ちぇきは人の嫌がることをします。

叩いたり、真似したり。

我慢しないといけないことや、嫌なことが重なると問題行動が出る・・・と、通信簿にも書いてありました。

ふいの衝動的な困った行動に今一番困っています。

情緒が落ち着いていればいいのですが、ほんのささいなきっかけでスイッチが入るので困りものです。

そんなちぇきも一人登下校チャレンジ中。

もうご機嫌で、朝なんてスキップして登校しています・・・・

 

同じ地区の子たちと帰るのを楽しみにしているちぇき。

が・・・・この前年下の子たちと帰って来た時の事。

棒で叩かれたり、かりんの実をおしりに投げられたりしたらしいです。

で、「やめて」って言ってもやめてくれなかったそうで・・・。

その日はちぇきのお友達へのイタズラが発覚した日でもありました。

大好きなはずの子なのに、気分によって叩いてしまったり、さらには上履きを移動したりしていたそうです・・・・

前から何度かやっていたらしいことがその日発覚。

連絡帳を読み、ちぇきに聞き、指導。

その時、下校中に嫌なことをされた話をしだしました。

泣き出し、泣きながら「どうしてやめてって言ってもやめてくれないのかなぁ??」「僕、嫌だったんだよ」と。

 

これは、ある意味チャンスかも・・・と思い私はこう答えました。

 

「それは楽しいからじゃない?ちぇきも人の嫌がることをやるのは楽しいからって言ってるでしょ?楽しいからやるんだよ」と。

「そうかぁ・・・」と、また涙。

 

「ちぇきはやられてどんな気持ち?」

「嫌な気持ち」

「ちぇきが楽しいからってお友達の嫌がることをすると、お友達はどんな気持ち?」

「嫌な気持ち・・・」

「ちぇきが叩いたり上履き隠された子は、どんな気持ち?」

「嫌な気持ちぃ・・・」と、さらに泣くちぇき。

 

ちぇきは初めて実感として、嫌なことをされたらどんな気持ちなるのかを学べたかもしれません。

 

その後しばし泣いて、少し落ち着いてソファに座り、いつものぬいぐるみを膝に抱いて、「人の気持ちがわかったよ」とつぶやいていました。

 

もちろんこだわり行動になっているので、すぐには行動を正すことはできないかもしれません。現に昨日もお友達を叩いてしまいました。

でも、気持ちがわかったことは一歩前進だと思うのです。

自分が楽しくても、相手は嫌な気持ちになる。実感としてわかって、衝撃だったようです。

 

上履きを隠してしまった子にきちんと謝り、許してもらえました。

そして、ちぇきを叩いた子にも謝ってもらえたそうです。最初その子たちは「やってない」と言ったそうです。でも担任の先生に正直に言うよう言われて認めたそう。

お友達に意地悪されると困るから、またママが途中まで迎えに行くことになっていたのですが、「謝ってもらったから大丈夫だよ」と、やっぱり一人で帰ると言うちぇき。

翌日もその子たちと帰ってきました。

それなりに帰って来れたようです。

 

ちぇきにとって大きな一歩でした。

嫌な思いはしてほしくないけど、嫌な思いも必要なときもある。

こういうことのないように、ちぇきだけでお友達と一緒になることはずっと避けてきた。

おかげで主治医の先生も「大成功です!」と言うほど素直にひねくれることなく育ってきたちぇき。

今なら、少しなら大丈夫かな?嫌な思いをする経験も必要よね。

 

嫌だって言っても、やめてって言っても嫌なことをされたちぇき。

それは今まで経験のないこと。

でも、そのおかげで少しでも人の気持ちがわかったのなら、それは貴重な体験。

 

素直なちぇき、天真爛漫で自由なちぇき。人が好きで、自分が人が好きだから、まさか自分を嫌いな人がいるとは思ってもいないちぇき。

あの日、泣きながら「○くんと○くんは嫌いだよ」と言い切ったちぇき。

成長するには必要な体験だと思うよ。

 

人の嫌がることはしない。

大人になるまで身に着けてほしいことです。

 

がんばれちぇき。

 

何か月か前、どうにもちぇきにイライラして、どうしてもいつも怒っていて不機嫌な顔ばかりだった私。

ちぇきはいつでも「ママ?」と笑顔を向けてきた。ちょっと困ったちぇきの笑顔。それすらイライラしていた。

わかっていそうなのに、わからないちぇきにイライラしていた。

 

でもあるとき気づいた。

この子はこんなにも私の笑顔を望んでいる。

ちぇきは困ったこともするし、わからないことも、伝わらないことも多い。周りから変な目で見られる行動も目立つようになってきた・・・

少しでちゃんとしてほしい、変な行動はしないでほしい・・・・

そんな思いが強くなっていたのだと思う。

 

ちぇきはちぇきなのだ。

もう私より大きくなったちぇき。この子はこれ以上変わらない。

困ったことをするのもこの子の個性。変な行動もこの子の個性。

この子の興味あることへの行動も、この子の幸せ、楽しいこと。

この子はこのままこうして生きていく。

私は自分の価値観でこの子を縛ろうとしていた。枠にはめようとしていた。

それは無理なことなのに。

ちぇきをちぇきとして悪いところも含めて受け入れなければいけない。

ちぇきはちぇきという人格を持った一人の立派な人間なのだ。

そんな当たり前のことにやっと気づいた。

 

それはなっきーの存在もある。

ちぇきを見て、なっきーを育てる。二人いたおかげで私は個性的で傷つきやすいなっきーをそのまま受け入れようと思い、考えることができたのかもしれない。

ちぇきもなっきーも面白い。よくも悪くも面白い。

私じゃない個性を持った二人を、面白く思いながら一緒に毎日を過ごして行けたらいいなと思う今日この頃です。