皆様本当にお久し振りでございます。お忘れの方もいらっしゃるだろう、この場の管理人胡蝶にございます改めましてこんばんみーーーっ!!(軽

さてはてここ数年。全くお話を書いて無かったワタクシですが。久し振りに書きたくなりましてね?はて何を書こう?思っていた時にやはり久し振りな大切な方との逢瀬(え)がございまして。
ならばやぱーりこの二人を書こうかなーと。

そんな唯我独尊我儘道を突っ走る毎度ながらの迷惑道ですが。しかもこの二人を書き切れるかすら今だに疑問が湧く自分ですが。それでも久し振りだし読んだるかー?なんて言って下さる懐深きギュイェラバー様はどぞっ!!





「ねぇタンコマ……どーしたらイイ?」



言いながらこの家の奥様ことイェソンは、細く長い溜息をゆっくりと吐き出した。





【正しい気持ちの伝え方(深心・序章編)】






久し振りに晴れた朝。昨日までの長雨は何処に行ったんだと言いたい位には青空が広がり、濡れていた筈の路面もすっかり元の色を取り戻している。
そうなるとこの家の奥様ことイェソンは、朝も早くから張り切って動いてしまうのだ。

「洗濯物、いっぱい。」

ふぅ……

庭へと干し広げた洗濯物のその数に思わず息が漏れる。三度も洗濯機を回せばそりゃ干す量も大量だろう。今日も今日とて頑張った……そう自分自身を褒めながら、テラスへと並べられたサボテン達へと目を移し冒頭の言葉へとなるのだが。



(どうしたらアレ、見れる?)



それは心での問い。陽の当たるテラスの板張りへと言う所の体育座りなんてモノをしながらイェソンはコテリ小首を傾げる。それは最早近頃の日課に近く、雨が降る日はテラスの冊子を閉めたまま。晴れた日ならば全ての冊子を開け放ち緩やかな風を受けながらの、そんな日課。


(どうしたら………)

コテリ

(どーしたら……………)

……コテリ

(どー…)

「首、痛めますよ?」



クスリ。小さな笑みと共にそう背中から声を掛けられ、イェソンは頭上をユルユルと見上げた。そこには違わず愛しの旦那様の、優しく微笑む姿が一つ。

「………起きた。」

「『おはよう』、でしょう?」

そう言いながら身を組めて、見上げているイェソンの額へとおはようのキスを贈る。それを擽ったそうに受けながら、漸くイェソンは口を開いた。

「はよ……旦那様。」

「おはようございます、僕の奥様……」

今度は瞼へと軽く唇を触れさせて。

「随分とまた…」

頑張り過ぎです。

そういう言うキュヒョンの目の先には大量の干した洗濯物達。起こしてくれれば良かったのに……そんな風に言われて、イェソンは自分の後ろへと立っているキュヒョンの両足へと背を預けながら唇を尖らせた。


「ほっぺ、抓った。」


「…………はい?」


「髪、引っ張った…」


「………えーと…」


「腕も噛んだのに。」

なのに起きなかったのだと。


言われて気付く頬の痛み。触れば本当に少しだけれど頬が痛い。頭に触れれば何だか鈍くジンワリ響くものがあるし、腕を見ると両方の肘下内側辺りに噛み跡が、二つ………



(本当に噛んでる………)



ここまでされて起きなかった自分にも呆れるが、さて?と旦那様ことキュヒョンは昨夜の思案の続きを開始する。
近頃の奥様は、何だかおかしい。周りから言わせれば普段からおかしいと文句が出そうだが、キュヒョンからすればそれも含めてのイェソンだと。何時もなら軽く言って退けるのだけれど。



(何か、怒ってる……気がする…)



何とも曖昧な感想なのだが、キュヒョンはこの数日イェソンへとそう感じていた。
正しくは【むくれている】の間違いかもしれないが、兎にも角にも愛しの奥様は自分へと何か思う所があるらしい。
現にこうして抓るだの噛むだのと普段では有り得ない形で示しているではないか。


