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昨日は、やなせななさんの
デビュー15周年記念コンサート「はじまりの日」
に行ってきました。

やなせさんとの出会いは本当に不思議というか、
仲間との縁で出会えた人です。

智之や、渡辺さんのおかげ。

やなせさんは、私たちの芝居に
何度も足を運んでくださっています。

ご自身が子宮体がんを経験したことがあるというのは、やなせさんを知る上で必ず分かることではあるのですが…
やなせさんが初めて「ストリッパー物語」を観にきてくれた時に、手を握って涙を流しながら、ご自分のその経験を話してくれたことがありました。その時はまだ、今のようにやなせさんとお話ししたこともなくて、私はどう受けとめていいかわからずに、ただ、この人の心に残す芝居ができたのかもしれないと、嬉しかったことを覚えています。


それから少しずつ出会っていったやなせさんの音楽。


東日本大震災や
悲しい苦しい別れをした人たちに出会って
やなせさんがカタチにしてきた音楽

全部ではないのかもしれないけど
やなせさんの音の中には
必ずといっていいほど
誰かの日常の中の
悲しみ、苦しみ、よろこびが詰まっています。
だから、聞くたびについ、自分に重ねてしまい
琴線に触れられるので、聴けないひもありました。

2017年に兄をがんで亡くして
私はその2週間後舞台に立っていました。
亡くなった時は、まさに稽古のまっただ中。

悲しむことや
向き合うことから逃げて
逃げるように芝居をしていました。

そして、そのまま少しずつ
時間が経過していって
なんだろう
向き合ってもいないのに
克服したような気でいたというか
乗り越えた気でいました。


きちんと涙を流したことも
実はまだありません。
正直、今もまだ
完全に向き合うことはできていないのかもしれない。


やなせさんの音楽を聞くと
わたしはお兄ちゃんに再会します。
本当はまだぜんぜん整理なんてできてなくて
見たくなくてしかたないのに
やなせさんの歌を聞くと
私は絶対にお兄ちゃんに会います

だから、会いたくなくても
会っちゃう
向き合っちゃう

昨日もたくさんお兄ちゃんを思い出しました

悲しいとも嬉しいとも違う
この気持ちはなんていうんだろう

そういう場所に
やなせさんは連れていってくれます。

不思議なんだけど
つかさんのお芝居も言葉にできない気持ちに
させられるけど
やなせさんの音楽もまたそうなんだよね

理屈じゃない
でも
わからないけど
大切な温度に気づかせてくれる

そして、わからないけど
涙を流したあと
笑顔で前を向いている

よし、明日もいい1日にしよう

そう思える音楽


やなせさんの存在は
ある意味
わたしの中のつかさんに似ている
そういう力のある人なのです。


きてよかった
やなせさんの
夢の舞台にたつ姿を観ることができて
本当によかった

お兄ちゃんに会えてよかった



やなせさん
最高の時間をありがとうございました。


今日からも
前を向いて進めそうです。



やなせななという
1人の人間に出会って
アーティストとしてのななさん
お姉ちゃんのような場所にいてくれる
プライベートなななさん
そして私のこともかわいがってくれる
ななさんのご両親
祭りのあとという大切な作品

どれをとっても
わたしの人生の
大切な一部です。

ななさんの音楽
ぜひ、出会ってください。