今週の月火とB DASH CAMPで福岡に行ってきました。

普段はオフィスの中で考えるのと違って、物理的にも

距離がある場所へ移動するのは大変ではあるけれど

普段とは違った思考が出来たり、いろんな出会いが

あったりする。






今回は渡辺さん、西田さんが主宰しているIT業界の経営者や

起業家、VC向けのカンファレンスということもあり、

セッションそのものもいろいろと興味深かったのですが、

実は何よりも興味深かったのが行きの飛行機の中で

たまたま隣の席になった経営者の方と話した内容でした。







SAP業界での有名人でもある、彼が言うには、

『ソーシャルゲーム業界は常にイノベーションの

ジレンマと闘ってきた。思い返してみると、最初に

ソーシャルアプリ市場でうまくいったサンシャイン牧場は

結局次の波に乗り切れなかった。

でも逆に最初の波に乗り切れなかった会社が次の波

に乗ろうと頑張って次の波に乗る、といったことが

この数年にわたって何度も起きている。』






確かにmixiのオープン化が始まったのが2010年9月。

そこからまだ3年も経っていないけれど、業界構造は

この3年で3回くらい大きく変わっているし、

勝ちプレイヤーも入れ替わってきている。

初期は、mixiアプリに出したいわゆる農場タイプのアプリ。

そこから主戦場となるプラットフォームがモバゲー、GREEへと

移り、釣りゲー、ロワイヤル、カードバトル、美麗カードと

本当に目まぐるしく移り変わってきている。

そして今まさにパズドラによってAppSotreやGooglePlayが

ゲームプラットフォームとして更に大きく成ろうとしている。








『スマホのネイティブアプリのゲーム市場はまだまだ伸びる。

ここはすごく大きなチャンス。でも一方で現状では、ガラケーの

アプリでも実はまだ売上は結構ある。

でも悩ましいのは、社内ではみんなスマホアプリの開発を

やりたがるんだよね。

本当はこういう時に縮小していくガラケーアプリで

しっかりと利益を作ってくれる、しんがり戦が出来る奴が

いてくれると助かるんだよなぁ。

一番槍はみんなやりたがる。

でも本当はしんがり戦をまかせとけ、って言って

やってくれる奴が欲しい。』








この『一番槍としんがり戦』のたとえは、僕自身も経験が

あるだけに本当にぐさっと刺さりました。

ネット業界のような環境変化が他の業界と比べて何倍も

早い業界は、知らず知らずのうちに事業が多角化され、

それに伴い、伸びている事業とそうじゃない事業が混在する

組織になりやすい。

それにベンチャーに来るような人は往々にして成長分野を

やりたがる人は多い。だからといって成長市場ばかりを

やっていればいいかというと決してそうではなく、

経営者としてはそれと並行しながら成熟産業になった事業領域で

組織のモチベーションを維持しながらどうやって最後の収穫を

刈り取るか、その事業を新たな成長事業へ

どう方向転換させるか、というのがとても大事。

でもこれはとても悩ましい。

それに、しんがりには信頼しているチームじゃないと

任せられない。

wikipediaに

『本隊の後退行動の際に敵に本隊の背後を暴露せざるをえないという戦術的に劣勢な状況において、殿は敵の追撃を阻止し、本隊の後退を掩護することが目的である。そのため本隊から支援や援軍を受けることもできず、限られた戦力で敵の追撃を食い止めなければならない最も危険な任務であった。このため古来より武芸・人格に優れた武将が務める大役とされてきた。』

ってあるように。







そして最後に座右の銘を教えてくれました。

『僕が好きな言葉は

「人事を尽くして天命を待つ」だね。

やれることは全てやる。そこまでいったら後の結果は

ついてくると信じるしかないんだよね。』








gumiの国光さん、貴重なお話ありがとうございました!

$神泉で働く社長のアメブロ







ちなみに今日のエントリーは伊佐山さんの文章に

かなりインスパイされてます。。。(汗

http://www.nikkei.com/article/DGXBZO53718470Y3A400C1000000/