四話目です。
これにてこのお話、やっと完結致します微エロありーな展開ですがそりゃもうアタクシ胡蝶が書いたモノですからね?在って当たり前的な?(どんなだ

それでは参りましょうっ!!
久し振りにて長々お話続いたけども、それも軽く鼻で笑って許したるっ!!なーんて言って下さるギュイェだけでなく私にさえも砂糖よりも極甘バチコイやんやんしたるよって方はどぞっ!!←





煌々と灯りが広がる大きなリビングの、その中心部へと置かれたやはり大きなソファの上。

そこへと気怠げに背を預けたキュヒョンは、目前で震える身体を静かに眺めていた。





【正しい気持ちの伝え方(深心・後編)】







「ほら……ちゃんと上げないと、服……汚れちゃいますよ……?」


クスリ笑む姿は何時もと変わらぬ優しい彼と同じなのに。その瞳はだが、冷たいまま………


「まだ動ける、でしょう……?」


座るキュヒョンの上。その上へと跨る形で大きく脚を広げて、震える身体はそのままに……
イェソンは止まらぬ涙のまま目前の愛して止まない彼へと、視線を注ぐ。


「も………ッ……ァ…………う、ごけな」


「服………上げなくて良いんですか…?」


告げる言葉すら拒絶で以て聞く耳すら今の彼………キュヒョンには、持てない。



キュヒョンと付き合う遥か前。ユノが着ていた服を貰い、それが大切なのだとイェソンは言った。
だから捨てる事はしない、と………

その言葉と表情。そして行動全てがキュヒョンは、許せなかった。
普段の彼ならば、それなら仕方ないかと笑って流していただろう小さな事柄。

だけれど今のキュヒョンには、その事ですら許せないのだ。



「止まってますよ……」


サラリ……剥き出しの腰を緩く撫でて、その手のまま太股を軽く叩く。
そうすれば嫌でもイェソンの身体は小さく上下し始めて。

こんな事をもう二時間は繰り返しているだろうか?
昼も互いを長く激しく貪ったのだ。いい加減イェソンの身体は限界にきていた。
自身の体重を支える膝が、疲労で感覚を失い始める。同時にキュヒョン自身を受け入れている場所ですら、痺れを起こして熱さと痛みを訴えていた。



「も………………ゥ……ッ…………」



漏れるのはそんな言葉だけ。イェソンは既に限界を何度となく超えている。なのに許す事はまだ……出来ない。


「僕はね………この数日…………考えていました…」


人工の光は普段の倍以上に白い肌を際立たせる。
ボンヤリそんな事を思いながら、キュヒョンは目前の綺麗な腹部の線を指で辿っていく。


「貴方は何を………僕へ訴えているのかっ、て…」


イェソンの謎の行動。その訴えが、何なのか。
判らぬ事柄に酷く頭を悩ませた。


「だけど………」 


スゥ………腹部から、そのまま剥き出しとなったイェソン自身へと長い指が辿られる。
その感触にキュヒョン自身を受け入れていた場所がヒクリと蠢き、それにキュヒョンは少し眉根を顰め………だが、それだけ。


