車椅子の母とそれをおす僕に病院の中庭から
春の心地よい日差しが降り注いだ。
生と死がゆきかう病院の中でとても心穏やかな
自分に気づく。
数年前は父が母の車椅子をおして・・・
僕は東京の企業で精力的に働いていた・・・
そう考えると今、母の車椅子をおしている
自分がいることがとても不思議に感じると
同時に・・・
僕が選んだ未来なのだと強く認識する自分が
いる・・・
父がステージ4のがんという段階で、僕が
ここに戻るにあたり、ある程度は読んでいた。
様々なプロセスがあろうとも両親を看取る
役目が僕にはあることを・・・。
そして父を看取った経験から心穏やかで
いられないプロセスが必ずあることも・・・。
母の車椅子をおしながらいつまで心穏やか
と感じられるのかを考えている僕がいる。
純粋な親孝行だけの僕ではなく、とても冷静
な僕がここにはいる。
嫌な自分だとつくづく思う・・・。
Tarot