皆様ご機嫌麗しゅう(は?

春風がもう目前へと近付いているこの季節。
皆様どうお過ごしでしょうか?気温の高い日も増え、服装にお困りではありませんか?ですよね私も困ってますよだって昼間はあったかいのに夜はまだまだ寒さが残るっ(誰も何も言ってない

とまぁそんなこんなで久しく姿隠しをしていた胡蝶にございますおはこんばんわっ

慌ただしさを感じるまま、気付けばもう三月なのですねぇ……来月からは新生活を開始する方もいらっしゃるやもしれませんが。くれぐれも、無理などはなさいませぬよう………


それではチャチャッと参りましょう!!久しぶり過ぎて内容スッカリ忘れたわ!なーんて方は胡蝶さんまでお問い合わせをお願いしますサクッと流れを説明しちゃうよ大雑把とか言わない言わない二人の関係どうなったのさ仄かにボヤッと気になるよーーっ!!と言って下さるまだまだ忘れてない方はどぞ。










「おはようございます、ヒョン。」

「………………………重い。」

そんな二人の何時ものやり取り。



【好きの方程式 21 】



「今日の天気は晴れですか……絶好のデート日和で」

「誰が誰とデートするんだ布団と一緒に干してやろうかその煩悩だらけの脳みそも少しは乾いてマシになる。」

休日になると訪れる、毎度ながらの朝の光景。
ソファへとユッタリ腰掛けるイェソンの真後ろ。ソファの背凭れ越しから、イェソンの首へと腕を回してベタリ纏わりつくキュヒョン………

そう。休日は何時もそんな光景から朝が始まるのだ昼近くだろうがキュヒョンにとっては起きたてなのだから朝と位置付けられている。
そうして首へと回された腕を邪険に扱うのが、イェソンの何時ものスタイル。なのだが………

「こんな天気の良い日に干されたら、僕の身体が干からびます。」

ニッコリ笑ってパッと腕を離すキュヒョンに、リョウクとソンミンはここ数日起きている二人の変化をまた目にする事となった。

「さて…今日は少し出掛けて来ますけど、何か欲しいモノあります?」

「………………………別に。」

未だパジャマ姿のキュヒョンは返事を聞くともなしに洗面台へと足を向け、邪険にされたにも関わらずなご機嫌模様で姿を消して。リビングへと残されたイェソンはといえば…………

「………………………」

傍目からも判る苛立ち度でもって、手にしていたテレビのリモコンをミシリ音が出る程握り締めていた。




「ヒョンー……そこで寝ないでね?」

リョウクの小さな問い掛けには「……ん。」なんて短い答えで返し。ともすれば息が苦しくないのかという程喉を仰け反らせ、イェソンはソファの背凭れへと頭を乗せて静かに天井を仰ぎ見ていた。
何時もの休日の、何時もとは明らかに違う光景………

キュヒョンが出掛けてから一時間は経つだろうか?イェソンのその体制は延々静かに続けられる。

「………あの二人、また喧嘩したのか…?」

ソンミンの疑問はだが、朝の絡み具合から違うだろうと一掃される。前に大きな喧嘩をした時は少ない会話はしていたが、触れ合う事は一切無かった。
だが朝からペタリ張り付いていたキュヒョンを見るからに、だから喧嘩ではナイだろう。

「ベタベタは変わらないんだけど…何か違うんだよね、二人の雰囲気が……」

とはリョウクの意見。確かに、とソンミンも思う。
二人の変化を感じたのはここ一週間という所だろうか……そうだ。イェソンが激しい二日酔いに陥った、あの日からだった気がする……
そう二人顔を見合わせて。未だソファで同じ体制のまま微動だにしないイェソンを、ただただ静かに見つめるしかなかった。



(出掛けるなんて……聞いてない……)

