今年で25周年を迎える「わかさ生活」の社長 角谷が、従業員に話してくれる「豊かな心」になる話を毎週紹介します!

 

失敗を怖れるよりも、それをどう活かすか

 

わたしは、何事も「自分でまずやってみる」ことを大切にしています。

 


いろいろと時間をかけて調べて分析することも大事ですが、まず「手を動かす」「やってみる」ことで、学べることは多いからです。

 

 

もちろん、失敗してしまうこともあります。

 


でも、その中から「活きたヒント」や「思ってもみなかった成果」が得られることがあるのです。



あるとき「商品の良さを多くの人に知ってもらおう」と、地域のフリーペーパーに広告を出しました。ところが、いつまで経っても、注文や問い合わせは1本もありません。

 

 

オフィスで落胆していると、ようやく電話が鳴りました。

 

 

「やっときた!」と喜びながら電話を取ると、それは「商品が欲しい」というお客さまからのものではなく「ウチで扱っているフリーペーパーにも載せませんか?」という営業の電話でした。

 


「そんなつもりで広告を出したわけではありません」「営業は結構です」と、断ろうと思ったのですが、「広告を出せば、誰か見てくれているのか」「見てくれる人はいても、注文につながらないのは、どこか良くなかったからかもしれない」と思い、その人にいろいろと質問をしてみました。

 


その後、直接会って相談をしたところ、とても誠実に答えてくれたので「この人からは学べることがたくさんありそうだ」と考え、私はその場で次の広告をお願いすることにしました。



それから、2回3回と広告を出し続けましたが、成果はありませんでした。

 

 

しかし、毎回、自分なりに作戦を考えて広告を作り、失敗をしているので「ここが伝わりにくいのか」「これでは魅力的に感じないか」といった、「失敗の法則」のようなものが見えてきました。

 


電話をくれた営業の人も「成果を出せないのに、こんなに繰り返し広告を出してくれている。

 

 

なんとかこちらもその想いに応えたい」と、ますます親身になっていろいろなことを一緒に考えてくれるようになりました。

 


そして、自分なりに積み重ねてきた「失敗の法則」を踏まえた10回目の挑戦で、ついに結果を出すことができました。

 


10回目の広告で、140件、432袋の注文をいただきました。



わたしは、決して安くはない広告費をかけて9回の失敗をしました。

 

 

10回目で初めてのヒットなので野球でいうと打率は一割ですが、悪くはないと思っています。

 

 

商品を欲しいと思っていただいている人に、どう伝えればいいのかは、最初から成功していたら学ぶことはできませんでした。

 

 

「ここが良くなかった」という失敗があったからこそ、「では、どうすればいいのか」を考えるキッカケができたのです。

 


また、その時に苦楽をともにした広告代理店の人とは、とても深い縁が生まれ、40年経った今でも仕事を手伝ってくれるパートナーになりました。

これは、広告を出す時には考えてもみなかった成果です。



何事も最初から完璧にうまくはいきません。

 

 

失敗が怖くて「手を動かす」「やってみる」ことをためらう人がいますが、成功の途中には必ず失敗があるものなのです。

 

 

だから、失敗した時は、反省はしても落ち込むことはありません。

『失敗したことよりも、それをどう活かすか』のほうが大切なのです。

 

 

失敗を活かすことで、自分の夢である成功に一歩ずつ近づけるのですから。