わざわざこんなところまでやって来てくれた物好きには非常に申し訳ないのだが、
ここから連なる文章には少々強い言葉や、受け手によっては少し悲しい気持ちになり得る言葉が散見される。
とりわけ「僕は小倉唯ちゃんの全てが好きで肯定したい」という人には、あまりオススメできる内容ではない。
一応、総括すれば「やっぱり小倉唯ちゃんって最高だよね」っていうのがこの記事の要旨であることには違いないものの、
それを紡ぐ過程でどうしても彼女(というかむしろ彼女を取り巻いてきた環境)へのネガティブな感想は回避できなかった。
だから、繰り返しになるが──「やっぱり小倉唯ちゃんって最高だよね」が見たかった人は、ここで無難にブラウザバックして欲しい。
こんな世界の果てまで読みに来てくれて、本当にありがとうございました。
さて。
どうやら、世界には変わり者とかいうやつが思ったよりいるらしい。
あれだけ注意喚起をしたのに、君たちはまだこのページを下に進めることをやめない。
僕もそれ相応に狂っている自覚はあるが、それが書いたブログをわざわざ読む君たちには到底敵わない。
全くもって恐れ入った次第だ。
そういう訳で、いきなり言い訳から始めよう。
僕が最後に小倉唯ちゃんのライブに行ったのは2018年である。
確か──「Platinum Airline Tomorrow Town」みたいなタイトルだった。
後方で常に改造サイリウムがピカピカしていて、
警備員とオタクが何度も口論になっていた。
終演後に「これもうTomorrow Townじゃなくてスラム街じゃねぇか」なんて、連番者と冗談を言って笑い合ったものだ。
一応断っておくが、大前提として僕は俗に言う“レギュ違反”を推奨する者ではないし、だからといってそれを許さないという正義の味方でもない。
ライブの楽しみ方なんて人それぞれだし、
悪いことをしてそこにいられなくなるのも、悪いやつらに嫌気が差してそこにいたくなくなるのも、
みな等しく愚かしいと考えているだけだ。
大概のアーティストは「今日は会場のみんなで1つになりましょう」と言うが、個人的にはアレはあまり好きではない。
その根本に潜むのは、「この曲はこういう目的や意図で作りました」みたいな、芸術における“解釈”を作り手が限定してしまうことへの嫌悪感だと思う。
例として音楽を持ち上げたのは、他の芸術に対して音楽(楽曲)についてはこの現象が多く起こるからだと考えている。
優れた芸術品、あるいは芸術家というものは、往々にして謎を残している。
代表作に「モナ・リザ」を持つレオナルド・ダ・ヴィンチが500年ほど経った現代において未だ深く議論の対象となっている、その理由の一つもまさしくこれだ。
話を戻すが、要は「ライブなんざ楽しみたいやつが楽しみたいやり方で楽しめ」っていうのが僕のスタイルであって、
2018年のスラム街を最後に、小倉唯ちゃんの居場所から少し遠ざかってしまっていた。
だが、それはライブが良くなかったからではない(ライブ自体もそんなに良くなかったと思うけど)。
あの頃は、そもそも僕の中で小倉唯ちゃんへの信頼みたいなものが揺らいでいる時期だった。
直前の2017年に起こった、ゆいかおり音楽活動休止騒動。
ラジオ「ゆいかおりの実」は同年6月末をもって終了し、相方の石原夏織ちゃんを追い出すようにして翌週から「小倉唯のyui*room」が始まった。
唯ちゃんサイドは2ndアルバム「Cherry Passport」の発売を皮切りに続々とソロ体制が展開されていき、対照的に夏織ちゃんサイドは引退説が囁かれる等、およそ半年にわたって不気味な沈黙を続けた。
その後の夏織ちゃんがどうなったかは別の記事でも触れているので割愛するとして、
肝心の唯ちゃんはというと──これは完全に僕の主観だが──どうも「駒」のような感覚が抜けなくて、見ていて辛かった。
ゆいかおり音楽活動休止騒動直前に開催された、水瀬いのり&上坂すみれとの抱き合わせフェス「トリニティ」。
さらに、その後放送された「ポプテピピック」「上坂すみれのヤバい○○」でも、3人を新ユニットかのごとくゴリ押しする。
水瀬いのり及び上坂すみれのファンに対しては非常に申し訳ないことを言うが──小倉唯をダシに使われている感が本当に悔しかった。
もちろん、2人に非がある訳ではないことくらい理解している。
ただ、某レコード会社の露骨な売り出し方──と、夏織ちゃんへの冷遇──に腹が立って、
いつしかその矛先が、唯ちゃんへの不信感という形で顕在化してしまったのだ。
「唯ちゃん、ゆいかおり休止してまでやりたかったことがそれなの?」
唯ちゃんがアニメで良い役を射止める度に、
唯ちゃんが新しい曲をリリースする度に、
唯ちゃんがソロでフェスに出る度に、
そんな、最低最悪すぎる嫌味が頭の中をよぎる時期が続いた。
多分、そんな状況にトドメを刺したのが先に述べたスラム街だった。
「唯ちゃんがそれをやりたいなら仕方ないか」
