「良いライブ」の定義とはなんだろう。


多分、そんなものに正解や基準はない。

ないからこそ、僕たち一人ひとりが勝手に決めたら良いし、それを叶えてくれるアーティストを追いかけていれば良い。


少なくとも僕にとってのそれを示してくれたのがUNISON SQUARE GARDENだった訳で、ともすれば田淵智也だったとも言える。

 



そして、そうであるからこそ、DIALOGUE+という声優アーティストを好きだと言って良いのか迷っていた。


もちろん彼女たちが全力で活動していることくらい、見ていればわかる。

でもそれを「好き」だと断定するまでのプロセスに、僕の敬愛する人の存在があっても良いのかという疑問が拭えないままだった。


僕はこの子たちに、田淵智也の面影を見ているにすぎないのではないか。

この子たちの努力やパフォーマンスと、正面から向き合えていないのではないか。


そんな申し訳なさを胸の奥に抱えながらもふわふわと追いかけ続け、ついに今回、はじめてのワンマンライブに参加してきた訳だが。


僕のくだらない葛藤が馬鹿らしく思えるくらい、DIALOGUE+は素敵だった。




・はじめに

さて、そんな訳で「DIALOGUE+は最高だぜ」という至極単純な感想をこれから長ったらしく述べていく訳だが、いかんせん8人組アーティストの感想なんざ書いたこともないので文章のまとめ方がわからない。

という訳で、メンバーごとに感想を振り返ってみる。この先は勢い任せにグダグダ語っていくから、暇な人だけついてきて頂戴。




・守屋亨香(きょんちゃん/プロレスアザラシ)

可愛い。とにかく可愛い。

お人形さんみたいなお顔に149cmの低身長、生粋のアニメ声で、イラストや文字まで可愛い。ライブ衣装では太もも&おへそ丸出し。YouTubeの企画では猫耳搭載でにゃんにゃんしたり、別ユニット『えきぞちっく♡あにま〜る』ではジャンガリアンハムスター(ブルーサファイア)を模した衣装でくしくししたりと、動物の可愛さもぬかりなく完全再現。

我々オタクが求める「可愛いオタク女子」の要素をこれでもかというくらい詰め込んでくる。ズルい。


しかも可愛いだけじゃない。プロレスが大好きであることから「プロレスアザラシ」の異名を付けられたり、YouTubeの企画では鼻腔内にメントスコーラを受けたり、楽曲「アイガッテ♡ランテ」や「はっちゃけダイアローグ+クリスマス!」では中年男性顔負けのダミ声で叫んだりと、可愛さに甘えないストイックなプロ根性はまさに声優の鑑(メントスコーラが声優の仕事かという愚問は受け付けないものとする)。


素がコテコテのアニメ声なのであまり“歌が上手い”印象にはならないかもしれないが、個人的に彼女のライブ中における歌唱はメンバーの中でもかなり安定していると思っている。「恋は世界定理と共に」の少しずつ上がっていくメロディや「アイガッテ♡ランテ」のセリフじみた歌い回しも難なく歌いこなし、「おもいでしりとり」のDメロなどシリアスなナンバーでは可愛らしい“きょん”を抑えた、美しい“守屋亨香”も楽しめた。

地声からミックスボイス、ファルセットへの移行が非常に滑らかで聴き心地が良い。アニソンにありがちな、早口でアップダウンの激しいメロディラインとの相性がめちゃくちゃ良い。

アニメ出演数及びキャラ名義での持ち歌が増えて欲しい人No.1。


ぶっちゃけライブ中はほとんどきょんちゃん(とドラムの鈴木浩之さん)を見ていた。




・稗田寧々(ねーね/ねねまる/ネネチャン!!)

多分DIALOGUE+でいちばん声優をやっているコ。

近年、色んな作品でチラホラ名前を見かけるようになってきているので、むしろライブに行かないタイプの人ならDIALOGUE+を知らなくても寧々ちゃんを知っている人も一定数いるのではないか。

色白にまんまるほっぺたでかなりの童顔──というかもはや赤ちゃん。ライブで汗かいてお化粧が落ちたらマジで赤ちゃんだった。ウチのみるくちゃん(ジャンガリアンハムスター)にそっくり。可愛い。前髪が重めなのも良い。


「DIALOGUE+でいちばん歌が上手いの誰だと思う?」って聴いたら、多分彼女が最も多くの票を集めるのではなかろうか。素直で透明感にあふれ、身体の芯から突き抜けるように伸びていくハイトーンは、ライブでも非常に聴き応えがあった。意識して聴けばわかることだが、サビのソロなど大事な場面は寧々ちゃんが持っていることが多い。それだけ信頼が厚いってこと。

