霊界物語 第1篇 幽界の探険 第11章 大幣の霊験 | フリーランス宣伝使への道

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出口王仁三郎著
「霊界物語」
を一章ずつ記事にしています。

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一歩々々辛うじて前進すると、広大な池があつた。
池の中には全部いやらしい毛虫がウザウザしてをる。
その中に混つて馬の首を四ツ合せたやうな顔をした
蛇体で角が生えたものが、舌をペロペロ吐き出してをる。

この広い池には、細い細い氷の橋が
一筋長く向ふ側へ渡してあるばかりである。
後から「松」「中」「畑」といふ鬼が
十字形の尖つた槍をもつて突きにくるので、
前へすすむより仕方はない。

十人が十人ながら、池へすべり落て毛虫に刺され、
どれもこれも全身腫あがつて、
痛さと寒さに苦悶の声をしぼり、
虫の鳴くやうに呻つてをる状態は、
ほとんど瀕死の病人同様である。

その上、怪蛇(カイダ)が一人々々カブツとくはへては吐きだし、
骨も肉も搾つたやうにいぢめてをる。
自分もこの橋を渡らねばならぬ。
自分は幸に首尾よく渡りうるも、
連の人々はどうするであらうかと心配でならぬ。
躊躇逡巡(チュウチョシュンジュン)進みかねたるところへ、

「三葉殿(ミツバドノ)」

と頭の上から優しい女の声が聞えて、
たちまち一本の大幣(オホヌサ)が前に降つてきた。
手早く手にとつて、思はず

「祓戸大神(ハラヒドノオホカミ)祓ひたまへ清めたまへ」

と唱へた。
広い池はたちまち平原と化し、
鬼も怪蛇も姿を消してしまつた。

数万人の老若男女の幽体はたちまち
蘇生したやうに元気な顔をして、
一斉に「三ツ葉様」と叫んだ。
その声は、天地も崩れんばかりであつた。

各人の産土の神は綺羅星のごとくに出現したまひ、
自分の氏子々々(ウヂコウヂコ)を引連れ、
歓び勇んで帰つて行かれる有難さ。

 自分は比礼の神器を舟木(フナキ)に渡して、
困つてをつたところへ、金勝要神(キンカツカネノカミ)より、
大幣をたまはつたので、百万の援軍を得たる心地して、
名も知れぬ平原をただ一人またもや進んで行く。

 一つの巨大な洋館が、
儼然として高く雲表にそびえ立つてをる。
門口には厳めしき冥官が鏡のやうな眼を見張つて、
前後左右に首(カウベ)をめぐらし監視してをる。

部下の冥卒が数限りもなく現はれ、
各自に亡人を酷遇(コクグウ)するその光景は
筆紙につくされない惨酷(ザンコク)さである。

自分は大幣を振りながら、館内へ歩をすすめた。
冥官も、冥卒もただ黙して
自分の通行するのを知らぬふうをしてゐる。

「キヤツキヤツ」と叫ぶ声にふりかへると、
沢山の婦女子が口から血を吐いたり、
槍で腹部を突き刺されたり、
赤児の群に全身の血を吸はれたり、
毒蛇に首を捲かれたりして、
悲鳴をあげ七転八倒してゐた。

冥卒が竹槍の穂で、頭といはず、腹といはず、
身体処かまはず突きさす恐ろしさ、
血は流れて滝となり、異臭を放ち、
惨状目もあてられぬ光景である。

またもや大幣を左右左に二三回振りまはした。
今までのすさまじき幕はとざされ、
婦女子の多勢が自分の脚下(アシモト)に涙を流して集まりきたり、
中には身体に口をつけ

「三ツ葉様、有難う、辱(カタジケ)なう」

と、異口同音に嬉し泣きに泣いてをる。

一天たちまち明光現はれ、
各人の産土神(ウブスナノカミ)は氏子(ウヂコ)を伴なひ、
合掌しながら、光とともにどこともなく帰らせたまうた。
天の一方には歓喜にみちた声が聞える。
声は次第に遠ざかつて終には風の音のみ耳へ浸みこむ。

(続く)


 
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