幸いなことに、この時既に夏織ちゃんサイドが沈黙を破って1stシングル「Blooming Flower」をリリースしていた。
約半年後には1st LIVE「Sunny Spot Story」が開催された。
スラム街とは対照的なあたたかい陽だまりに触れて、
僕は「こっちの方が良いね」と、またも嫌味のように思った。
その後、就職した会社が土日休みを取れないこともあって、
いわゆる「推し事」をかなり制限する必要が出た。
唯ちゃんか、夏織ちゃんか。
どっちかくらいならまだ追いかけられそうだったので、
どっちを選ぶかは明白だった。
そうして僕は、小倉唯ちゃんの居場所を離れたつもりだった。
でも、どうしても彼女のことが忘れられない。
サブスクやレンタルCDを使う等、どうにかして極力お金を掛けずに唯ちゃんの新曲を聴く。
そして、Twitterを覗く。
少なくとも僕の周りにいる大半の人たちは、僕と同じようにモヤモヤした何かを抱えながら彼女を見ていた。
あの時連番した人も、もうすっかり唯ちゃんの話をしなくなっていた。
何で。
小倉唯ちゃんほどの逸材が、何で。
あんなに可憐で、気高く美しく、何事にも真面目でストイックで、時々ちょっと性格と口が悪いけどそれも魅力で、
そんな彼女が、何で。
そんな、何年も溜まり続けた僕の鬱憤を少しだけ晴らしてくれた出来事が、2022年に3つ起こった。
まずは、転職。
色々な事情があって、仕事が変わった。
普通に暦通り休めるようになった。
そして、それにより参加できた去年のアニサマ。
StylipSの一夜限定復活。
久しぶりに歌って踊る唯ちゃんを見て、
やっぱり彼女が放つ輝きは他の追随を許さぬものがあった。
声優のアイドル化なんて言われて久しい昨今だが、
それでも唯ちゃんは文字通りの“唯一無二”だった。
何だかんだ言って、僕は結局、今までも、そしてこれからも、小倉唯が好きなんだ。
唯ちゃんの圧倒的なパフォーマンスは、僕の歪みきった感情が恋であることを痛いくらいに突きつけてきた。
最後は、小倉唯レーベル移籍の報せ。
大元をたどれば、唯ちゃんに対して燻っていた不信感はキングレコードへのものだった。
…という訳で、前置きがだいぶ長くなったが、
そんな経緯もありつつ、本日、2023年7月17日(月・祝)、
約5年ぶりに小倉唯ちゃんのライブに参加してきた。
はっきり言おう。100点ではなかった。
小倉唯ちゃんには何億点上げても足りないのだが、
だからこそ、悔しい部分が一つだけあった。
先にそれだけ述べておく。
第3ブロック──ヘッドセット着用のダンスパートにおいて、ボーカルマイクが非常に不安定だった。
ほとんど声を拾わず、コーラスだけが流れることで口パクをバックに踊るような違和感が付きまとった。
オーディエンスも困惑し、会場が異様な雰囲気に包まれる時間が1ブロック分丸々続いた…気がした。
実際どうだったかはわからない。
僕の気の所為かもしれないけど、明らかにあのパートは何かがおかしかった。
ただただ悔しい。
悪いことを先に書いてしまったが、逆に言えばそれくらいしか文句が見当たらなかったとも言える。
それくらい、小倉唯ちゃんという声優は圧倒的な存在だ。
某ヒットソングの歌詞を丸ごとパクると、まさに完璧で究極のアイドル。
いつも可愛い自撮りをSNSで見せてくれるが、“本物”はその比じゃない。
およそ万人が思い浮かべるアイドルという存在、その概念をこれでもかというくらいに体現した、完全無欠にして唯一無二の偶像。
音響の不調はとても遺憾だが、その中でも毅然と踊り続ける彼女に強く胸を打たれたのもまた事実。
確かに100点ではなかった。
でも、数字では計り知れない何かがそこにはあった。
悔しいけど、だからこそまた君に会いたい。
そう思わせてくれるだけのステージであったことは、念を押して伝えておきたい。
…肝心の本題に入った途端、言葉が上手く出てこなくなってしまった。
自分なりに精一杯考えているつもりだけど、どうしてもまとまりがない。
でも、あまり推敲を重ねたくない。
今さっき帰宅したが、何もせずにこれを書いた。
日常に帰る前に、この記事だけは書き切りたかった。
唯ちゃんへの感情が、中途半端な語彙力による小手先の技術で着色されてしまう前に。
素直な言葉で、彼女への想いを形に残したかった。
「やっぱり小倉唯ちゃんって最高だよね」
繰り返しになるが、マジで唯ちゃんは最高だ。
あんなに可憐で、気高く美しく、何事にも真面目でストイックで、時々ちょっと性格と口が悪いけどそれも魅力で、
そんな彼女が、やっぱり最高だ。
もう同じことしか言えないけど、それくらい最高だ。
これからも、僕の人生が許す限りで君を追いかけたい。
そんな感じで、とりあえずこの文章は幕を閉じる。
後から追記したいことが出てくる気がするので、その時は別に記事で書こうかな。
珍しく勢いそのままに書き上げたから、これはこれで残しておこうと思う。
ではまた。
どうせ明日も君が好き。