ガチで写真なし。




というわけで今回はUNISON SQUARE GARDENのRevival Tour第2弾へ行って来ました。

こんな世の中ですが、しっかりルール作った上でライブをしてくれることに感謝ですね。皆さんもルールを守っての参加、お疲れ様です。


今回もバリバリにネタバレを含むのでご容赦下さい。




開幕はイズミカワソラさんの「絵の具」。

3人がステージに立つと、開幕SEに重ねるようにして1曲目の「to the CIDER ROAD」が始まります。うわー、本当に再現ツアーだー!

『もう迷わないで 早々に出かけよう』

『この音が届くなら “なんてことない”の魔法も ちょっとぐらいは信じられるかな』

『さあ 次はどこへ、どこへ行こう?』

旅の始まりを告げるかのような疾走感と清涼感。まさにサイダーのような、前向きだけどほのかに甘酸っぱい感覚が駆け抜けました。


華やかにライブの始まりを告げると、そのままカポを外して「ため息 shooting the MOON」へ。毎度言ってますが、僕は斎藤宏介がカポを着ける/外す瞬間鈴木貴雄がヘッドホンを装着して同期パッドを叩く瞬間が性癖です(ぇー)。

田淵節全開のワードセンスや貴雄の美技が光る16ビートもさることながら、何よりも特筆すべきはAメロのギターワーク。この曲、CD音源では左右で別のギターが鳴っている(左でコード、右でリードリフ)のですが、何でか知らんけど複雑なリフの方を弾きながら歌っている。いや、やっぱ普通じゃねぇわ斎藤宏介…。


アウトロを引き伸ばしてカポを装着する斎藤宏介

分散和音から繰り出されるのは「cody beats」。今回も冒頭のベースラインはアレンジされていましたね。Cool!!

アニメのタイアップやライブの定番曲も増えて久しいですが、「cody beats」や「マスターボリューム」みたいな無愛想でゴツゴツした高速8ビートもめちゃくちゃ好きなんですよね。この2曲は今後も是非続けて欲しいところ。


ここでいつもの『UNISON SQUARE GARDENです!』。




しばしの暗転を挟んでツアーの趣旨説明。

貴雄がシンバルで力強く4カウントを叩き、「ラブソングは突然に 〜What is the name of that mistery?〜」。キモチエェエエエ!!

後のMCでも語っていましたが、『CIDER ROAD』辺りのUNISON SQUARE GARDENはとにかく詰め込んでくる。歴史的な背景から辿っても、『オリオンをなぞる』でヒットし(何かのインタビューで「暗黒期を抜け出した」みたいに語っていた)、バンドの勢いもあってかカップリングにも惜しみなく名曲を投入していた頃ですね。ストリングスやオルガンなどの同期サウンドを増やし、曲中のキメやシカケを多用し、転調や転拍子なども絡めてくる…昨今の田淵楽曲では珍しくもないですが、その土台はこの頃に培われたのかもしれません。

ピンクと黄色の証明で、何故かコロナ前の懐かしい世の中を思い出しました。


続く楽曲は、そんな転拍子を含む「セレナーデが止まらない」。(っ'ヮ'c)ウゥッヒョオアアァ

「fake town baby」とか「オリオンをなぞる」もそうなんですけど、僕は16分でハイハットを連打する音が大好きなんですよね。カチカチカチカチカチってなるやつ。


お次は「Miss.サンディ」。何気に現地初回収。

ポップで飛び跳ねるようなメロディとベースライン、思わず手拍子したくなるリズム感、手数の多いギターなど、ライブで聴くとより一層楽しくなっちゃう一曲です。サビで足踏みしながら斎藤宏介の上をハモる田淵智也も必見です。


「カウンターアイデンティティ」も現地初回収となりました。出だしの『僕らは』ぁああああああ〜で脳汁が止まらない

僕も別に売れかけてから乗ってきたクチなのですが、これ、インディーズ時代からある曲らしいですね。20歳そこらの青年があんな曲作って弾いて歌っていたのか…と絶句するクオリティ。Dメロのベースラインがめちゃくちゃ難しい


