いきなりライブと関係のない自分語りから始めるが、先日、約3年間お世話になっていた会社を退職した。理由を語り出すと長くなるので割愛する。

色々思うところはあるが、社会人として最低限の礼節や振る舞い、考え方、物事に対する意味目的を考える習慣、働くとはどういうことなのかなど、一生涯必要となってくるであろうヒトとしての根本を育成して頂いたことについては感謝しかない。終始――とは言わないが――素晴らしい方々に恵まれ、特に最後の1年間については多くの経験から自分の成長に繋がったと思う。

もう別れの挨拶は済ませて来たが、この場をもって今一度感謝の言葉とさせて頂く。

ありがとうございました。




そんな訳で時間の使い方にも変化があらわれたため、実におよそ3年と3ヶ月ぶりに石原夏織ちゃんソロのステージへの参加へと踏み切った。

会場は立川ステージガーデン。何気に初訪問。立川については何かとゆかりのある地だったりするけど、まぁ過去の話なので触れないでおこう。


会場に近づくにつれ、“それっぽい”格好の人たちが増えてくる。この独特の違和感が、個人的には結構好きだったり。

付近のファミリーマートでフォロワーと軽く挨拶を交わし、遠方から来られている方には友人が勤める某旅館ゆかりの品物を贈呈。全然オタク関係ないが、観光業界なんてのは昨今の影響をモロに受けているわけで、まぁ自分なりの手伝いと思って多めに見て欲しい。以下にリンクを貼っておくので、興味を持ってくれたなら是非行ってみて頂ければ幸いである。



偉そうなこと言っておきながら、僕もレストランしか活用したことはない。いつか行くから許して。




そういえば、会場前にはオシャレなオブジェが。


みっく。
当たり前だが、アップで撮ると驚くほど映えない。ちゃんとしたのが見たい方はテキトーにググってくれ。

フォロワー各位への挨拶も済ませ、いよいよ入場。
3階席のやや下手側。高さはそれなりにあったけど、遠く感じることはなかったかな。立川ステージガーデンはフルキャパで2,448人らしい。今回は見た限りほぼ左右空けだったため、ざっと1,000人くらいの参加だったと思う。ぶっちゃけコロナ後も(ソーシャルディスタンスとかではなく単純に動きやすさとして)左右は空けておいて欲しい。


入場口にはベガかおりとアルタイルかおり。



さて、以下はライブの感想である。毎度のことながら躊躇なくネタバレしていくので、自己責任で見て頂戴。



○セットリスト
まずはセットリストを一気におさらい。ちなみに今更ながら夜公演のみの参加。

1.Orange Note
2.フィービー・フィービー
3.ポペラ・ホリカ
4.わざと触れた。
5.Plastic Smile
6.キミしきる
7.雨模様リグレット
8.星になれたら(カバー/Mr.Children)
9.Crispy love
10.キミに空とクローバー
11.Page Flip
12.虹のソルフェージュ
13.Starcast
EN1.empathy
EN2.Cherish
EN3.You & I
(6〜10は生バンドによるアコースティックアレンジver. )

今回のセットリストにおけるお楽しみといえば、Twitterでも開催されていた1曲目を予想するキャンペーン。ちなみに僕は開催直後、ノーヒントのタイミングで「Plastic Smile」に賭けて外した。サーチをかけると、特にヒントが出た頃を境に結構当たっている人が多かった印象。

公演中にも感じたが、カップリング曲が結構多い。しかも、ただ多いのではなく、ライブの中でも重要なポジションを占めている。
例えば「ポペラ・ホリカ」ならライブ序盤で、OP挨拶とダンサーズ紹介から繰り出されることで僕たちをライブの世界観に引き込んだ。「わざと触れた。」は初披露のため自然と注目を浴びるし、「Crispy love」→「キミに空とクローバー」はアコースティックアレンジの後半を彩った。「You & I」はアンコールのラストを飾り、ライブ全体の大団円に華を添えてくれた。
以前、ラジオで「カップリングだからどうという考えはない」「全部表題曲だと思っている」と語っていた夏織ちゃんだが、その姿勢が端的に表現されたセットリストだったと思う。
併せて忘れてはならないのが、カップリングが多い反面「Ray Rule」、「TEMPEST」、「Against.」という攻撃的な表題曲が全て外れている点。この辺りは、本公演が「Vega」――七夕でいう「織姫」であることに起因しているだろう。詳しくは後述にて。

