気管 | 月のベンチ

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両親の闘病記

40分に渡る担当医との面談終了。

在宅にしても療養型入院にしても、今の特殊カニューレを交換出来得る医師はほとんどいない。
そして、だましだまし過ごせる期間はとうに過ぎている。

手術をしない場合、どこに居ても定期的に総合病院でカニューレ交換することが必須。
手術すれば、簡単なカニューレに変更でき、在宅にも戻すことができる。

遷延性意識障害の患者さんの気管奥の肉芽の手術(全麻)が出来る専門医は全国的にも少ない。
これは以前、大学病院に肉芽のことで転院したときに、家族会からもらった情報で知っていた。
療養病院の耳鼻科医もそう言っていた。(この耳鼻科医が特殊カニューレが交換できるか確認中)

今回の救急搬送先の担当医が、その難しい手術の行える数少ない医師の一人だった。
重心患者さんの気管手術も何件か行っているという。
成功した手術、しなかった手術、両方含めて。



一番の問題は、遷延性意識障害者の全麻がハイリスク中のハイリスクだという事実。
全麻はふつうの患者さんでもリスクを伴う。
だから医療機関は、遷延性意識障害者の治療を避けたがる。
何かしらつながりがないと、一般的な患者さんのようには診てくれないのだ。
要するに、諦めろと言うわけだ。
(地域や意識障害の重軽によっては、そうでない場合もある)

すぐには決められないが、なるべく早く結論を出さなければならない。
手術の結果によっては、在宅も含めいろいろ出来なくなる可能性もある。

ちょっとカチンときたのは、療養病院の耳鼻科医が、手術するしないの返事を即答しなかった私に、
『手術しないなら誰がカニューレ交換するの?家族(私)がやるなら別だけど』とか言っていたらしい。
こういうときのブラックな発言は腹が立つ。
今日、詳しく説明を受けたばかりなのに、即答できる内容ではないし、今すぐに決めないとならない事態でもない。



最優先で考えなければならないのは、母の命だが、

何が最良なのか、どこにも書いていない。
誰も答えを持っていない。

たぶん、母が意志疎通ができていたら(そうしたらこんな事態にはなっていないだろうが)、手術はしないと言うと思う。
痛い(気管は痛みを感じにくいと聞いた)、怖い、そういうことが嫌いな母なので‥



どこかに答えが書いてあればいいのに







あなただったら、
どちらを選ぶ?