流れるように「オリオンをなぞる」へ。前回の『Spring Spring Spring』、前々回の『Normal』に引き続き、ツアーでは三連続セットリスト入り。

この曲はとにかく人気が衰えない。今になって改めて聴くと、結構初期の荒っぽい歌い方なのが面白いです(さっき言った無愛想でゴツゴツした感じ)。彼らもちょっとだけ世界と仲良くなったのかな、なんてしみじみ。


若干の暗転を挟み、MC。

『押しの強いバラードが続くので、無理に立って見なくても大丈夫』と、バラードコーナーでは「光のどけき春の日に」と「いつかの少年」を披露。ユニゾンの楽曲でも稀有な低速帯。

流石だと思ったのは、こういうスローテンポなナンバーでのリズムの取り方。特に「いつかの少年」はサビ前に若干リズムのタメがあるのですが、斎藤&田淵はまるで後頭部に目がついているかのような呼吸で貴雄に合わせてくる。長年の経験の為せる業でしたね。


少し間を置いて、ミディアムバラードの「クロスハート1号線(advantage in a long time)」。『One roll, One romance』で惚れた一曲。

うーん、やはりこのアルバムは名曲揃いで困りものです。アルバムごとにバンドスコア出して欲しい。


そして、「箱庭ロック・ショー」を現地初回収。

何となくですが、『DUGOUT ACCIDENT』の再録版よりも若干速かった気がします。緻密なドラムと16ビートで縫い込まれたベース、細やかなギターはまさにユニゾン流ロック・ショー。


そのままユニゾンの代名詞たる「フルカラープログラム」→ドラムソロを挟んで「場違いハミングバード」へ。大好き

この辺りはライブの始まりや終わりに来るイメージが強いですが、こういうど真ん中にも来るのはちょっと珍しいかも?


最後のMC。

ここから先はツアー『CIDER ROAD』名物、終わる終わる詐欺。文字通り、最後の曲っぽいナンバーが5曲続きます。


『踊れる?』


当時のイキったMC(斎藤宏介談)から始まるラストスパート。


初手は「like coffeeのおまじない」。ポップなサウンドと世界観が絶妙にマッチした、まさに踊れる一曲。ライブでは田淵&貴雄も歌唱に加わり、楽しさ倍増です。ライブ音源がないのが不思議なレベル

『「そろそろ僕は」「次の世界へ」「君はもう大丈夫だろう」』

『「like coffeeの呪文でいつでもそこに出会えるよ、バイバイ」』

後半では一転してもの寂しい別れのフレーズが並び、いよいよライブの終盤を予感させます。しみじみと感傷に浸るオーディエンス。


そして、ここから終わらないのが『CIDER ROAD』クオリティ


お次は「crazy birthday」。この辺から田淵の暴れっぷりがヤバい

「アイラブニージュー」とか「Micro Paradiso!」にも言えるんですけど、田淵はこういう締めの一曲は敢えてベースラインをシンプルに作っていると思うんですよね。キャパを演奏よりも楽しむ方に振り切って、最後は出すもん全部出してやるぜ! みたいな。


歌詞の最後は『おしまい』ですが、今回は『おしまい…じゃない!』と、「kid, I like quartet」へ。終わらんなぁ

この曲もベースラインとドラムはシンプルな8ビートが中心。「ユニゾン弾きたいけどどれから入ったらええんやろ」って方にはオススメですね。地味にめちゃくちゃ速いので、頑張ってついていきましょう。

あと、個人的な得手不得手ですが、ルートの8分音符を弾き続けるのってめちゃくちゃ難しいと思っているんですよね。普段は無心で弾いている割に、変に意識してしまうと途端にぎこちなくなるというか。ちょっとしたコンプレックス。


そんなこんなで、「リニアブルーを聴きながら」。終わらんなぁ!