また、セットリストについて特筆すべきは6曲目から10曲目にかけて披露された、生バンドによるアコースティックアレンジパート。ぶっちゃけ僕はダンスという表現については「素人」という言葉では済まされないほどの人種で、踊れないのはもちろん、受け手としても下の下であると自負している。正直これについては石原夏織ファンを名乗る上でそれなりのコンプレックスだったりするのだが、だからこそバンドによるステージは待ち望んでいた形であり、アコースティックアレンジという挑戦も嬉しい誤算だった。
ちなみに音楽についても色々コンプレックスがある訳だが、それはもう語り出すときりがないので今回は省略で。



○演出・表現
予め言い訳を並べておくと、僕は2019年から約3年間夏織ちゃんの“現場”から離れていた身である。根強い石原夏織ファンたちと比べるとかなり的外れな見方をしていると思うし、「今回はここが今までと違う!」「ここは定番だよね!」という見方はほとんどできない。
まぁ、怖いもの見たさというか、奇特な目を持っているやつもいるんだぜというサンプルにでもなれば良いかな。

セットリストでも触れた通り、今回の演出や表現を語る上でキーワードになってくるのは間違いなく「Vega」という星座である。織女座の名が示すように、公演全体を通して可愛さやお淑やかさ、儚さ、美しさという女性的なイメージを彷彿とさせる場面が多かった。
それを代表するものとして、攻撃的ダンスナンバーを排除したセットリストと幕間のモノローグという2点が挙げられる。そういえばさっきからダンスをやたらと「攻撃的」と表現しているが、これは何故か自分の中で「aggressive(=積極的な、活動的な)」と「attractive(=魅力的な)」が同居しているためである。要は激しいもの、活発なものに対する賛辞であり、「夏織ちゃんのダンスって魅力的だよね」っていう意味で「攻撃的」という言葉を用いているわけだ。あまりaggressionの形容詞を褒め言葉にすると世の中的にも誤解を生むかもしれないため、一応ここで弁明させて頂く。
本題に戻る。そういった元来の魅力を抑えてバンドやモノローグに割り振ったのは、チーム石原夏織にとってかなりチャレンジングだったのではなかろうか。
いわずもがな、この背景には対となる「Altair」の存在が潜んでいる。そういった攻撃性を「Altair」、つまりは彦星(=男性らしさ)に残しているからこそ、「Vega」においては今回のような試みが成されたのだろうと推測が立つ。というか、少なくともモノローグについては「Altair」とセットになっているって本人も言っていたし、セットリストや演出なんかも併せて変えてくるでしょう。
MCで言っていたように、今回はVJも生でやっている。夏織ちゃんの喋りに併せてハートが飛んでて可愛かったね。こういうステージの裏側とか勉強すればもっとライブ自体への解像度は上がるんだろうな〜とは思いつつも、解像度が上がりすぎて評論家気取りになるのも違うし、あくまでもライブは楽しくなれたら勝ち! ってことで。

あと、3年ぶりに参加してみて「歌が上手くなったね夏!」というのが率直な感想だった。まぁ元々下手ではないけど、テクニカルな魅せ方が広がったなぁという感じ。特に高音域の抜き方が非常に上品で、澄んだ音で響くファルセットはまさしく「Vega」の名に相応しかったと言えよう。



さて、そんな訳で3年ぶりに現地参戦してきた石原夏織ちゃんのライブだが、最高の復帰戦であった。まだまだ語りたいことは尽きないが、あまり心の中をこねくり回すと感情の鮮度が落ちそうなので今回はこの辺りで発信してしまおう。
3/27(日)には対になる「Altair」が控えている。最新で最強の夏織ちゃんをこの目に焼き付けてくるので、そのまた改めて語りたいと思う。
それじゃまた。

あ、最後に。
「Altair」のカバー枠は昼がDIALOGUE+の「おもいでしりとり」、夜がsupercellの「君の知らない物語」に賭けるので外したら盛大に笑ってくれ。





会場挨拶とかは基本ウェルカムなので、気軽にお声がけ下さい。