「だけど………ね?」



もういい加減、疲れた。



「大好きな相手のソレを着て………感じますか……?」



言われた事にイェソンは、それまでどうにか動かしていた腰をとうとう止めてしまった。
それでもキュヒョンの言葉は、止まない。


「ソレを着ながら抱かれるって………どんな気分…?」


大切だから。大事だから捨てたくないのだと、そうイェソンが告げたユノから貰った宝物。


「貴方が嫌がるから、僕はソレに触る事すら………出来ない。」


言いながら、それでもキュヒョンの笑みは崩れないまま。


「ねぇヒョン………」


僕は……



「僕は何時まで…貴方に優しくすれば、いい……?」



告げられた言葉。その瞬間に、イェソンの瞳からハラハラと大粒の涙が零れ落ちた。
無言のままのその涙は、だが今のキュヒョンには何一つ響く事など、無い。


「……服……上げて……?」


泣いて緩んだ腕の力が腰元まで落ちている。それを指摘すれば、ゆるゆると上がる服と震えた小さな白い拳。キュヒョンは言ったのだ。


『そんなに大切なら、それを着たままで……』


だからと上着だけを着た形でイェソンはキュヒョンへと抱かれていた。そうして尚、キュヒョンはクスリ笑いながら、言った。


『汚したくないなら……ソレ、上げないと………ね?』


それにイェソンは力の入らなくなった手で、どうにか裾を託し上げて言われるままにその身を揺れ動かせていた。だがそれももう、限界。



パサリ落ちた裾と腕に、キュヒョンは未だ冷めたままの視線を目前の身体へと向ける。
その身体はグラリと一度揺れて、崩れ落ちる寸前でどうにか力を込めた手でもって。
キュヒョンの寄り掛かる背もたれへとイェソンはその手を掛けた。


「もう………限界?」


未だ崩れぬ笑顔はそのまま。目前となった白い頬へとキュヒョンの冷えた手が添えられる。
その手の感触に上げられた顔は、苦痛と非難を込めたモノだと思っていたのに。異常なまでの色香を伴い、それは未だ止まらぬ涙とは掛け離れた……その表情。



「…………ヒョ」



声を上げかけたキュヒョンの唇は、今度はイェソンの噛み付く様なキスと共に掻き消された。






「お返し………」



カリッ……。小さな音と共に走った痛み。それはキュヒョンがイェソンへと付けた傷と同じ場所。
口内へと広がる血の味に、キュヒョンの冷静な思考が一つ戻っていく。


「お、れに………いつまで優しく、すれば……いいかっ、て…………?」


落ちる声は普段の彼より、遥かに低く静かな音葉。


「そんな…の…………いま直ぐ…」


止めればいい。


「…………ヒョン………?」


イェソンの言葉にまた一つ、キュヒョンの冷静な思考が戻っていく。


「お、れは…………」



俺は………



「優しい、だけの………キュヒョナは、」



そんなキュヒョンは。



「いらない…………」



告げられた言葉に、それまで向けていた冷えた瞳が一気に熱を帯びる。
それを目前で見詰めていたイェソンは、未だ息の整わないまま。だけれど今まで見たどんな彼よりも、妖艶かつ誰もを魅了する強い眼差しで以て。


「いまのキュヒョナ、が………」



俺は、欲しい。



「……………ッ………………締めすぎ、です……」


苛立ちと子供じみた嫉妬へと思考が呑まれて。そんな自分をキュヒョンは何処か冷静な部分で最低だと。そう思っていた。だから敢えて自分からは彼に触れずに行為を続けて。
なのにどうだろう?目前の未だ涙の止まらぬ愛しいこの世で唯一無二の存在は、それを欲しいと…
そう言うのだ。


「最近、意地悪……してたの……」

何でなのか、判るかと。

「………判らないから、貴方に酷い事をした……」


告げられた言葉に仄かに笑って。その笑みすらも今はイェソンの色香を増長させるものでしかない。


「二年前………サボテン。」


謎解きか何かなのか?そんな事をヒチョル辺りが聞いたらツッコミそうな問い掛けなのだけれど。
キュヒョンは久しくイェソンの本当に欲しいモノが判り、だがそれでも信じられないという眼差しでイェソンを見詰める。

それに違わずイェソンはまた、誰もを魅了するその笑みでもって赤く熟れた唇を開くのだ。


「怒って、焼き…もち………するキュヒョナ、が…」


そうどんな形でだっていい。激しく自分を求める、
愛して止まぬ旦那様が。


自分へと、嫉妬や怒りを剥き出しにして感情のまま想いを伝えてくれる愛しい彼が。


「いまのキュヒョナが…………欲しかった…」


言葉と同時に近付いてきた唇。噛まれて傷の付いた唇が未だに疼き痛みを告げている。
なのに、触れ合った瞬間その痛みは痺れと甘さに瞬時に変わり。同時にまたキュヒョン自身を受け入れていた場所が強い締め付けを引き起こすから、嫌でもこれが現実なのだと思い知らされる。


「怒ってるだけじゃ、だめ。」


怒っているだけでは、あの時のあの激し過ぎる熱には到底敵わない。となれば、後は一つ……


「…なら…………」

これは………態と……?


