惑をお掛けするかと思いますが………それでもイイと言って下さる方のみ。お付き合い頂ければ幸いです。
それでは参りましょうっ!!
今回は久々シリアスだよ【偽装愛】以来かこの感じ!?なーんて思う私にそうかもなぁと仄かに頷きつつ。ちと胸が痛む内容やもしれんけど、やぱーりギュイェだったら眺めみたいじゃないか付き合ってやんよーーーっ!!なーんて言って下さる何処までも大らかな方はどぞっ!!
目が覚めた時。
ボンヤリした視界が鮮明となった先には、目覚める前と同じような闇と。その闇の中へと丸く光り輝くオレンジ色の月が、世界を静かに照らしていた………
【追憶の欠片~時と針~(1)】
あれから半年。あの、闇から闇へと目覚めてから…半年……
晴れぬ霧が頭の中と胸の中へと、延々広がっている気がする。
母親、と呼ばれる存在が俺にはいて。勿論父親もいれば、弟もいて……
そう。その【名称】を持った人間が、俺の傍へと常に寄り添う。
実感の湧かない、その存在………
そうなのだと言われれば、恐らくは事実なのだろう。ただそれを俺が憶えていない……それだけの事……
どうやら俺は。【記憶喪失】と、なったらしい。
「ジョンウナー?支度は出来たのー?」
闇夜に目を擦ってみて。その腕が思いの外重かったのを思い出す。それは数ヶ月もの間、延々目覚めぬ意識によって奪われた筋肉達のせいらしかった。
「ジョンウナー?まだ寝てるのーーー!?」
半年程眠る様に意識を戻さなかった代償は、余りにも大きかったようで。体力は元より、筋肉が全てそげ落ち。背中は床擦れと言われるモノで痛みを発して。
「ジョンウナーーーっ!?」
そして何より生まれてから今まで。その21年間という全ての記憶を、俺は失っていた。
「って、起きてるんじゃない!返事くらいなさいよ。」
「………ん。ごめん。」
階下から上がって来たらしい【母親】と呼ばれる存在が、困った様に溜息を漏らす。
その顔は目覚めてから今まで。この半年を通して見てきた顔と、なんら変わらぬ表情の一つ………
それに胸が、ほんの少しチクリとした。
「今日から大学生になるんでしょう?もう少し時間ってものに」
「判ってる。時間はキッチリと……だろ?」
床へと座り込んだまま。軽く上げた右腕へと付けた時計を軽く叩いてみせる。そうすればまたあの困った様な顔を向けてくるのだこの人は……
「その時計の針、ちゃんと見て行動してね?」
「………ん。」
未だ何処か余所余所しくなるのは仕方のナイ事だろう。だって俺には彼女との記憶が、ない。
見ず知らずの人間と共同生活している様で、だからどうしても……一つの壁を作ってしまう………
「ほら、そろそろ出ないと……」
遠慮がちなその声に何となくの笑顔を向けて。
俺は横へと置いたバックを手に取った。
それは本当に運の悪い事故らしかった。
普段通るいつもと変わらぬ道路。その時は大学生として過ごしていた俺は、何故だか夜の道を大学へと向かって歩いていたらしい。何か課題を忘れて来たのか……それとも違う理由でソコへと向かっていたのか……今ではそれすら判らぬ理由で、俺は大学へと続く道を歩いていたようだ。そして、起きてしまったソノ事故。
元々古びていた近所の縦看板。強風が吹く度に揺れ動くソレに、俺は危ないだろうと家族へ仄めかしていたらしい。そんな事を言う人間だったのかと、第三者の様な目線で見てしまうのは……今は何に対しても興味が湧かないからかもしれない。
ただその時の【俺】は、確かにそう思っていたのだ。そして起きた………あの事故………
『強風と激しい雨で、腐った金具が割れたの。』
そんな風に言っていた彼女は、その目に沢山の涙を溜めていた………
俺の母親らしいあの人は本当に不幸だったのだと、今でも小さな声で呟く。
『落ちてきた看板が貴方に………』
そこから先は何時も言葉が詰まってしまう。だが容易に想像出来るだろう。縫われた跡の残る頭……今は傷跡しか残らない、胸元の傷………
肋骨を五本程折っていた。それと両足の脛の骨折。
大きな看板に押し潰されたのだ……それでも生きていた事が、奇跡に近いと……そう医者には言われた。
「新入生ですか?会館へお集まりを。」
