いつだって最新の君を映していたい。




三郷市文化会館。


片道2時間半の苦行を乗り越え、やっとそこにたどり着く。



郊外と呼ぶにはいささか田舎に寄った安穏たる雰囲気と、それにそぐわぬオタクの集合体。
日常から乖離した群衆が、僕の鼓動を囃し立てる。



物販を並び終え、一旦会場を離れる。

オタクの雑踏から一歩足を踏み出せば、そこは閑静な住宅街。公園では、幸せそうな家族が戯れる姿が見て取れる。
私事だが、先日友人の子ども(2歳!!)と遊んできた。
子どものパワーというものは凄まじい。遊んで、食べて、寝る。たったそれだけのことに、人生の全てをぶつけるかのような輝かしい生き様──畏れ多くも敬服を禁じ得なかった。

子どもたちのより良い未来を守っていかねばならぬ。独身男性はそう思った。まる。



そんなこんなで──のどかな気分で町を歩いていたら、「ちいかわ」のキャラソンを爆音で流している地元のJKとすれ違った。三郷市、あまりにもファンキーすぎる。
 




突然のアグレッシブに困惑していると、懇意にさせて頂いているフォロワーさんと遭遇。しばしの談合へ。

(これはたいへん失礼な話だが)まさか我々も夏織ちゃんのFCイベントができるなんて思っていなかったので、感動と興奮を共有。
いや、本気でできないと思っていたのではない。ただ、なんというか…「ホントにここまで来たんだな」という感慨が襲ったというか、子どもが成長して巣立っていく親はこういう気持ちなのかななんて思った。

もう一度言っておくが、独身男性の感想である。



その後もお世話になっている方々と次々に合流。

何度か触れてきたように、僕は仕事の都合上、2019年上半期から今年のアタマまで約3年間に渡って夏織ちゃんのライブから離れざるを得なかった身である。
そんな奴を温かく迎えてくれた方々には、改めてこの場を借りてお礼をさせて頂きたい。

ありがとうございます。

本来こういうことは面と向かって言うべきなのだろうが、それをやると僕のキャラが崩れると思うので言わない。
それも愛嬌だと思って受け入れてくれれば幸いである。

前置きが長くなってしまったので、そろそろイベントの感想に移りたい。

ネタバレも含まれるのでご注意を。



MCは石原夏織オタクの代表格として名高い(?)井尻晏菜さん。

声を発せない我々の分まで、全石原夏織オタクの総意であるかのごとく夏織愛を語り、叫ぶ。
僕は基本的にデカい主語はあまり好まない(というか好きなやついるか?)のだが、まぁこんなご時世にある以上、そうも言ってられない。
ファンの数だけ「好き」の形がある。例えばこれを読んでくれている君たちの「好き」だって、必ずしも僕のそれとは合致しない。
僕たちの代わりに愛を語るとは、そういうことである。解釈違い──なんておぞましくもよくできた日本語があるが、井尻晏菜さんはそのリスクを背負ってステージに立ってくれた。少なくとも僕はそう評価している。
そういう役を担ってくれた彼女に最大限の敬意を表すると共に、今後の活躍を祈念する。



そんな井尻晏菜さんの司会で進んだイベントは、大きく分けて

1.Carry Memories
2.Carry Gaming
3.Carry Singing

の3セクションから成る構成。

ざっくり振り返っていこう。



1.Carry Memories

夏織ちゃんを年表で振り返る企画。

1993年8月6日生誕。生まれてきてくれてありがとう

生後4ヶ月の可愛らしいお写真も公開。
4ヶ月にしては毛量がすごかった。あんなふさふさなことある?