これ。とは、言わずと知れたイェソンの宝物であるユノから貰った大切な服。


「だったら………….」


だめ………?



コテリ。こんな場面でも、それをするのかこの人は……キュヒョンは心の中で盛大に息を吐き出した。

イェソンの近頃の行動。それはあの二年前の、自分がバカみたいに嫉妬したあの時感じたアノ熱をまた感じたかったから……

そしてその激情を、イェソンへとぶつけて欲しかった。
そういう事ではないか。


「ばか、ですね………」


敢えて告げたそんな言葉。そんなモノを求める彼も、そしてそれに翻弄されて本気で嫉妬までした、自分自身も。


「ん……ばか……」


でもと、イェソンは言う。


「【ばか】じゃ……………だめ…?」


自分は【ばか】だから。だから時折感じたくなるのだあの時の様な、激しい熱を。


「……………なら僕も……やっぱり【ばか】ですね…」


そんな貴方が。


「今の貴方が………今までで一番欲しいと、思う。」


その言葉へとイェソンはここ数日では久しく見なくなった本当に幸せそうな。心の底からの笑みで以て、キュヒョンの唇へと自分のソレを触れ合わせた。


イェソンの本当に欲しいモノ。それは、キュヒョンの優しさ以外。
共に暮らす中で彼はどんどんと寛容になっていく。それは周りは元よりイェソンですら感じる事で。だからこそ、イェソンは彼……愛しいこの世で唯一無二の存在を心配したのだ心の底から。

人は優しさだけでは、必ず崩れる。他の感情だって、在って良いのだなのにソレを最近では殆ど見せなくなったキュヒョン。だからこそ、二年前のあの時の様な感情だっていい。どんな感情でもいいから、彼の強い想いを欲しいと……だからこんな馬鹿げた事をしたのだイェソンは………


「キュヒョナが、大事………」


角度を変えて、深くなるキスの合間にイェソンが言う。


「大事、だから………」


だから、嫉妬だって苛立ちだって。怒りや哀しみその心全てを。


「俺に…………ちょうだい?」


自分の様に我儘になればいい。怒って泣いて笑って拗ねて嫉妬して……

その全てを………


「……………受け止めて、あげる。」


「………………………何時からこんなに、強くなったんだか………」



言葉とは、こうも力のある物だっただろうか?
気持ちを正しく伝える術を持っている筈なのに……何故人はこうも正しく使えず日々を浪費しているのだろう?思った事の全てを伝えるべきでは、勿論ない。だが、正しく気持ちを伝えないと……心が崩れてしまう時が、ある。今回の自分の様に、だ。

それをこの目前の相手は。愛して止まぬ奥様は、違えず伝えてくれたのだ。


少し強引な、だけれど大事な【正しい気持ちの伝え方】を。



「我儘、言って良いですか………?」

「………ん。」

「………その服、脱いで下さい。」

「………………や。」



「…………………………なら覚悟は、良いですね…?」



「……………………やっぱ、脱」

「もう、遅い。」



深まる笑みは互いの心が一層強く繋がった証。
こうやって、また一つの大切が増えていく。それが二人の深い想いの伝え方。




※長ーーーーーーーいっ!!そしてまさかの兄さん誘い受けというね(撃沈)結末は出来ていたのに結局思い描いた終わりとは違うという……そして微エロ落ちね(汗)やはりこの二人には、敵いません。お付き合い下さった方、長々ありがとうございました。