震災後の報道で隣国中華民国では、たくさんの義援金が集まり、その額はアメリカからの義援金を凌いでいるそうです。またたくさんの方々から応援のメッセージを頂き、本当に有り難く思っています。

なぜ中華民国がこれだけ親日国なのでしょう。幕末の台湾は清国(現在の中華人民共和国)の属領となって、中華民族が移住し始めていたとはいえ、マレー系など、様々な小数民族が暮らす部族社会でありました。

一時、オランダに統治された時期もありましたが、幾つもの部族が割拠する難治の島でした。日清戦争で勝利した日本は、清国から台湾を割譲して日本の領土としました。

欧米列強は植民地支配で詐取を行いましたが、日本の台湾統治では、部族社会に国民意識、国民社会を根付かせ(欧米列強は支配した国の人を自国民としては扱わなかった)集中的にインフラ投資しました。台湾のインフラ整備を進めたのは台湾総督となった児玉源太郎。(日露戦争勝利の影の立役者)後藤新平(関東大震災から東京を復興させ、現代東京の骨格を造った)コンビで、さらにこの二人の下でも様々な方々が台湾のインフラ整備に尽力しました


日本は第二次世界大戦に敗戦して台湾を手放します。中国大陸では国民党と共産党の内戦で、共産党が勝利し中華人民共和国を成立させます。敗れた国民党は台湾に逃れて中華民国として対峙することとなりました。蒋介石率いる国民党は弾圧事件や悪政もあったので、日本統治の頃を懐かしむ人も少なからず居たそうです。また、日本が整備したインフラが住民の生活に役立ったこと、生活レベルの向上に繋がったこと。など中華民国は、一時期、外貨準備高世界一になるなど飛躍的な発展を遂げました。これは台湾の方々の努力が素晴しかったことによる成果ですが、根底には日本が残したインフラ整備も一つの要因にあると思います。近年では日本の文化やサブカルチャーに興味を持って親しんでくれる若い世代も多く、様々な要因で日本に親近感を持ってくれる人が多いのでしょうね

近年は本省人(台湾従来の住民)よりも外省人(中国本土からの移民や、その子孫)の比率が増え、以前より親日ではなくなったという話を耳にしたり、親中国政権の誕生により、領有が争われている尖閣列島について中国と共同歩調をとったりと、親日国ではなくなってしまったのかなぁ・・・・・というような気持ちもありました

しかし、今回の震災でこんなにも厚い好意を贈って頂けるとは、深く感謝しますし、本当に胸にしみますね。隣国で親日国とはいえ、国際社会の厳しさもありますから、日本政府は国交もあり、経済的にも切っては切り離せない中国との関係で、おおっぴらに台湾に肩入れすることはできません。これは個人的感情とは別に国としては致し方が無いことだと思います

しかし民間として、個人としては台湾、中華民国とは仲良くしていきたいですね。10年前の台湾大地震では日本の救援部隊と救援物資が一番に届き、日本からの義援金も最も多かったことに台湾の人達は感謝してくれているようだが、それにしても親身になってくれていることがヒシヒシと伝わって参ります。台湾の人には親切にしたいですし、台湾が困ることがあったら我々がお役にたちたいとも思いますよ

今回は台湾と共に、アメリカも中国も韓国も、ヨーロッパ、アフリカの人達まで心配をしてもらったり、厚意を受けました。国境はあれどもお互いを思う気持ちは大切なのだと改めて痛感させられました。日本人も自国のことのみならず、もっともっと世界へ思いを馳せていかねばなりませんね