人間の血を発電させ新エネルギーへと変えるエミグレ制度を立ち上げ、理想世界の創造を始めたルイ。だが、ルイは200年前のフランス革命中に死んだ事になっているため、正体を明かすことが出来ず、その制度を思うように広めることが出来ていなかった。

 そんなルイの代わりにとサンジェルマン伯爵が自ら表舞台に立ち血の発電による新エネルギー「エミグレ」を発表し脚光を浴びる。

 伯爵自身の存在は既にヨーロッパ最大のミステリーとされていたため、様々なメディアがこぞって紹介した。血での発電を倫理的に問題視する声も多かったが、社交界を虜にした持ち前の話術を駆使してエミグレ制度を説き、人々を賛同させていった。

 自分では出来るはずもない方法でエミグレ制度を広げ、着々と理想世界を創り上げて行く伯爵にルイは心強さを感じつつも、同時に不安を抱き始めていた。