幼稚園〜小学校中学年まではモテ期であったことを告白。クラスのみんなが私のことを好きなんじゃないかってくらいモテたらしい。カリスマのカタマリ。

他にも、小倉唯ちゃんと「ゆいかおり」を結成した頃の2ショットや、大学卒業式の初出し写真など、貴重な写真をたくさん拝める神企画であった。



2.Carry Gaming

夏織ちゃんがゲームをやる企画。

昼の部ではリングフィットアドベンチャー、夜の部ではマリオカート8をそれぞれプレイ。

ぶっちゃけた話、マリカーは予想の800倍くらい上手かった。絶対逆走すると思ってたのに
それでもロケットスタートに失敗してエンストしたり、滑空中に攻撃されてコースアウトしたりと、ハプニングも欠かさず標準搭載。
妨害されて「さいあくなんですけど〜」と愚痴る夏織ちゃんも可愛かった。

リングフィットアドベンチャーはまぁ何かグダグダだったけど、夏織ちゃんが笑顔だったからまぁ良いや。コントローラーを上下逆さまに持っていたのは夏織ちゃんらしくて良かったなぁ。



3.Carry Singing

夏織ちゃんが持ち歌およびカバー曲を歌う企画。

FCサイト内で事前に歌って欲しい曲のリクエストがあったため、ここで僕の選曲を振り返る。



・持ち歌

「Blooming Flower」
夏織ちゃんのデビュー曲。
何かと披露する機会が減ってきて、このままだと悪い意味で神格化されすぎて武道館に立つまで歌えなくなりそうという危機感を抱きつつあったため、初めてのFCイベントで1回やっておこうぜっていう願いを込めてリクエスト。

「Remember Heart, Remember Love」
新曲「Cherish」のカップリング。切なさに溢れる歌詞と、煌びやかに歪んだギターサウンド、細やかな16ビートを丁寧に刻むドラムが印象的な曲。
8月に新譜が2枚同時リリースされることもあり、鮮度がある今のうちに披露しそびれると今後やる機会が激減すると思いリクエスト。

「You & I」
くえっちょんくえっちょん!

ライブ「Starcast」の終盤を華やかに彩った、夏織ちゃん楽曲の中でも上位に食い込む“狂える”枠。
友達以上恋人未満のもどかしい距離感を歌ってはいるものの、重苦しさを感じさせない軽やかなリズム感。これをカップリングに組み込めるのがアーティスト・石原夏織の強み。
正直「Starcast」でも大活躍だったが、だからこそここでもう一度ぶち込んで〆の定番化をして欲しいと思いリクエスト。

・カバー曲

「lull 〜そして僕らは〜」
アニメ「凪のあすから」の第1クールOPテーマ曲。
夏織ちゃんの代表作でもあるため、是非とも歌って欲しいと思いリクエスト。

「細胞プロミネンス」
一部楽曲派オタクから熱烈な支持を受ける、声優×アイドル×ロックの王道。もうみんな忘れているかもしれないけど、一応アニメ「ミリオンドール」の後半OPテーマ曲。
アニメ自体が地下アイドルをテーマとしていたこともあり、今回のような良い意味でコンパクトな会場、ファンとの距離感が近い公演でこそ真価を発揮するナンバーであることからリクエスト。
というかシンプルに生の「細胞プロミネンス」を浴びたい。みっくもライブでカバー、キャラソン枠やってくれ。

「STUDY×STUDY」
ハイスクールD×Dの第1期EDテーマ。
これはもうホント、シンプルに好きな曲なのでリクエスト。Twitterで繋がっているオタクなら気づいてくれると思うけど、マジで“それくらい”好き。



という訳で、先に結果発表を兼ねてセットリストをどん。
ちなみに/の左は昼公演、右は夜公演。

1.fragile(Every Little Thing)/Hello, again 〜昔からある場所〜(My Little Lover)
2.lull 〜そして僕らは〜(Ray)/♡桃色片想い♡(松浦亜弥)
3.Sunny Ray Beam!!(石原夏織(ゆいかおり))
4.SUMMER DROP/♮ Melody
5.夢想的クロニクル ※TV size/Abracada-Boo ※TV size
6.Remember Heart, Remember Love
7.Cherish


うーむ、ふむふむ。
なるほどなるほどー。

…さ、



「Sunny Ray Beam!!」だぁああああああああ!