「僕はまた、貴方に何かしましたか…?」


聞きながらサラリ頬を撫で上げてみる。それを嫌がる素振りは、ない。が………


「……パジャマ…」


返事の代わりにとボフリッ。キュヒョンの足へと寄り掛かったままイェソンは頭を一度その太股へと打ち当てた。
未だパジャマ姿のキュヒョンへと抗議の声を上げているらしい。それ、成人男性の行動ですか?なんてのはキュヒョンの胸の中だけでの言葉。
相も変わらずやっぱり可愛過ぎるそんな行動に、もう一度とまた頭を動かしかけたイェソンの顎を後ろから緩り上げさせ今日初めての目線を合わせる。


「今日の着替え、出てませんでしたけど…?」


ちゅっ。


音を立てて離れた唇。先程から延々尖らせていたイェソンの唇が、ともすれば強制的に解除される。


「…………も、いっかい。」


言えば必ずまた降り落ちる優しく柔らかな感触。
そうして緩り離れようとした唇を、カプリ。


「……………こら。」


離れる一瞬の隙を突いて下唇を軽くだが噛まれて。驚きに目を見開きながら、だが取り敢えずとキュヒョンはイェソンを優しく叱る。

「腕ならまだしも、唇を噛むなんて…」

ダメでしょう?

あらんスイッチが入ってしまったらどうするのだ。
とはやはりキュヒョンの心の声。
こんな風に唇を噛まれるのも初めての事だ。
時々彼の思考が読めない時がある。
そうした時は根気強く彼が言葉を口にするのを待つのが常で……







(確かアレは……二年前、か……?)



結局無言のままサボテンへと目を移してしまったイェソンに溜息一つで頭を優しく撫でてやって。
着替えて来ますとリビングを後にしたのだけれど。

キュヒョンの思考は深まるばかり。
こんな風に無言を貫き変な誤解が生じたまま、酷く彼を抱き泣かせてしまった記憶が蘇る。
あの時と、今回のイェソンが何故か重なる。
だが少し違うのだあの時とは……


二年前のあの時。アレはキュヒョンが自ら買ったサボテンへと馬鹿みたいに嫉妬して。ヒチョルへと相談なんて事までした上にそれをイェソンが聞いていて……誤解が生じて彼を酷く落ち込ませた。
その時は、甘えや我儘を一切言わなくなり良い奥様になろうと必死で頑張っていたイェソン。
最終的には誤解も解けて、それから早二年………



(逆…………か…)



そう。二年前のあの時とは明らかに違う事。
それは普段の彼に輪を掛けて甘えたがり、我儘を言って困らせようとして。何か言うと途端に膨れてそっぽを向いてしまう。昨日等は風呂のお湯が水に近い状態だったではないか。
そして………


「………これも……態と、か……………」


お気に入りのワイシャツ。
クローゼットを開けて一番に目に付く場所に掛けられたソレは、どうすればこんなにシワクチャになるのだろうか?そう思う位には全面皺になっていて。



(怒らせたい………のか?)



こんな事で怒る程キュヒョンは心の狭い人間ではない。というかイェソンと共にいる内に、どんどんと許容範囲が広がっている気がするのだキュヒョンは。まぁそれはやはりというか、イェソン限定で、なのだが。

そう。二年前とは明らかに違う、この感じ。
頑張って好きでいて貰おうとした、二年前の彼。
今回は………


「……………怒った……?」


背後からの声に少し前から気配を感じていたキュヒョンは緩り振り返り、寝室の扉からちょこり顔だけ出して此方を伺う奥様へと。困った様に微笑んだ。


「さて………どうやって、怒りましょうか…?」


溜息一つ。
扉へと近付けば逃げる所か何故か期待に目を輝かせるイェソンの姿。それにキュヒョンはベットへと投げ出していた自分の携帯をチラリ見る。これはまた【あの人】に相談するしかないかもしれない。
また馬鹿にされて終わるかもしれないが、こんなイェソンを見た事が無いのだキュヒョンは。

だから、仕方ない。



「お仕置きです………」



少し乱暴に腕を引いてそのまま軽い身体を抱き上げ。愛しい相手の理解不能な行動を、取り敢えず疲労で彼が寝落ちてから解決しよう。

そう思考を切り替えて目前の未だ期待に満ちた瞳を深く閉じさせる為、紅く熟れた唇を少し乱暴に塞ぎにかかった。






※久し振りの正きもギュイェ。何だか今回は甘さ控えめでしょうかねぇ…書く事自体久し振りなので未だ感覚が戻らないという(汗)ここから甘くなる……のか?(え
そして健在纏める能力皆無なのでー……
続きます←