沼津の漁師の娘、
アイコを演じた岸本加世子の、
何と愛らしく、可愛いことだろう。
今回のヒロイン=マドンナは、
テキヤ仲間の未亡人・音無美紀子なのだが、
私の中では、断然アイコだなあ。
宿泊先の旅館の女将から、
相部屋の依頼、
聞けば相手は女性だと言う。
例によってスケベ心満開で見に行くと、
高校生くらいに見える女の子。
専門学校生という設定だったので20歳位、
実際の岸本加世子も撮影時は20歳だが、
大人ぶらないキュートさが満開だった。
一方の音無美紀子は31歳。
綺麗だが、
あまり色気のあるタイプではないし、
寅さんが本質的に好きなのだろうと思う、
浅丘ルリ子や松坂慶子のような天然の明るさもない。
故に、寅さんが音無を気になってしまったのは、
テキヤ仲間の遺言にあったことは明確で、
すれ違いに見える別れのシーンも、
実は全部わかっていてのことではないかと、想像した。
ラストシーン。
松坂慶子や吉永小百合、
そして浅丘ルリ子の回では、
マドンナに会いに行く寅さんが、今回はアイコに会いに行く。
寅さんは、
やっぱり私の分身だな、と思う。
アイコとの一緒に旅の最後の夜。
今夜は飲むか、と、誘う寅さん。
いいねえ、今日は飲み明かそう、と、はしゃぐアイコ。
一生に一度のそんな夜が、
ずっと続けばいいのに、と思いつつ、
それが儚い一夜だからこそ、
思い出は美しく、
かけがえがないのだろう。
さあ、
今日もいい酒を飲もうじゃないか。
P.S.
これをもって「男はつらいよ」全48作のレビューをコンプリートしました。
第42作のぼくの伯父さんだけ2度投稿していますので49になっています。
先日、新作が製作される話しがありましたので、
その折には50本目の区切りのレビューを書きたいと思います。
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