だぁあああああ…
だぁあああ…
だぁあ…



…いや、すまん。

マジレスすると公演中は全く驚かなかった
だってもうリハの画像があまりに露骨だったし。
 


↑人差し指で天高く亡霊たちを撃ち抜く夏織ちゃん。


一応先に言っておくと、僕は(強がりでも何でもなく)石原夏織ソロを犠牲にしてまでゆいかおりに復活して欲しいとは思っていない。

もちろんふたりが明確に「やりたい」と言ってくれて、それをサポートしてくれる大人たちがいるならそれは素敵なことだ。過去のふたりが輝かしがったことは思い出として大切だし、その続きが見られるなら是非とも応援したい。

でも──それがなくても、今の夏織ちゃんはもっと素敵だ。僕たちはもう、思い出に縋らなくたって良い。

アーティスト・石原夏織は、いつだってそれを証明してくれるから。


…みたいな、それっぽい常套句を一瞬で吹き飛ばすくらい、やっぱり「Sunny Ray Beam!!」は楽しかった。


「楽しかった」なんていうと安直な言葉に聞こえるかもしれないけど、素直に楽しかったのだから仕方ない。

本来ならばここで「高校生のいちばん大変な時に支えてくれていた曲で〜」とか、「ゆいかおりの活動休止後もずっと就活や転職の後押しをしてくれて〜」みたいな思い出を語るべきなのだろう。

そうした方が音楽体験及び読み物としての“うまみ”とか“噛みごたえ”が出るし、実際、僕にとってこの曲はそういう立ち位置だったはずだ。


でも、ごめん。

感傷に浸る間もないくらい純粋に「楽しかった」んだ。

それ以上でもそれ以下でもない。

流石に嘘は書けねぇ。


歌う前に少し語っていたが、この曲に対して圧倒な数のリクエストがあったらしい。ちなみに僕はゆいかおり時代の楽曲をカバー曲とし解釈する思考回路を持ち合わせていなかった。

先程の“解釈違い”に繋がる話だが、この曲こそ聴いた人たち1人ひとりによって、色んなことを感じたと思う。


別に、感想なんてみんな違って良い。むしろ、みんな違った方が良い。

僕と付き合いがあるから、僕の人間性やら文章が好きだから、その解釈にも足並みを揃えなきゃ…なんて思わなくて良いし、何なら「お前それは浅いよw」くらいのスタンスで殴りかかってきてくれた方が面白い。僕のことが嫌いだから殴りに行ってやろう、は流石にちょっと凹むけど、まぁ最悪それでも良い。


だから、どうかお願いだ。

君たちの想いと言葉を、ちゃんと形に残しておいて欲しい。

ブログでも書いたら教えてくれ。絶対に読みにいくから。




という訳で、ちょっと真面目なお願いもしつつ。


見事「lull 〜そして僕らは〜」を的中。コメントを読まれると思っていなかったので、すげぇテキトーなこと書いてしまい反省(何書いたかマジで覚えてない)。次はちゃんと書くから許して。


「Blooming Flower」は本当にやらない。

どうやら僕たちが夏織ちゃんを武道館に連れていくしかないようだ。




夜の部ではライブ「Starcast」のBlu-ray化も発表。めちゃくちゃ素敵なライブだったので、是非とも買って振り返りたい。




そういえば、面白かったのが終演後の粋な計らいだ。


規制退場を推し進める意図があったのか定かではないが、なんと出口では夏織ちゃん自らがお出迎え。


ちなみに僕は昼夜共に2階最前列上手で、退場順序はかなり遅い部類であった。というか、昼の部は最後から2番目、夜の部も最後から7番目だった。めちゃくちゃ遅かった。

席に座って待つ間に、最初に退場して全力ダッシュで三郷駅まで駆け込んでいるフォロワーもいたくらいだ。

だが、最後の退場も悪くない。後ろがつかえないので、ゆっくり見送ってもらえる。

昼は「Sunny Ray Beam!!」ポーズ、夜は「♡桃色片想い♡」ポーズをそれぞれ作り、夏織ちゃんにばっちり真似してもらえた。大満足っ。


たまには良い席引きたいが、まぁ2階席も悪くねぇぜっていう話。




そういう訳で、素敵なファンクラブイベントだった。


毎度のことながら、こんな世の中でも僕たちと夏織ちゃんを繋いでくれる場所を作ってくれるスタッフの方々には最大限の感謝を。

そして繰り返しになるが、僕みたいな奴を温かく迎えててくれる皆様方にも改めて感謝を。


vol.02開催に向けて、これからもよろしく夏織ちゃん。






夏織(きみ)でPerfect!!