やばすぎんだろ。


※ネタバレあり。




会場は神奈川県横浜市にある、ぴあアリーナMM。


そういえば最近は10,000人規模の会場があっても「あまりデカい会場でやりたくねぇんだけど〜」って言わなくなってきた印象。いや、見逃しているだけかもしれないけど。


ちなみに座席は前方23列、斎藤宏介正面。

発見した当初は「いや結構遠いかなぁ」とか思ったけど、着いてみたら意外と近かった。




いつもの「絵の具」で3人が登場。


1曲目は「夢が覚めたら(at that river)」。

驚いたことが3つあって、1つ目はいや1曲目アルバム曲ちゃうんかいという。このパターンは流石に今までなかったんじゃないかな。多分。一応今までもツアー「Catcher In The Spy」とか「Patrick Vegee」ではアルバム1曲目じゃないやつでスタートすることはあったけど、そもそもアルバム曲じゃないのは少なくとも自分が知る限り初。

2つ目は久々にモニター映像キタ━(゚∀゚)━!という。会場がデカいこともあり、左右のモニターからメンバーの表情がバッチリ拝める特別仕様となっていた。斎藤宏介、相変わらず顔が良すぎる。

3つ目はあれ、この曲カポ1じゃないの?という。昔発売した、アルバム「MODE MOOD MODE」のバンドスコアでも確かカポ1で表記されていた気がするのよね。


カポ論争で言えば、今回はそもそもマイクスタンドにカポが準備されていなかった。

ツアー写真で気づいてしまってあぁ、今回「kaleid proud fiesta」やらないんだって思いながら当日を迎えた思い出。だが…(アンコールに続く)。


『ようこそ!!』


斎藤君のハイトーンボイスと共に、貴雄によるお決まりのフィルイン。2曲目は「シュガーソングとビターステップ」。

この曲、マジでどこでも繰り出せるよなぁ…。ドラム→ギター→ベース→ボーカルと各パートが1つずつ合流していくから、徐々にボルテージを上げていける点が良いのかもね。

1曲目で度肝を抜かれたようなオーディエンスも、ここで一気にいつもの空気感に。


事前の公演に参加していた人たちをTwitterで見ていたが、開演前最後のツイートから終演後までわずか約90分ほどであったことを思い出す。


ここからは疾風(はや)いぞ。


そんな予感に応えるように、3曲目は「ミレニアムハッピー・チェーンソーエッヂ」。心地よく歪んだギターリフと、その隙間を縫うように押し寄せるドラムとベースのアンサンブルが何とも絶妙。

毎度のことながら、リードフレーズをしれっと弾きながらキーの高い楽曲をしれっと歌いのける斎藤君に思わず魅入ってしまう。


ちなみにこの日は(ユニゾンでは初めて)弟と連番で参加した。弟はコレが一番楽しみだったらしく、3曲目にして既にとち狂ったように踊っていたことも付け加えておく。


4曲目は「Nihil Pip Viper」。こちらも軽快なギターワークとリズム隊のバランスが特徴的なナンバー。

ラップ調の箇所でもリフのフレーズを崩さずに弾き続ける斎藤宏介クオリティ、マジでやばすぎんだろ。


ここで第1ブロックおしまい。


暗転を挟み、「City peel」→「静謐甘美秋暮抒情」へと繋がる。やっぱりその繋ぎやるよね

これまでのツアーでも「デイライ協奏楽団」→「フィクションフリーククライシス」とか「夏影テールライト」→「オーケストラを観にいこう」とか、テーマ(曲調とか題材とか)が近い曲で繋ぐことはよくあったので、正直これは予想通りすぎて嬉しかったね。

僕もユニゾンが売れ始めてから知ったクチだからあまり古参は名乗れないけど、少しは田淵のマインドが理解できてきたのかもしれない。


…なんて傲慢を跳ね除けるかのように、7曲目は「WINDOW開ける」。( 'ω')ファッ!?

何となく1stアルバムの曲は何かしらやる予感がしていて、最近あまりやっていない気がするから「等身大の地球」か「マスターボリューム」、あるいは「クローバー」辺りが入ってくるかなぁなんて構えていたけど、まさかがすぎる。

死ぬまでに1度で良いから聴きたいなぁなんて思っていた。アルバムのツアーで出会えたことに感謝。


余韻に更ける間を与えず、8曲目は「シューゲイザースピーカー」。(   ᐛ )<ウワァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!

これホント好き(語彙力)。

前触れたことあるかもしれないけど、ユニゾンはAメロでギターを止める曲が多いよね。この日のライブでも「シュガーソングとビターステップ」がそうだったけど、他にも「等身大の地球」「サンポサキマイライフ」とか。ドラムとベースが曲の土台を作って、そこにギターが彩りを与える。この方程式がスリーピース離れした音の広がりを見せてくれるんだなぁ…。


第2ブロックはまだまだ終わらず。9曲目は「アンチ・トレンディ・クラブ」。

なんつーか、もう、めちゃくちゃだった(褒め言葉)。最初から最後まで何やってんのか全然わからん。これも前からたまに言うけど、まさに平均台の上を全力ダッシュしているかのような、ギリギリのバランスで成り立つ圧巻のアンサンブル。


いやー、すごいもの見たわね〜…なんてため息をつきかけたところに、追い討ちをかけるかのように「MIDNIGHT JUNGLE」。えぐっ

何気にコロナ禍以来ずっと会ってなかった。ユニゾンのライブは『手挙げろ!!』とか『声出せ!!』みたいな縛りを一切課さない自由な楽しみ方ができるのも魅力の一つだけど、もしかしたらこういう観客のコール&レスポンスがしやすい曲は近年やや控えていたのかも? なんて邪推もしてみたり。