誘導員らしき男性に笑顔を向けられる。気付けば家を出て、いつの間にか大学へと辿り着いていたらしい。目の前へと広がる門は、試験へと訪れて以来見る新鮮なモノ。だが此処は半年前まで通っていた、馴染みの大学………
『事が事だから、恩恵の処置をして下さったの。』
そう母親はやはり控え目に言っていた。受けられなかった授業分から言えば、確かに恩恵と言えるかもしれない。成績の良かったらしい俺は此処へと新入生という形でもう一度、受け入れて貰える事となったのだ。強豪ばかりが集う大学……入学ですら難関と言われる此処へと戻って来れたのは、これも【奇跡】と言えるのかもしへない。
「何も感じない………か…」
経路を示す矢印を進みながら、思わず呟いた言葉。
新入生を集めての入学式。その式典へと出席する為の足は、家を出た時から重いまま………
「時間………か……」
歩幅を緩めて右腕へと視線を落とす。そこには服に隠れたままの、時計が一つ。
「この針に一々左右される………バカだよな……」
また漏れてしまった言葉に思わず口を噤んだ。
事故へと遭ってから、俺は独り言を多く発する様になったらしい。以前から少し人と違っていた様だが、一層変人度が増した……と。
それを聞いた時には思わず笑ってしまったが…
勿論そんな事を言うのは、弟と位置づけられた年下の彼……ジョンジン。馬の合う人物だと思う。彼とは他とは違う親しみが湧くし、気楽に話を出来る相手だ……だがやはりというか、壁を取り払う事は、出来ない。
「…………木……?」
そんな事を考えていたら、会館へと向かう途中の枝分かれした道筋。向かう側とは違う、細く何処かへと続く道を目にした。そこは木々で道を覆われ、何処か別空間へと向かわせる様な………そんな感覚。
(………時間………)
またチラリと彼女の言った言葉を思い出す。
【時間はキチンと。】そうこの半年言われ続けた、進みを止めない時計の針………
耳を寄せればコチコチと進むその音も、今の俺には…………そうだ。きっとこの音は、関係ない……
「時間は進んでも……戻らない。」
幾度となく繰り返した胸の中での言葉を洩らして。
俺は細く続く道へと、足を踏み出した。
生い茂る木々の道を通り抜けると、そこは少し開けた中庭となっていた。簡素なベンチが数個と、青々と生い茂る木々に囲まれた円形の中庭………
「………ガラス張り……」
小さいとはいえ、数十人が寛げるだろうソコは雨が降っても濡れる事のナイだろう。ガラスの板が数メートル先の空へと張り巡らされている。
【ガラスの天井】とでも言うのだろうか?太陽の光を寸断させぬソコは、惜しげもなく光を集う場所へと射し込ませていた。
「時が……止まってる…………」
そんな風に思わせる空間に、何故だか胸が小さく揺れる。自分へとついて回る、【時間】………
そうだ【あの日】から進まなくなった自分の【時間】と同じ様に。
此処は、追われる事のナイその【時】を維持している………
そう思ったと同時。
不意に聴こえてきた仄かな旋律に、瞬間的に動機が激しくなった。
それは初めて聴く音なのに………
懐かしいと思う…………旋律………
「ッ…………この、音………」
【あの日】から。
止まってしまった俺の時間と感覚を。
一定の音を刻む胸の音を大きく揺らす、その音へと目を向けて。
「…………………………だ、れだ……?」
向けた視線の先。
そこへと佇んでいた彼へと焦点が合った瞬間………
「……はじめまして………記憶のない、貴方。」
止まっていた俺の時間が、動き出した。
※さてはて自由気まま……と言ったら聞こえはイイ?けれど。所詮は唯我独尊形式で始まりましたこのお話。
書きたいなぁとは仄かに思っていたのですがー……
リハビリ感溢れる流れで始動してしまったパラレルギュイェ!!
ええ兄さん記憶喪失から始まるとかどーなのコレ!?なーんて内容ですがー………
勿論、出逢ってしまった声の持ち主は………アノ方!(え
皆様お判りですよね?←勝手だなオイw
という事で、このお話。
【好き式】と並行しつつ連載していきます故、長い目でお付き合いして頂ければ幸いです不定期ですが完結させます時間は掛かるやもですが…(待て)
因みに静かだけれど悲恋とかでは決してナイですよっ(強く断言っ