面談 | 月のベンチ

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両親の闘病記

面談内容は気管閉塞について。
気管狭窄ではなく、すでに《気管閉塞》について。

主治医から言われて家族も同席させた。
事が事なだけに、家族全員に主治医からの正確な状況と状態説明がされることとなったのだ。

カニューレを入れていると、必ず肉芽が増殖する。
特異体質としか言いようがないと言われた。
普通(普通って何?)なら、いろいろ対処療法をしているので、ここまで増殖しない。
私も、肉芽のできた他の患者さんたちの話をご家族から聞いているが、こんなにひどくなった例は聞いたことがない。

カニューレを入れていても、ここから呼吸できていない。
カニューレと気管壁のわずかな隙間から呼吸している。

このままだと、窒息する危険というか、もう時間の問題。
抜いたとしても、肉芽の増殖が止まるかどうか、確実ではない。

某大学病院でも前例がないそうだ。
カニューレから呼吸できなくなる例なんて、東北の患者家族から聞いた話くらいだ。

家族が言った。
『在宅したいんだろ?抜くしかないよ』

在宅、入院どちらにせよ、呼吸ができるかできないかの問題だ。
が、カニューレ装着のまま在宅にすると、週一で交換することが難しい。
専門医でない主治医が母の肉芽を避けながらカニューレを挿入することは、はっきり言って危険。
専門医に交換してもらうとしたら、そのたびに外来受診で母を移動させなければならない。
母の負担は大変なものになる。
外来の待合室に、母を頻繁に出入りさせるわけには行かない。

現実問題、在宅の前に、母の気管閉塞を延ばせるかどうかだ。
今のままでも、抜いても、危険。
在宅できるかどうかの前に、母の命を延ばせるかどうか。だ。






家族は、すべての延命治療を中止したい意向なので、抜く方に即決。
あとは私。

前の記事にも、在宅する間もないかも、と書いた。
抜いて経過観察中に、トラブルが起こらないとも限らないからだ。

そういう状況でもあり、訪問医も事業所も受けたがらない。