ひのきで作った細く繊細なフレーム。
こちらのフレームは和紙を使ったシェードが組み込まれて
スタンドランプになります。
照明作家 坂本尚世さんとのコラボレーション商品。
フレームだけの状態でも、美しい立ち姿で存在感があります。
奈良県は林業が盛んで、吉野スギや吉野ヒノキなど全国的にも
名前の通った良材がありますが、坂本さんはその吉野の地で
地元の素材を活かした照明づくりをされています。
うたたねがこの針葉樹を扱うようになったのは、10年以上前になりますが
吉野材を使用したプロダクトデザインのコンペに参加したのがきっかけでした。
以来、奈良県産材とはいろいろな形でかかわっていますが、
坂本さんと一緒に作っているこちらのランプは、人気の商品に育ってくれていて、
発売されてから長く製作を続けています。
フレームとシェード、それぞれの作り手が
それぞれの技術や良さを活かしてできた作品です。
円筒形のシェードを包む3本脚のフレームは、細身でとても繊細なデザイン。
吉野材は密度が高く、他の針葉樹に比べて
木目がまっすぐしっかりと通っているので強度があり
こういう繊細なデザイン可能です。
もちろん強度がきちんと出るように、仕口や組み方を工夫していますが
木材がしっかりしているので、攻め込んだ美しい形に削り出すことができます。
照明なので、電球などの機器や配線コードなども取り付けなければなりません。
機械やボルト部分はなるべく見せたくないので、裏側にも細かい加工をしています。コードはだらんと垂れ下がらないように、脚の内側に溝を掘り、そこを通って
脚先から地面に抜けるようにしてあります。
こういう商品を設計する場合は、全体的な見た目の美しさ以外にも
使いやすい機能を考えて工夫を凝らします。細かい加工作業が必要となりますが、
それもまたデザインの醍醐味というか、面白い部分でもあると思っています。
(正直超めんどくさい加工だと思うこともあります。。でもきちんとやればやるほど
きれいに出来上がる、結果が伴うのでいくら面倒でも手は抜きません。。)
出荷前には最終のチェック。製品としてクオリティを管理するのは
デザイナーの務めでもあります。
木材の製材から加工組立、仕上げや塗装まで
手間はかかりますが、その分他にはない特別な照明が出来上がります。
お部屋や空間で使うことで、木の良さや、デザインの楽しさ、美しさを
感じて頂ける商品になればいいなと思っております。
写真でご紹介したスタンドは、優美シリーズのMサイズ。
吉野にある坂本さんの工房や、いろいろな場所で展覧会などに出展されていますので
そちらでご覧いただくことができます。
Sサイズはオンラインでのご購入も可能です。
機会があれば、ご覧になってみてください。