ちなみにYouTubeの企画とかだとめっちゃ低い声でボソボソ喋る。私服も某いかしたロックバンドのTシャツを着ていたり、良い意味で声優っぽくない(というか地元の友達感が半端ない)のも好ポイント。




・緒方佑奈(ゆーな/うーな/う)

「背が高くてスタイル良いなぁ」と思ってWikipedia見てみたら母親が緒方かな子父親が緒方孝市だった。

言われてみれば確かに何となく浮世離れしているというか、何だかんだいちばんの不思議ちゃんかもしれない。


あまり似た例のないタイプの歌声をしている。


たまに「背が低い方が歌うのに有利」「女性の方が歌が上手い」という言説を目にするが、どうやら背が低い方が声帯が短くなり、結果的に高音域の発声が自然になるらしい。グループ内で言えばきょんちゃんがそれに該当するし、西川貴教やhydeなんかもそれの類と言えるだろう。逆に言えば、福山雅治などの長身ミュージシャンは傾向的に低音を得意とする方が多くなると言える。


うーなは強いてこの例に当てはめるなら、後者に近いかもしれない。

地声と裏声の境界が割とはっきりしており、主にバラードなどで聴く者にお淑やかでセクシーな印象を与える。

というか、歌声に限らず何か全体的にセクシー。キス顔(メンバーによく「吸ってる」って言われるアレ)やウィンク、投げキッスを惜しみなく飛ばしてくるなど、結構ドキドキさせてくる。生放送か何かの時に中学生くらいのファンが「僕の彼女になった体で応援ボイスを下さい」みたいなリクエストを出していたが、義務教育には刺激が強すぎたと思う。


期待値を込めて少し言うと、高速で複雑なメロディラインに適応するのが難しそうな声質でもあるかもしれない。曲によっては、ライブ中に声量不足を感じる場面もあったりする。

磨けば光るのは間違いないので、今後の成長が楽しみ。




・内山悠里菜(ゆりにゃ)

なんというか、彼女みがすごい。

元ハンドボール部の体育会系ぶりをチラつかせたかと思えば、めちゃくちゃゲームが上手かったり私服がオタクを殺しに来ていたりする。カッコよかったり可愛かったりする。パーソナリティで好きにさせてくるタイプ。


この日は体調不良で欠席。Twitterで知らされた時、自分でもびっくりするくらい凹んだ。

次回は万全の調子でステージに立って、素敵な笑顔を見せてくれ。




・鷹村彩花(やかん)

6歳児にして才女。

DIALOGUE+が始まったくらいの頃、Twitterか何かで「田淵が6歳児をプロデュースするらしい」みたいな歪曲された情報を目にしてUNISON SQUARE GARDENが終わることを本気で危惧した


声質がとにかくツンツンデレツンデレツンツンしている。彼女本人の主張が強いタイプの声ではあるが、ツンデレや妹キャラ、元気っ子など、芝居次第で色んな役柄がハマりそうなイメージ。

例えば釘宮理恵は2000年代初頭にツンデレキャラで人気を博したのち、少年役などで演技の幅を見せつけた。彼女もアニメからファンを増やす方が向いている気がするので、一度『CUE!』以外で一本、役者としての評価を問える主演作品が欲しいところ。


(これあまり言っちゃいけないやつかもしれないが)生放送中など、たまにちっちゃい声で口が悪かったり表情が翳ったりするのでちょっと怖い。




・宮原颯希(さっぴ)

可愛い顔してサイコパス。ドSキャラが似合う。

写真も良いが動いている方が可愛い。あと何年かしたらもうひと皮剥けて更に美人になると思うので、今のうちに推しておいた方が良い。


同じ81プロデュース所属の寧々ちゃんと並んで、DIALOGUE+のボーカルにおける生命線と言える存在。

特にさっぴは演劇経験者とのことで、セリフや歌唱をはじめとする「表現」への拘りと熱量は人一倍強い。例えば「おもいでしりとり」の『好きです。』1つを取っても、各公演ごとに少しずつ言い回しが違ったりする。各公演のテーマごとに感情の込め方や、それの表し方を模索している訳だ。可愛いところも好きだけど、こういう役者・歌い手として真摯な姿勢も好き。

話す時はニコニコ&わちゃわちゃしていて可愛らしいが、歌唱やダンス時の真剣な表情はめちゃくちゃカッコ良い。




・飯塚麻結(まゆゆん)