ちなみに、第2ブロックはここからもう1曲。


楽器が止まった一瞬の隙を衝くかのように、斎藤君が小さく「Phantom Joke」と囁く。


これで7曲連続。前回の「fiesta in chaos」もそうだったけど、最近は6曲以上連続で繋ぐ構成が増えてきたね。


緊張感と疾走感に溢れるな8ビートに加え、Fateブランドとのタイアップもあって、ファンの間でもかなりの人気曲。初披露の頃はかなり歌いにくそうにしているイメージがあったけど、数を重ねるごとに余裕と安定感が増していくのも流石。


暗転を挟み、お次は「Numbness like a ginger」。


スピード感のあるミディアムというか、まぁそんな感じ。新曲の中だと、これと「スペースシャトル・ララバイ」がお気に入りかな。

「スノウアンサー」とか「harmonized finale」とか「101回目のプロローグ」みたいな、少し切なげなのにテンポは速いっていう曲、めっちゃ好き。


そして続くは「お人好しカメレオン」。


こちらは個人的には現地初遭遇。15周年ライブ行ってたら普通聴いてるよね?


地味だけど、これも大好きなミディアムナンバー。細かなギターワークが随所に散りばめられていて、プレイングを視覚的にも楽しめた。


ちなみにこれでアルバム「CIDER ROAD」の曲は現地コンプリート。「CIDER ROAD」の曲、意外と(?)バラード系が多いからなかなか出会えなかった。


暗転を挟み、ここからは一気に最後まで駆け抜ける。


セッションを皮切りに「スペースシャトル・ララバイ」でアルバムの世界観を再構築すると、「放課後マリアージュ」で華やかな夕焼けを連想させる情景が広がる。


先述した通り「スペースシャトル・ララバイ」は新曲の中でもお気に入りの一曲。理由を挙げるならば、ほのかに漂うノスタルジックにあるのかなと思う。

ギターのコード弾きでイントロを作り、不器用ながらも真っ直ぐな歌詞で一縷の切なさを歌い上げるさまが、どことなく初期のユニゾンを彷彿とさせる。


そんなノスタルジックを引き継ぐというという観点から、「放課後マリアージュ」へ繋がったのも納得。ぶっちゃけ現地ではここでその曲やるの!?的な驚きが大きかったけど、このあと「徹頭徹尾夜な夜なドライブ」…すなわち夜へと続くアプローチとして、ちょっとしたメッセージだったのかもしれない。


という訳で、お次は「徹頭徹尾夜な夜なドライブ」。


久々の声出しOK公演だったためか、オーディエンスのノリ方が尋常ではなかった。色褪せぬ人気曲。そういえばこの曲もコロナ禍以来久しぶりの現地遭遇。


観客の喝采を受け、いよいよ本当のラストスパート。


貴雄のフィルインから繰り出されるナンバーは、もちろん「カオスが極まる」。


まさに『かつてないデッドヒート』の様相を呈した激しい高速8ビートに乗せて、会場は間違いなくこの日一番のボルテージにまで『極まってしまった』。


本編17曲を恐らく1時間強程度であっという間にやり遂げて、ほのかな達成感を見せるステージ上の3人。


斎藤君の『ラスト!』に寄せて、最後の曲は「恋する惑星」。

星々や可愛らしい動物たちを象ったネオンの装飾に彩られ、華やかなストリングスサウンドと共にツアー「Ninth Peel」は大団円を迎える。


もちろん、アンコールも標準搭載。

というか、舞台裏に捌けてから戻ってくるまで多分1、2分くらしかなかった。はやすぎんだろ。


そして、ここでふと気づく。あれ、ギターにカポ着いてね?


アンコール…もとい『おまけ!』と高らかに宣言すると、「ガリレオのショーケース」でステージ上がはちゃめちゃに踊り散らかす。

2サビ終わりのギターソロからは斎藤君と田淵の立ち位置が逆転する場面も。田淵のマイクで斎藤君が歌ったり、中盤の変拍子ゾーンでは2人で追いかけっこしたり。ラスサビ前の『毎日が、そう』では斎藤君のマイクを2人でシェア。それもうキスしちゃってんじゃんって思いながら見てた。


アウトロを引き伸ばす間に貴雄はヘッドホンを装着し、斎藤君のカポも1フレットに移動。もうここまで来たら“あの曲”の出番だよね。


確信はそのまま現実へ。最後は「kaleid proud fiesta」。


『ただ眠っていたって夜は明けてしまうから』

『広がり続ける星空に僕らは今を誇れるか?』


再度、夜を思わせる歌詞。イヤホン越しでも、ライブでも、何度も聴いてきた曲だけど、その場その場で曲が持つメッセージは大きく変わる。

当たり前のことだけど、そういう瞬間に出会えるのもライブの醍醐味。まぁ、大体公演中は踊り狂ってて、こうしてブログで振り返る時に初めて気づくことが大半なんだけどね。


いつも言っているけど、みんなもブログ書くと良いよ。




そういう訳で、いつも通りの圧倒的すぎるスピード感でツアー「Ninth Peel」はおしまい。


今回は「もう君に会えない」と「フレーズボトル・バイバイ」がアルバムの中でお留守番だった。ツアー前からアルバム曲全部やれないからツアー2周する的なことが示唆されていたため、早くも次が楽しみな次第。


ではまた。