第21作の武田鉄也に続き、
桃井かおりが、
黄色いハンカチの朱美そのままのキャラクターの、
ひとみ役で登場する。
北海道を一人旅しているというのも同じ、
黄色いハンカチで武田鉄也がつきまとうところは、
湯川昌幸に襲わせる形に代わり、
健さんの役割を寅さんが担った。
そういえば健さんの最愛の奥さんは倍賞千恵子で、
寅さんの最愛の妹も倍賞千恵子というのもピタリ。
こういうのは二番煎じでずるいと思うけれど、
結局のところ、
みんないい役者さんだったってことなんだろう。
面白いのだから仕方ない。
結婚式から逃げ出すという、
ハチャメチャを寅さんと関係なくやってのけた桃井かおりが、
向かった先が「とらや」だったというのが、
その前の北海道旅行のインパクトの大きさを示すところ。
ちょっとそこまで?
ということも多いのだが、
今回の場合は仕込みがかなり印象的だったので、
箱入り娘だったという設定から考えると、
あるなと素直に思えた。
分かり辛かったのは布施明。
いい男だとは思うのだが、今回の役に合っていたのか、
そして披露宴のあの歌は要ったのかどうか、
ちょっと微妙な気がする。
音楽の力をもってしても、泣けなかったし。
桃井への淡い恋が破れて、
いつも通りの旅に出るタイミングに、
仲人をやるってやるって言ったのにと、さくらに止められて、
珍しく旅に出るのを中止する。
(公式HPでも、この時くらいと書かれていた)
これは桃井への恋というのが、
いつものようではなかったということなのだろう。
恋にも濃い薄いがあるものだ。
私にも、
幸せの黄色いハンカチの時のようには、
桃井がキュートには見えなかったように。