多分DIALOGUE+の中でいちばん沼とか業とかが深いコ。

容姿の可愛さは大前提として、何となく顔色が悪そうで幸の薄そうな雰囲気、きゃるん☆としたアイドルチックな振る舞いや、実はお酒が大好きだったり、芸に対してはすごく真面目だったり…と、とにかく一度片足を突っ込むとすごい勢いで沈んでいく。


僕自身、「まゆゆん可愛いよなぁ」くらいに思っていたが、いざライブに参加したらきょんちゃん(とドラムの鈴木浩之さん)の次くらいに目線を送っていた。彼女の泣きぼくろには人を惹きつける魔力がある。


中音域が力強く、曲によってきゃぴきゃぴした雰囲気からロックでごつごつした感じも表現できる。「I my me mind」ではうーなとのコントラストが際立ち、それぞれの良さを引き立てあっている。是非聴いてみて欲しい(リンクは貼らないスタイル)。




・村上まなつ(まなてぃ)

重要拠点ムードメイカー。

8人それぞれに違った良さのあるDIALOGUE+だが、個人的にはこの子がいちばん欠けちゃいけない存在だと思っている。


まず、多くの人が第一印象で抱くであろうがうるさい。とにかくよく喋り、よくボケてよくウケたりスべったりする。しかも単純に声がデカい。最近のゆりにや&きょんのゲーム配信では、2人が真剣にプレイする奥で何かずーっと喋っていたのが印象的だった。

これだけ聞くとただの変な子なのだが、でもよくよく聞くと他のメンバーの発した一言一句を聞き逃さずに拾いまくっていたり、配信でもファンたちのコメントをできる限り読み上げて返したりと、色んな角度から色んな話題に繋げてくれていたりする。

また、以前の放送中にまゆゆんが泣き出した時には両手を受け皿にしてその涙を受け止めたりと、実はすごく優しい子。

雨宮天という生粋の人見知りに「そのままのまなつちゃんでいて」「私のようなコミュ障を救って」「まなつちゃんと2人でどこかに行きたい」と言わせた実績もある、正真正銘のコミュ力おばけ。

あと、何でか知らんけど雛鳥の『刷り込み』を知っていたり、学生時代には軽音楽部に所属していてギターを弾けたりと、時々イメージに反して(?)やけに才女だったりする。メンバーから「練習だと絶望的に音程が取れない」と言われているが、何故かライブ中はちゃんと歌える。

色んな意味で底が知れない、可能性のカタマリである。


この日もライブ終了後に最後まで手を振り続け、舞台袖のカーテンにぶつかりそうになっていた。小型犬的な可愛さに近いかもしれない。


今年の冬クールには『明日ちゃんのセーラー服』で主演を務めるなど、役者としても活躍中。今後は彼女経由でDIALOGUE+になだれ込んでくる層が現れるかもしれない。




・セットリスト

メンバーそれぞれにざっくりフォーカスを当てたところで、お次はセットリストを振り返る。

メンバーに言及しすぎて疲れたので、ここからは手短に済ませるが許して欲しい。


1.Sincere Grace

2.夏の花火と君と青

3.パンケーキいいな

4.ガガピーガガ

5.走れ

6.I my me mind

7.恋は世界定理と共に

8.アイガッテ♡ランテ

9.20xxMUEの光

10.人生イージー?

11.おもいでしりとり

12.デネブとスピカ

EN1.はじめてのかくめい!




曲順だけを無機質に並べてみたが、特筆すべきはその行間にある。


アンコールを含めても、公演時間は約1時間。

本編中のMCはなし。4,5曲目の間に軽い挨拶と、8,9曲目の間にバンドメンバーによるセッションがそれぞれあった程度で、あとはひたすら歌いっぱなしの踊りっぱなし。

バンドメンバーの紹介や告知もアンコールまでお預け。


とにかくライブ中の“スキマ”がない。


個人的に演出や幕間映像、MCなどに凝りすぎて肝心の曲そのものに割く時間や労力が削られるようなライブはあまり好きではないので、ぶっちゃけこれくらい味付けが少ない方が塩梅が僕にとっては最適解。


実は新曲「僕らが愚かだなんて誰が言った」が外れているのだが、僕は翌日になるまでそれに気づかなかった。

持論だが、「あの曲がなかった」と思わせないライブは良いライブである。ここについてはいつか機会があればまた掘り下げていきたい。




…という訳で、少し駆け足になってしまったが、感情が旬なうちに書き上げられたため一旦ここらで擱筆することとする。

いつも以上に殴り書きになってしまった上に、実は誤字脱字チェック含む読み返しも一切やっていない。表現が拙い箇所については随時修正していくので、どうか大目に見て欲しい。


それではまた。