銀魂高校。
どこにでもあるようなごく普通の学校である。
そんなごく普通の高校のちょっと普通ではない3年Z組の
1番前の左から2番目の席が、島原亜姫の席だった。
ぶっちゃけるとこの子、それなりに頭がいい。
本当は特進クラスに入る予定だった。
「銀魂高校に特進クラスなんてあったのか」という質問には
「現在担当者がいないのでコメントを控えさせていただく」としておこう。
ともかく何故そんな子が3Zに入ったのか。
単なる”手違い”である。
担任の「手続きとかめんどいしよー、もうこのままでいいんじゃね?」
という教師にあるまじき発言によってこうなってしまったのである。
さて、いつものように亜姫がクラスに入るとすでに個性豊かなクラスメートたちが
がやがやわーわー騒いでいた。
「おいチャイナ!俺のケータイ返しなせぇ!」
「いやヨ~日頃の恨みはらす絶好の機会ネ~!」
「おーやれやれ、ついでに俺の恨みもはらしてくれ」
「マヨラーの頼みなんて聞かないアル」
「そーだそーだ死ね土方コノヤロー」
「てめぇら・・・いつかぶっ殺す・・・っ」
朝から物騒な話をしているところもあれば
「お妙さぁ~ん♪今日もお美し・・・」
「あら、ありがとう。でもゴリラに褒められてもちっとも嬉しくないわ。」
そう言ってお妙ちゃんは近藤さんに見事なかかと落としをかました。
「オー今ノハイイカカト落トシダッタネ」
「姉上・・・少し自重しないと・・・」
「あら新ちゃん、何か言った?」
「いえ何も・・・」
一方では
「やっぱ深夜じゃないと時給1000円以上はねぇのかなぁ」
「深夜のアルバイトは危険だぞ。それよりうまく書けたと思わないか?このエリザベス。」
「おぉ、絶妙なタッチだな。」
桂くんと長谷川くんが顔を合わせてヒソヒソ話している。
私がドアの前で立っていると後ろから頭をくしゃくしゃと撫でられる。
「なにんなとこでつっ立ってんだ。早く座れー」
「先生っ頭くしゃくしゃじゃないですかっ!」
「おーわりぃわりぃ」
3年Z組の担任は私から手を離すとクラスに向かって気だるそーに言った。
「ギャーギャーやかましいんだよ、修学旅行の枕投げ気分ですかコノヤロー」
動物園のようなクラスのきわめつけがこの担任、坂田銀八先生。
教師とは到底思えない風貌と言動。
亜姫は案外このクラスが好きだったりする。
「今日は授業すんのめんどくせーから自習ね、いじょー」
先生の無責任な発言にクラスがワッと湧く。
その中で新八くんがボソッとつぶやいた。
「・・・転校しよう。」
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*作者の一言*
このクラス入りたい、切実に(´・ω・`)