8月の暮れ、さいたまスーパーアリーナ。
湿った空気も、巨大な会場も、そこに集うオーディエンスも、変わらない。
あぁ、去年と同じだ。今年もまた、夏が終わる。
さいたま新都心駅の改札をくぐる僕は、毎年同じ独り言を胸にアニサマに向かう。

もはやアニソンフェスであると同時に、夏を終わらせる儀式である。
5時間にも及ぶ狂騒の渦は、まさに夏のように激しく、そして儚い。
フレディ・マーキュリーの歌声が告げる始まりは、ある種のカウントダウンとも言える。
その秒針はあまりに早い。

誰がどうとか、どこがどうとか…少しだけ触れるなら、個人的には三森すずこさんにMVPを進呈したい。というわけで今回は彼女にスポットを当てて語っていく(もちろんアニソン界の超大型新人とか結婚ラッシュユニットとか初参加の人とか色々あるけど、そっちはTwitterとかで喋るくらいで)。
アニサマ10年連続出場の節目に前半トリを飾ったみもりんのパフォーマンスは、まさにその記念に相応しいーー美しくも圧巻のものであった。
怒涛のごとく繰り広げられるメドレーでは、彼女に縁のある方が次々にコラボ出演する。野球のユニフォームを着て背中に「三森」と書いたオーイシマサヨシと、みもりんと並んで夜叉の構えをするキャリさんには正直腹を抱えた。
笑い成分の強かったメドレーだったが、その空気感こそまさにアニサマからみもりんへの「おめでとう」らしいだろう。
MCでは己の軌跡を振り返る中で、ミルキーホームズ、μ's、九九組の名前も持ち出した。作品に寄り添い、キャラクターやユニットを愛する姿勢がみもりんの美しさを作る要因だと思う(小並感)。
そして最後の曲は「会いたいよ…会いたいよ!」。これについてはあれこれ言わねぇ。気になるヤツはBlu-rayでも買ってくれ。

そんなこんなで気づけば熱狂は鎮まり、僕は夜のさいたま新都心駅の改札まで戻っている。
そしてまた終わった夏を噛み締め、1年間の別れを告げるのだった。
今年もアニサマが終わり、夏が終わった。





おかえり、キャリさん。