網膜剥がれてくっつくまで〜網膜剥離手術のコト〜④
一時的に右目の視力がゼロになり、
また治りました!
そんな私の網膜剥離手術記録4回目です。
今はすっかり治ったのでご心配はなく!
色んな方のお話を聞くと、私は運が良かったのだと思います。
同じ症状の方のご参考になればと思います。
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第4回「失明という意味」
突然のレーザー手術から数日経ちました。
毎日の目薬の他は何も変わらず。左目が見えているので右目が眼帯でも世界も見えるし収録の仕事もいつも通り出来ました。
そしてやはりちょっと楽観的ではあるけど不安は無くなっていて…。
もしも、
万が一、このまま右目が見えなくなっても人生はきっと変わらない。変わったとしてもひとりじゃない。だから、私は平気。そう思う事が出来ました。
治療方針としては、キチンとレーザーが傷口を焼けていれば出血が止まる筈。
ぜんぶじゃなくても今より血が止まれば水晶体の濁りが薄まって傷口がはっきり見える筈。そうすれば網膜がどうなってるのかもはっきり見える筈。とにかく、右目の水晶体が血で濁って目の奥が見えないことが問題でした。
しかし。
血は止まってませんでした。
それがわたしにはハッキリわかっていました。
なんでかというと、見えていたからです。
毎日起きていた出血が見えていたのです。
レーザーはうまく傷全体を焼けなかったようです。
一週間後の検診で、やはり水晶体の濁りが改善されず、手術する事が決まりました。
するのはまず、硝子体手術。眼球に3つ穴を開けて(!)濁った水晶体を吸い出し(!)代わりのものを入れる手術です。
(3つ目の穴は目の中を照らすライトを入れるんだそうだ。ええええ:(;゙゚'ω゚'):こぇぇ。。)
網膜についてはとにかく見えないので、この硝子体手術をしながら、目の奥が見えるようになったらどうするかを決めるという事でした。
手術の順番や収録の都合もあって、入院は2週間後。手術の後10日は入院が必要になるので、仕事をフルで調整してここを空けました。いや、調整してくれたのは事務所です。本当にお世話をおかけしました。。!ご協力下さった皆様も本当ありがとうございました!!
「手術は決して難しいものではありません。
網膜の状態によっては、目の中にガスを入れる手術を追加するのでその場合術後にしばらくうつ伏せで過ごすことになりますが…。
万が一ということもなくはないですが、ほとんど失敗のない手術です。ネットで調べると詳しく説明されてますから、気になるなら見てみるといいですよ」
なるほど。。しかし人生初手術だ。緊張するなぁ。。。
「もしもですが、手術前に視界が欠損するような事があったら、すぐに連絡をください」
欠損…、欠ける…?まあ、後で調べよう。
「わかりました」
視界の欠損は、ネットで調べるとこういうものでした。
なるほど、こんなことになって来たら、すぐ連絡。ふむふむ。
今回も付き添ってくれたけーさんと2人。
手術の話をしながら帰宅。
そこからは仕事をしたり入院の準備をしながら過ごしました。
そしていよいよ手術、という2日前。
朝起きたら。
「………?!!!」
視界の、左下が…暗い?!
欠損だ!!!
ゾクリ、としました。
視界の左下5分の1くらいが、暗い灰色。
ここで、気がついたのです。
失明って、
光を失くすって事なんだって。
今まで、なんだか全然怖くなかったのは
旦那様に頼っていた気持ちもあったけど、
明るかったから。
見えないけど、右目はずっと光を通して明るかったから。だから怖さが少なかった。
これが進んだら、右目は真っ暗になるんだ…。
そこで初めて、本当の怖さがやってきました。
民「けーさん…、たた、大変、欠損…」
「欠損…?!」
民「視界が、欠けて来てるの!すぐ連絡するように言われてた症状なの。電話、する!」
T大病院の眼科の手術日は毎週月曜日。
その日はまた、専門医のいない土曜日。ガクガクしながら病院へ電話を。
やはり担当の専門医の先生はいなくて、Fさんという若い医師が電話に出ました。
民「すみません…!月曜に目の手術が決まってるんですが、もし視界が欠損したらすぐ連絡するように言われてて、朝起きたら欠損が起きていて、どうしたらいいですか?」
F「んー…、月曜日に手術決まってるんですか?」
民「はい。」
F「じゃあいいんじゃないですか?」
民「…え、っと」
F「月曜日に手術が決まってるんなら対応としては最短ですから。それでいいですよ」
民「いい、というと、このまま家にいればいいという事でしょうか?すぐに連絡しろとは言われてたんですが…」
F「今来てもらっても何も出来ません。月曜日、予定通り来てください」
民「………………はい………」
電話を切って、呆然としました。
場合によるみたいだけど、
場合によるかもしれないけど、欠損が始まったら本当に一刻を争う場合もあるって、そういうこともあるって、調べた時書いてあった…。
さっきのFさんというお医者さんの判断、合ってるの…?専門じゃないぽいのに?大丈夫?あの若い医者の言う事を聞いて、私本当に大丈夫???
頭の中を不安がグルグル。
これまで、もし目が見えなくなったとしても、怖くなかった理由は3つ。
1つ目は、けーさんがいたから。
2つ目は、視界が暗くはなかったから。
3つ目は、もう、自分のせいだから。自分の体の事なんて全部自分のせいなんだから、どうなったとしても、受け入れよう。
そう思っていたのに
もし
…Fのせいで、失明したら…
そう考えてしまった瞬間、
パニックがやって来ました。怖い。視界は欠けてきてる。もっと欠けるかも。
Fの……
Fのせいで見えなくなったらどうしよう!!!
自分のせいなら、誰でも腹は座るものなんですね。あんなに納得してたのに、
「誰かのせいで、見えなくなるかもしれない」
そう、チラリと思ったら、
怒りと、悔しさと…全然納得出来なくなって、抱えきれず泣いてしまいました。
泣いてる私を、けーさんはずっと慰めてくれました。怖い。寝て起きたら、何にも見えなくなってたらどうしよう。怖い。怖い。自分のせいじゃなく目が見えなくなるのは、嫌だ。嫌だ…。
土日は不安でほとんど眠れず、手術の月曜日の朝を迎えました。
次回、手術当日です。
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