焼けるような太陽の光を耐え、扉を閉めて二人を見送ったルイ。届いたばかりの「伯爵の首」を見つめていると…
パチパチパチパチ
素晴らしい!!
お手並み拝見させていただきました。
そう「伯爵の首」のオークションは出品者であるSGがエミグレ、つまりルイに接触するための建前だった。そしてルイ自身も彼と会うことを望んでいた。
ルイが主宰する「薔薇十字帝国」という組織は彼が作ったとされる「薔薇十字団」という組織を模倣した。そして日本に来た理由も血液での発電に目をつけただけではなく、1984年からその男が日本に滞在しているという噂を耳にしたからに他ならない。
あの日、ルイに未来を教えサンドニへ導いた張本人、サンジェルマン伯爵だ。
公爵お久しぶりですね。
モンマルトルの丘のふもとでひっそりとお過ごしになられた日々が懐かしい。
私の言った通りの未来で安心しました。
すっかりご立派になられて。
素晴らしい世界を創造されていますね。エミグレ制度ですか。
耽美主義の思想がなんとも美しい。
死んだ人間をヴァンパイアが蘇らせ血を作らせる。
そしてその血は人間にとって強力なエネルギーとなる。
人間にとって愛は最も美しいものですからね。みんな協力するでしょう。
それに人間とヴァンパイアの共存や愛も口実ができる。
さぁ共に理想世界を…