お久しぶりな【正きも】でございます。

今宵は二作品を連投しましたが、彼等の祝い事という名目で。
此処は目を瞑りましょう苦言は聞かない言わない叫ばないっ←完全自分本意道ww

朝目が覚めて、このお話が脳内へと広がりましてね?だけれど書く内にまた違う形を成したのですが。
それもまた一興(えー
私の意思は完膚無きまでに逸れたこのお話を、少しでも笑って下さる方がいらっしゃったらそんな貴方へとお嫁に向いま(嫌がらせだろ



それでは参りましょう!久しぶりな【正きも】ご降臨だーよー!!って結婚を経て年月費やしたらそりゃ甘さも控えめになるでしょ!?いやいやそれでも糖分摂取したいんだーよーっ!!なーんて言って下さる何処までも甘党だから梅干片手に糖分取るよっ!!と言って下さる甘さを求める方はどぞっ!!








【正しい気持ちの伝え方・番外(愛編)】



結婚をして早一年半。以前よりも二人で過ごす事の多くなった、そんな新居と言われる家の中。

今日も今日とて朝からイェソンはチョコチョコと動き回っていた。


久しぶりに取れた連休。そうなれば勿論二人で過ごす為にと普段過ごしている宿舎から離れ、二人きりの場所へと身を投じる。
それでも日々の生活を崩す事はない。
朝も早くからイェソンは広々とした屋敷に近いこの家を、テコテコチョコチョコ動き回る。

「っと……もう、8時…」

ふと見つめた先の時計は8時も半に近い場所を指している。仕舞い込んだままだった冬服をのきなみ洗って料理の支度をして。増える一方のサボテン達へと久しぶりの食事を与え、数部屋掃除をしていただけでこの時間だ。朝早くから起きて既に2時間は経っている。なのにまだまだ終わらぬ主婦業へと、若干頬を膨らませながらやっぱりテトテトと音が出る様な足取りで。

イェソンは愛しい相手を起こすべく、二階へと足を向けた。


カチャリ開いた寝室の先。広すぎる室内は、大きなダブルベットと一つのテーブルだけといった簡素な世界を広げている。
重いカーテンは開け放ったが、それでも射し込む太陽の遮光にと。開けずにおいた薄いカーテンからは溢れんばかりの光が溢れ出す。

「まだ、寝てる。」

その中でスゥスゥと小さな寝息を立てる人物。我が愛する相手へとイェソンは頬を小さく膨らませたまま。それでも普段とは正反対で。こうして起こせる幸せに、やっぱりテコテコと足音立てて。ベットサイドへと身を寄せた。

「キュヒョナ、朝。」

そう。はや一年は経とうというのに未だ深く愛して止まないこの相手……
旦那様ことキュヒョンは近頃お寝坊だ。
とは言っても、それは二人きりでのこの屋敷内にて生活している時に限るのだが。

「キューヒョナ?」

チョイチョイと。ベットサイドへと身を組めて、陽の光へと晒された白い頬へと指をコショコショ滑られせる。それでも起きないこの相手は、昨夜散々自分を泣かせてくれた後。夢へと落ちる前に読書をしていた。きっとそれは明け方まで続いたのだろう若干の筋肉痛が襲うこの身体をどう訴えてやろうか?

そんな風に思う様になったのは、つい数ヶ月前の事。

「起きなきと、ご飯抜き。」

ポソリ呟く言葉は淋しさの現れ。この人物の瞳を見てしまったら、そんな事が出来る筈はナイのだ。
だけれど言いたくなる……その言葉。
だって自分を映さぬ瞳なんて、知らないから………
チラリ見たサイドへと置かれたテーブルの上。
その上へと置かれた一つの砂時計を静かに眺め見る。