流石詰め込み期なだけあって、各パートの構成音が多い。“弾く”観点で見ると、ぶっちゃけ覚えづらくて苦手なベースライン。何度見ても頭に入らず、身体で覚えようにもしっくり来ない。これが曲の中だと自然に聴こえるから、ベースって不思議ですよね。


いよいよ最後の曲、「シャンデリア・ワルツ」。

2Bの『譲れない物もある』は、このツアーだけ(?)のオリジナルアレンジ。上手く伝わらんから、全員当時のDVD買ってくれ。ちなみに僕は持ってない。そのうち買うから許して。


アンコールでは、『ますますライブをやると悪者にされちゃうけど〜』と言いつつも感謝の言葉を述べた斎藤君。我々もあなたたちの音楽にいつも救われています。


しみじみした流れのまま、「君はともだち」を披露。な、涙が…

最後の合唱は、やはりメンバーのみでお届け。即席の一体感など望んではいませんが、いつかまた騒げる世の中に戻りたい…そんな思いで耳を傾けました。


もちろん、ユニゾンがお涙頂戴で終わらせるはずなし。

「ライドオンタイム」で一気にボルテージを上げ、会場を熱気の渦に巻き込みます。現地初回収の曲でしたが、これ、生で聴くとこんなに楽しいんだなっていうのが正直な感想でした。これこそより自由に楽しめる世に聴き直したい一曲。


ラストはおなじみ、「ガリレオのショーケース」。ステージ上に変態が三人いた

イントロでスタンドマイクを拉致して下手に運び出す田淵。マイクが倒れてしまい、スタッフが元に戻すと再び拉致。最終的にはそのままコーラスに入り、Dメロに至っては斎藤君も田淵のマイクで歌い出す始末。

もはや定位置には貴雄しかいない…と思いきや、そこにはドラムを叩くのっぺらぼう。貴雄もいつのまにやら上着で顔を隠したままプレイし始め、もはやカオス状態。


混沌とした空気のまま演奏を終えて帰っていくメンバーたちと、拍手で送る観衆。ある意味これが一番ユニゾンらしい




というわけで、セットリストに沿った感想は以上。

そろそろ現地初回収の曲も減ってきたし、次回はセットリストだけ最後にまとめて形式を変えてみようかしら。でも次は『Patrick Vegee』だし、曲ごとの感想書きたいよなぁ。試行錯誤ですね。

以下、雑多な感想。


会場は東京ガーデンシアター

珍しくステージ上手側、斎藤宏介サイドからの観覧でした。近くも遠くもなく、といった感じですね。

というか斎藤君を斜め上から見たのは初めてでしたが足元がめちゃくちゃ忙しい。あれだけ速くギター弾いて難しい歌を歌いながら、よく咄嗟のサウンド作りまで気が回るな…キャパシティがおばけ


セットリストについて。

4thアルバム『CIDER ROAD』を引っ提げてのツアーでしたが、8年前当時の勢いを考慮してかそれまでの代表曲も多く盛り込んできた印象。飛躍のきっかけになった「オリオンをなぞる」はもちろん、「箱庭ロック・ショー」→「フルカラープログラム」→ドラムソロからの「場違いハミングバード」はライブハウスさながらの熱量で流石のひと言でしたね。

反面、アルバムに収録されていた「流星のスコール」「お人好しカメレオン」はセットリスト落ち。ぶっちゃけ両方とも大好きな曲なので聴きたかった…! いや、知ってはいたけど。

本人たちもよく語っていますが、このアルバムは一曲辺りが濃い。全部シングルみたいな勢いで来るんだもん。「like coffeeのおまじない」とか初めて聴いた時ごち○さの曲かと思った。過去の『Dr.Izzy』や『One roll, One romance』(今回で言う「ライドオンタイム」→「ガリレオのショーケース」)辺りのテンポ感が好きな層にとっては、やや胃もたれするボリュームでしたね。まぁ、この辺はバンドが若かった頃の名残ということで。




そういえば先日、音楽用耳栓なるものを購入して試したのですが、すごい小並感とか言うな。

単なる遮音ではなく、ちゃんと欲しい音、声や楽器の音を適切な音量で拾ってくれるというか。その上で雑音をシャットアウトしてくれるので、雑念を捨ててステージの音に没頭できました。今後も必携ですよこれは。





というわけで、今回はこの辺りでおしまい。
次回の『Patrick Vegee』も楽しみです。





アニサマの感想もまとめなければ。