警察学校は、入校してから最初の一か月は帰宅できません。
入校して収監状態が3週目に入ったころ、寮でみんなでのんびりしている時間に、6人のルームメートの中のひとりが叫んだんです。
「あー!頭おかしくなりそう。もう限界だ!トレイでシコってこようかな。何も集中できない」
それに対して他のルームメートも
「確かにこの問題はきついよね。」「まだあと十日以上あるのか」
私も思いました
なるほど。確かにこれだけの期間一回も出していないというのはシャバの世界では中々ないことだな。
警察学校ってひとりになれるプライベート空間がまったくないんですよね。
寮は集団相部屋です。常に同期生と一緒です。そのため男にとって定期的に行う必要があるアレが当然できないわけです。通常一人の空間でしかできないですからね
同期生の中にはすでに限界を超えていて、精神状態がおかしくなりかけている者が出始めているようでした。
私は彼のこの言葉に対して「よけいなこと言ってくれたな」と思ったのです。
というのも、私自身はどうだったかというと、この時まではこのことに関しては実はそれほど苦痛を感じてはいませんでした。
というか忘れていたという感じです。
入校して以来慣れない環境と、やることに追われる日々であまりそっちには意識がいってませんでした。
しかし、彼がこのことを話題にしたことで私自身もこの問題について気が付いてしまったのです。
こいつのせいで、奥深くに封印されていたよけいな欲求を思い出してしまったのです。
そういう意味で「よけいなこと言ってくれたな」と思ったのです。
男ならだれでもわかりますね。
一度意識してしまうともうダメです。頭から中々離れません。
20代半ばのやりたい盛りの男にとってかなりの苦痛です。 思考をメチャクチャにするこの強敵の出現で私の警察学校生活はどうなったのか。
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