『この砂時計が落ち切ろうとも、僕達は永遠に……』



常となったその囁きは眠る前の子守唄。

それを思い出すだけで……だから頬が熱くなる。



「一人百面相……」



止まってしまった指を絡め取られてのその言葉に、イェソンは見つめていた砂時計へと視線を向けたまま。ビクリ肩を揺らしてプックリ頬を膨らませた。

やっぱり旦那様は、何時だって自分を驚かせてくれる。

「寝たふり、や。」

「…………寝てましたけどね?今の今まで。」

クスリ笑うその表情はとんでもなく柔らかくて。
だからイェソンは何時だって、心臓を大きく揺らしてしまうのだ。

「うそつき………」

「…貴方には何時だって嘘つきだって……そんな僕を、知ってるでしょう……?」

そうだ。この相手は自分の為にならば、何時だって嘘をつく事を知っている。それは優しい優しい……嘘。

起きているのに、寝たふりをする。気付いているのに、気付かなかったフリをしてくれる。

そうして何時だって、優しい笑顔で嘘と共に。


「起こしてくれて、ありがとうございます……」


こうやって包んでくれるのだ。


「………たらし。」

「………………………それ教えたの、誰ですか?」

ニッコリ笑顔で聞いてくる姿に思わず笑みが漏れる。
変な知識をとブツブツ言うこの相手はきっと、その相手へと何か仕出かすのだろうそれは周りから口煩い程に言われる事項なのだキュヒョンへは自分が関わった事を決して言うなと。

だから、言わない。

「ご飯、冷めちゃう。」

「まったく………貴方は皆を大切にし過ぎです。」

少し怒ったフリは、嫉妬と受け取っておこうだって彼の他者へと向ける心は全て嫉妬なのだと。だから笑って受け流せとチャンミンから教わったのだ数週間前に。なんて事をイェソンが思っている事など露知らず。

今日も今日とてキュヒョンはその頬へと柔らかに唇を滑らせていく。

「今日の朝ごはんは、何ですか?」

「……ひみつ。」

「………………フレンチトーストと、これは……ポトフかな………後は、貴方の沢山の愛………」

でしょう?なんて指へと唇を落とされながら言われる事にイェソンはボワン!目元を染めてしまう。だって寝そべりながらの上目遣いなんて………ズルすぎる。

「っ知らない。」

プイッとソッポを向いてしまった相手に笑って。キュヒョンはヨイショと身体を起こすと大きく伸びをして見せた。そうして言う事はいつも同じなのだ。



「おはようございます………愛する奥様……」

「……………はよ……旦那様………」



こればっかりは何時だって照れてしまう、何時もの挨拶。
結婚してから毎日毎日囁かれる、決めゴトの言葉。


そうして長くも短い一日が、また始まる。






「いい匂いですね……食欲を唆る。」

「っ………着替え!」

先に降りた奥様の腰へとサラリ腕を絡めて。旦那様ことキュヒョンはこうして毎度ながらに怒られる。
奥手な奥様は、旦那様のパジャマ姿がいたく苦手らしいのだ。

今日は大人しめな黒で抑えてみたんだけどなぁとは旦那様の意見。それが大人の魅力に写り。余計に奥様を刺激してるだなんて、そこはあのキュヒョンとて読み取りきれない深き心理。

「じゃあ着替えて来ますから……煮込み過ぎないように………ね?」

チュッとその首筋へとキスを贈られて。それにまたもやボワン!しつつ慌てて火を消す奥様へと笑って背を向けた旦那様は、やはり確信犯と言えるかもしれない。



そんなこんなで朝食をやっと終え。

そうなると奥様はまたもや忙しさに時間が忙殺されるのだ。久しぶりに訪れた新居となると、やはりというかホコリは積もる。各部屋を順次掃除しながら布団を干し。昼食作りをしつつ偶に送られてくる兄達からのメールチェックをして。

こうして宿舎を数日離れると決まってイトゥクから連絡がくる。

【キュヒョンはちゃんと手伝ってるの?】

奥様の仕事は膨大だ。だからと心配しての言葉にチラリ横を眺め見る。
そこにはパソコンを目前に眼鏡を掛けた愛しき旦那様が一人………

携帯片手にコンモリ抱えた洗濯物を、キュッと抱き締める。

手伝ってくれるか?そんな事はどうでもいいのだ本当は。頑張った後には、ちゃーんと旦那様は労わりの言葉と共に甘やかしてくれる。
自分は何をしたらいいかも、その都度聞いてくれたりするのだそんな自分は本当に恵まれている。