不機嫌極まりなかった感情は、だがそれも最初だけ。
そこからはここ数日胸へと巣食った不安と後悔の感情ばかりがイェソンへと押し寄せる。

あの日………キュヒョンとの記憶を久しく思い出した、あの日。

あの言葉を放った自身の気持ちに色んな感情が溢れ出して。目の前の相手と深いキスをした……それは今までとはまた違った感覚のモノ。
あの時彼を捕えてしまったのは自分なんだと。他へと向かったかもしれないその心を、自分に縛り付けてしまった……:なのにそれが妙に嬉しくて……

あの時は……あの言葉を放った【あの自分】は純粋な気持ちで彼を弟として。愛しているんだと、そう伝えていた筈だったのに……

「……………本当に………純粋だって……?」

あの日。初めて『おかえり』と言った、あの日。
そしてそれを思い出した、二度目の『おかえり』を告げた……あの日。

キュヒョンの涙を目にして、その涙が自分だけに向けられているのだと……そう感じた、あの二つの日。


「俺は……………」


自分は、それが自分だけのモノなんだと………
あの日あの時………熱く大きく、胸が震えた。


そうして二度目の言葉を告げた日。熱く求められる唇を、自分も激しく求めていたのだ。



『ジョンウニヒョン………』



吐息と共に囁かれた声に、身体が……そして心が震えた。求めてくる想いがこんなにも嬉しいモノなんだと、あの時の自分はソレを、彼へと深く深く求めた……

なのに。



「バカだ…………」



独り言なんて普段は口にもしない。そんな漫画地味た行動、どうかしてるだろうと何時もだったら一笑に不しただろう。キッチンの方から此方を心配そうに伺う弟達も自分は知っている。
だがどう声を掛けたらいいのか……そう困っているだろう彼等にこれ以上の心配など掛けさせたくはナイ。
だけれど………どうしても自身への苛立ちを、今は抑え切れない。



(何であの時………嘘なんか……っ………)



深く求めたあの日。だが泥酔していた自分は、長いキスを受けたまま。あろう事か深い眠りへと落ちてしまったのだ。そうして目を覚ました時にはキュヒョンのベットの中に居た。目覚めと共に襲ってきたのは、数時間前の記憶と激しい二日酔い………
こんなにも呑んだのかという後悔と、自身の仕出かした行動への……深い後悔。

(俺があんなっ………あんなのは、俺じゃない………)

未だに頭を廻るのは、そんな否定の言葉ばかり。
普段の自分では在るまじき言葉を彼へと告げて、深く求めるなんてのは………そんなのは、自分じゃない。
全てはそのバカで子供地味た、この思考のせい………



『憶えてない………』



数時間前とあの日のあの記憶を、だから憶えていないと咄嗟に告げてしまったのだ。
その時のキュヒョンの顔が、未だに忘れられずにいる。



「……………ばかやろ………」



自分の馬鹿さ加減に本当に腹が立つ。
嘘を縦に自分を隠す事が、相手をどれだけ傷付けるのか……そんなのもうこの数ヶ月で痛い程に判っていた筈なのに。
どれだけ相手が待っていたかも………素直になれず嘘ばかりな言葉でもって、彼を苦しめてきたのかも………

ずっと判っていた筈なのに………



『仕方ない人ですね………ほんと…………』



何処か淋しそうに笑って言われたあの顔を………だから、忘れられない。



仔犬みたいに懐いてくる姿は前と変わらぬ彼の姿。
なのに、前より何処か距離を取っているなと……
直ぐに離れるあの手と温もりに胸が痛いのが、変わった自分の今の姿…………




「………………どこ行くか位………言えよ……ばかやろ……」




距離を取り始めた相手と勝手過ぎる自分自身の想いへと。

イェソンは深く静かに呟いた。







※あの後からのまさかの展開読んで下さる方々には本当土下座の勢いですごめんなさいゴメンナサイっ

ここから最終話へと加速の勢いで走るかと思われますがー……ギュよ……君は一体どこ行った?←

しかし兄さんが深く悩んだ後って、何だかんだで美味しい場面に繋がりますよね私のお話定義だと(待て



続きます。