2016/10/22 | 月のベンチ

月のベンチ

両親の闘病記


『たとえ異国の遠いまちでも
風がのどかなとなりまちでも
私はたぶん同じ旅人
遠いイマージュ
水面におとす

時は川
きのうは岸辺
人はみなゴンドラに乗り
いつか離れて
想い出に手をふるの



立ち去るときの肩のあたりに
声にならない言葉聞こえた
あなたをもっと憎みたかった
残る孤独を忘れるほどに

よどみない浮き世の流れ
飛び込めぬ弱さ責めつつ
けれど
傷つく心を持ち続けたい』