だから忙しく動いている横でパソコンを弄っていたって、全く構わないけれど。



だけど…………



バサリッ。




「………太陽の匂い…」



だけど。旦那様が二人きりの空間で。



「全部、乾いた。」



二人きりの空間で、自分を感じてくれないなんて………それだけは、嫌なのだイェソンは。



「…………アイロン、ですか?」

「ん………キュヒョナの、お仕事。」

「…………アイロン台、何処でしたっけ……?」



奥様は本当に忙しい。食事に洗濯。それに掃除もして、何時だって時間に追われる。
だけれどそんな中でも、何か一つ。仕事を抜いてくれるだけで………その時間に相手を感じる事が出来るだけで……………大変を、大変なんだと。感じないモノへとしてくれるのだ。



「…………酔いませんか?」

「……酔わない。」


シューッなんて蒸気を上げるアイロンの音が、静かな室内へと響いていく。
その音と共に揺れ動く背中にピタリ耳を張付けて。
イェソンのお気に入りのワイシャツへと滑るアイロンと長い指を、閉じた瞳で感じていく。

午後三時となれば日が少し傾き始める季節だ。

そうなると、自然と肌寒さも感じるのだリビングの開け放たれたこの空間では。

「…寒いんですか……?」

クスリ背中が仄かに笑う振動が頬へと伝わる。
ピタリ付けた頬と耳。それに身体中で、その揺れる身体と心地良い心音を全身で感じたまま。

「………ん………寒い、から………こうしてる。」

「…………仕方ありませんね……アイロンを掛け終えるまで、ですよ………?」

やっぱりクスリ笑う振動に、イェソンはその腰へと背中からキュッと腕を回して。
コクリ僅かに頷くと、そのまま深くへ思考を投じた。





フルリ寒さを覚えて意識が浮上する。
覚醒した意識の中で、はたと気付いたその場所は……何時の間にやらソファの上。先程までは床へとペタリ座っていた筈なのに。その身は柔らかいソファへと横たえられて、胸から身体へと暖かな毛布を掛けられていて。その頬はやっぱり温かな、だけれど毛布とは違う何処か優しい温もり。


「………ヒョナ……?」


モソリ動いてチョコリ顔を動かせば、その先には俯かせていても優しさ溢れる顔が一つ。

「……………気持ちよさそ………」

スゥ………寝息を仄かに響かせて。座ったまま眠る相手の顔が一つ。
何時の間にソファへと移動したのだろう?

足元を見れば、そこには今日洗って干した洗濯物達が綺麗に鎮座していたりする。


「疲れてる、くせに……」


そうだ。キュヒョンは自分よりも多忙を極めている。それなのに、こうして互いの時間を無理矢理作ってくれて……そうしてこうやって、膝枕なんて行為で自分の淋しさを何時だって……埋めてくれる。

「かぜ………引く。」

ユルリ起き上がり、開け放たれたままのリビングの戸のせいで冷えてしまった身体を大きく包み込む。
此処に来るまでの数日間……自分があまり眠れていなかった事を……この相手は判っていたのだろう本当に優し過ぎて……だから、困る。



「疲れてるのに………ありがと。」



キュッと冷えた身体を静かに抱き締めて。

今宵は彼の好きなモノと、それとほんの少しだけ。
彼の大好きなワインを共に飲んでやろう。
酔った自分を相手するのは、やっぱりこの目の前の………大好きで大切な………

唯一無二の相手なのだから。




「あの高いワイン、空けてやるもん。」




酔ったイェソンは手に負えない。


そんな言葉を誰かに言われた事がある。
だけれどそれを受け止めてくれる相手を、自分は知っているから。



「ダメなんて………だめ。」



ポツリ呟かれたその響きに。

温もりから覚醒していたキュヒョンが苦笑でもって静かにソレを聞いていた事を、イェソンは知らない。



そうして深まる、二人の何時もの。優しい時間が今日も刻まれる………






※はいっ!久々【正きも】でございます皆様ご機嫌麗しゅうっ!!(え

この二人の新婚を経たその後の日常を書きたいなぁと思っておりまして。
ならば今回なんでないのー?とね?←
エロなくだけれど、滅法甘い二人を偶には載せてみようかなぁと(要らんっ


そこまで甘くはなっておりませぬ故、胃薬等は必要ナイかと思われますよ辛党な方には必需品やもですけどねっ←

それでは皆様。この良い日を彼等と共に………