有給休暇を取得して昨年の7月以来の水郷巡りをしてきました。本来ならば釣友のバックシートに乗せていただく予定でしたが、彼の都合が悪くなり7月に延期したのが先月末の話し。「せっかくだから1人で行ってきたら。」と嫁が背中を押してくれたので、仕事を調整してこの日を迎えました。
朝一はいつもの黒部川。去年の7月。台風が東京湾を通過するのと同時に家を出たあの日よりは状況は何倍もいいはずが海より吹き付けるこの強風と荒波。さらに今週はじめに通過した台風の影響でしょうか、未だに茶色く濁っています。それでも盲目的に朝一は黒部川でやるんだと決めていたろしーたは黙々と好きなクランクを投げては巻きました。
余談ですが、開始5投目にフックを伸ばして逃げたアレはハクレンだという事にしておきましょう。
さて、このストレッチで粘ること6時間。平日とはいえこのハイシーズン。誰もアングラーに会わないという時点で、いくら鈍感なろしーたでもこのエリアは外してしまっているなと気付きます。
でもここで投げたかったんです。
過去の成功体験に引きずられ、さらに釣行機会の減少故に自分の中のデータがアップデイトされず、その上新規エリアの開拓という作業もしていないという事実に気付くともう自分に釣れるバスはこの世にはもういのではないか?と落ち込んできました。
それでも次を目指して移動。途中、懐かしい与田浦の様子を拝見。アングラーは多数。かつてはここも得意としていたエリアでしたが、それも10年ほど前の話し。車から降りる事もなくさらに進むと有名アングラーのDVDで見かけた水路を見つけました。
竿を手に2、3投。だけどここではあまり時間はかけれない。まだ昼前ですが最終目的地の牛堀公園へと向かうことにしました。
それまでの強風が嘘のように静かな牛堀。早い時間帯なのでろしーた以外には誰もいません。
クランクをあれこれと変えながら淡々と魚の行方を追いかけます。
水の中を覗く。この日はあいにくベイトフィッシュは見えません。これも濁りのせいだろうと自分で自分を慰める。
この日を迎えるにあたってSNS上で友達から励まされ。
いつもは釣れなくても投げているだけで楽しいのに。
この日は何故か、どうしても3年ぶりの1匹が釣りたくなる。
今日もしオマエが釣れなかったとしたらそれはなんで?
心の中で自分で自分に問うてみる。
やがてそれらが自らへのプレッシャーと化してくる。
時計は16時を指す。ちらほらとアングラーが水辺へと現れる。みんながみんな、ライトリグで丁寧にテトラの穴撃ち。やはりそういう釣りが効果的なのだろうと想像はつく。
昔は俺もやってたよ。だけど今は。
応用も効かないし融通も効かない。というより、そもそもその引き出しが俺には無い。
そんなどうしようもない感情が心の中で渦巻く。
するとろしーたの前に一人のアングラーが現れました。邪魔にならないように気をつけながら後ろを通る際に彼の手元に見えたのはライトリグではなくクランク。
やっぱそうだよね、と同志に会えたように少しだけ嬉しくなりました。
また邪魔にならないように彼を追い越し20m先でキャストを開始。
すぐに背後から水音が。振り向くと。
釣ってる。
(あ、俺が投げようと思ってた場所なのに…)
普段はそんなこと思わないのに。
この日は釣果が出ない自分に。見通しが甘い自分自身にイライラしてしまう。俺も3年ぶりの1匹がどうしても釣りたいんだ、との思いが強くなりすぎ精神的に余裕が無くなってくる。
もはやこの水域は一見さんには微笑む事もない。真剣に取り組んでる人にこそ結果もついてくる。
あー、俺はもうバス釣りには向いていないんだろうなと自己嫌悪。
時間はもう17時。
なんとなくBoxを開けると。
いただいたままの状態。フックは少し錆びていたけど信頼のトレブル19。
よく見るとラインアイにリングがはめてあります。今のろしーたはルアーチェンジを簡単に出来るようにスナップを利用しているのでリングは外しているんです。
自分がここまでイライラしてしまった大きな原因として、意味もなくルアーローテーションを繰り返してきたというのがありました。
以前からろしーたは人よりルアーのローテーションは少ないと方だと思っています。不器用、それ故に投げ続ける事で身体に覚えさせていたんだと思いますし、1日中それを信じて続けたからこそそれなりの釣果も残すことが出来ました。
それがこの日は。
水辺に立つ機会もなく、あれこれ試したくて大した考えも無いのに取っ替え引っ替え意味の無いローテーションしていたんだと気付いていました。
嫁に「あと30分だけ延長する」と連絡し。
今日はもう、最後までルアーチェンジはしないと心に決めて。
6年前と同じように足元と平行に。時には水面から飛び出るくらいにテトラの隙間で2Aを泳がせる。
17時07分。
テトラの中から黒い影が飛び出す。
3年ぶりのバス。僅か25センチ程の魚だけれども、生まれて初めてバスを釣った時のように手足が震える。あの日と同じようにまたこの2Aが奇跡を呼んでくれた。
「さらに巻き続けろ」
と2Aが叫ぶ。椚田さんの声で(笑)
と、まあ。
あれこれ書きましたが。
17時まではもうろしーたはバス釣り辞めた方がいいかな。
なんて思っていましたが。
バス釣りの神様のおかげで結果的に時合いにハマり。
数分後には「あー、バス釣りやってて幸せだな〜」
と呑気に(爆笑)
過去の3年間を断ち切る思い出深い魚との出会い。
先程までとは180度違う感情に抱かれてながら帰路につくろしーた(笑)
本当に釣れて良かった!
3年前の呪縛から解放され、とても満足な1日となりました。
完。