先日久々に雑貨屋chunさん(50代・荒木一郎似)と出かけた。

私が10代の頃からつかず離れず一定の距離をもっては遊んでもらっている。

                                                                                                                                 

彼(達)と出かける時は決まって最後「M」に寄る。

「M」は昭和にタイムスリップしたような、

年金を貰っている年老いたMママ(美川憲一似・女装)が一人でやってるゲイバー。



夜も更け何となく昔話になっていき、

「あの人は今・・・」シリーズになり、

ゲイバー「K」の消息になった。 

Kママ(20数年前当時、ロングの茶巻き毛・サングラス・濃メイク・もしかして美人?)には、

二人共忘れられない思い出があったみたい・・・

chun彼女(彼?)の部屋の合鍵を持っていたらしいし・・・・


私はといえば・・・・・・・


それは、私が坊主に近い頭にしていたから、たぶん10代の終わり、

私は専門学校生で、寮を抜け出し夜な夜な徘徊していた頃だ。

同じ年頃の子達がディスコで遊びサーフィンに興じていた頃、

私は、ライブ喫茶?「O」で、飲めないコークハイをストローですすってた。

(ライブハウスはその後で、まだフォークの名残がそこかしこ残っていた)


そこにはホントに色んな人が集まった。

もちろん音楽関係それからTV局・銀行員・教師・公務員・学生・ゲイバー・やの字・・・・

知り合いが顔を合わすと、じゃー次行くかってことになり、

ワンショットなりゲイバーなり怪しげな・・・なり連れ立って出かけてく。

そして朝方まで遊んだら、決まってマンモス喫茶?の「J」でモーニングを食べ、

朝日に目を細めながらバイバイと手を振る。

そんな、ただひたすら仲間と音楽と会話と酒で埋めていくような夜に、

「お前もおいで」と、ペットの犬コロみたいに連れまわされていた。


その日も最初はそんな夜だった・・・・・・ワンショットを何軒かはしごした後のゲイバー「K」

思いのほか早い時間に分散してしまって、

店に残っていたのは、

ママzhuziさん(ゲイバー「U」のボーイ・でもノンケ)・知らない人・それに私だ。

午前3時、店を閉めるにはまだ早い時間だが、

今日はもうKママの部屋で飲みなおそうってことになった。

部屋に着くと私以外の3人は、すぐさまエロビデオを流してマージャンを始めた。

Kママはかいがいしく水割りを作りおつまみを用意してくれたが、

私はもう飲めないし、エロビデオにもマージャンにも興味ない。

手持ち無沙汰にしている私にKママが云った。

「じゃーあんたは風呂にでも入って私のベッドで寝てなさい」

ちょっと考えた後睡魔に襲われてた私は、云われるままシャワーを浴びママのベッドにもぐりこんだ。


どのくらい寝てたんだろう?

ゴソゴソとWベッドに誰かもぐりこんでくる気配・・・

「さーー寝ましょ寝ましょっ!女同士(?)寝ましょっ!ったく男ってホント嫌ーーね?」

ママの声をノンレム睡眠で聞きながら再び深い眠りに落ちていった。


zzzzzzzzzzzzz・・・・・・zzzzzz


・・・・・・・・・・!?

何か動く物の気配を感じた次の瞬間・・・割れるような大音響!!


「何しよるんじゃーーわりゃー!★♯※?!●×」


目!パチクリ!!


そこには、派手なセーター丸坊主の明らかに「やの字」の方が、

顔を真っ赤に仁王立ち!


「あんた!何よ!この子は女の子じゃない!?」

「そ・そう・・私女です・・・ごめんなさい(なんで謝る?・・・とりあえず)」

坊主頭で痩せて背が高い私、派手なセーターにはBOYに見えたらしい・・・?


一瞬間・・・・・・合点のいったらしいママのパパ?はダミ声で、

「おーーーそうかそうか悪かったのーーまー飯でも食ってけ」と、

なんだか忘れたが丼物の出前を取ってくれ、

コタツ(そう!コタツだった!冬だったのね?)で3人ちょっぴり気まずい昼食をとり、

私は「お世話になりましたーーー!」(体育会系のノリで)

と、悪夢のKママの部屋を後にしたのでした。

「またいつでも遊びに来いよ」とパパに云われたけれど・・・

もう来ねぇよ!


こんなちょっぴり危険な武勇伝?は数々ある。

若さゆえ?、今思うと無謀なことも結構やってたりする。

けど、やはり時代がよかったのかな?とも思う。

大人は大人、玄人は玄人、女子供にオカマはオカマ、正しく生きてた。

誰も私を食ったり縛ったり働かせたりしよーなんて考えてなかった気がする。



・・・・・・・・気づかなかっただけ?