※二次創作です※

マガビー20周年記念 『YEBISUセレブリティーズ 久家×益永』 のコミカライズが終わってしまいました!
ストーリーは、何度も何度も読んだり聞いたりして、セリフすべてを暗唱できるくらいだというのに(←どんだけw)、
それでもなお、動きのある絵=漫画で描かれた久家と益永さん、最っ高に素敵でしたね!


さてさて。

そんなすんばらしいご本家様にドロを塗るようで申し訳ないような気もしますが、
6月号(連載3回目)の扉絵(久家の車の運転席にいる益永さん)を見て、
妄想した久家×益永ネタを、ちょろっとSS風にアップしてみました♪
だって、祭りだもん! (←言い訳にならない言い訳)

不破慎理さんのステキな扉絵はもちろんですが、
敬愛するあぱっしゅさんが、この妄想のタネを蒔いてくれました♪
私のコメントへのお返事で、あぱっしゅさんが披露してくださった超ステキで超萌える久家のセリフを、
さらにおもいっきり膨らませた感じになっております。
(素敵なタネがこんな芽に育っちゃってすいません(;・∀・)

時期は、ふたりがつきあい始めて数ヶ月、まだ初々しい頃。
(いや、あの人たちは何年たっても初々しいかw)
ノベルズ2巻「彼の日常/彼の事情」のあと辺りのイメージです。


えちシーンはありません(キスのみ)。
無駄に長いですw
自己満足です。


勝手な妄想で書いたものなので、二次創作に抵抗がある方は、どうか回れ右でお願いします。
なんでもいいよ!という心の広い大人の女性のみ、どうぞ!


ちなみに、私にとって、「初めて」の久家×益永二次創作です。
いろいろ多めにみてやってくださいm(__)m


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まだまだ残暑が続く9月、
ぼくと久家はいつのもように仕事帰りにいっしょに食事をし、満ち足りた気分で久家の車で帰路についていた。
運転がある久家はノンアルコールのカクテルを、ぼくは彼が勧めるままにワインを飲んだ。

自分だけ飲むのはためらわれて、自分もノンアルコールドリンクにする、と言ったのだが、
久家に、「酔ってるあんたって、めっちゃ色っぽい。そういう和実を見られるの俺だけの特権なんだから、行使させてよ」とよく分からない主張をされ、グラス3杯ほど、料理にあわせたワインを飲んだのだ。

それほど量は飲んでいないのだが、なんとなく顔が火照っている気がする。

ところで、ふだん外で食事をとったあと、
よっぽど疲れていたり翌日の朝早くから仕事が入っていたりする場合以外は、
ぼくらはたいてい、どちらかの家でいっしょに過ごす。

久家が有無をいわせず彼のマンションにぼくを連れていくか、
うちまで送ってくれた別れ際に「まだ離れたくない」と駄々をこね、強引にぼくの部屋にあがってくるかが常だった。

つまり、ぼくはとことん受け身なのだ。

――対等でいたい。
そう思うけれど、自分から「うちに寄っていくか?」と誘いをかける勇気は持てなくて、
(今夜は久家はどうするつもりなんだろう・・・)と、帰りの車の中、ぼくはいつも無口になってしまう。

そんな、駆け引きとも呼べない微妙な空気感のなか、

<ブルブルブル>
久家の携帯が小さな振動音をたてた。

「おっと、わりい、谷地さんからだ。車停めていい?」
「もちろん」
交通量の少ない道の路肩に車を停め、久家が携帯の通話ボタンを押す。
同僚とはいえ、自分の担当ではないクライアントとのやりとりを聞いてしまうのはよくない気がして、
ぼくは車から外に出た。

昼間の熱気はまだ道路に残っているけれど、風は少しずつ秋めいていて、火照った体には心地よく感じられる。
こんなふうに季節の移り変わりを肌で感じるなんて、半年前の自分では考えられないことで。
なんて面白みのない生活をしていたのだろうと、我ながら苦笑してしまう。

「益永さん、ごめん」

そんな感慨にふけっていたら、車の窓が開いて、ぼくの生活をかえた張本人が声をかけてきた。

「話は終わったのか?」
「うん、でもちょっと資料を受け取らなくちゃいけなくてさ。
悪いんだけど、いまから青山のオフィスまでつきあってもらっていい?」
「べつに構わないが・・・それより俺はタクシーで帰るから・・・」
「だめ」
言いかけた提案を強い口調で遮られる。

「まだ帰したくない。それに俺、一日の終わりをいっしょに過ごすのはあんたじゃなきゃヤだ」
「・・・」

きっぱりと言い切られて絶句してしまう。

毎日毎日、会社でもプライベートでも一緒にいるくせに、まだ足りないなんて・・・ワガママな奴。
そう思うけれど、離れがたいのは自分も同じで。

酔いだけではない赤くなった顔を見られないように、ぼくはふたたび助手席に乗り込んだ。

+++

【APACHE】の青山オフィス。
周囲は店仕舞いしたブティックや、おしゃれな低層マンション、オフィスビルが建ち並んでいる。
夜もだいぶ遅くなった平日の今は、人通りはなく、静かだ。

若者に大人気のブランドのオーナー兼デザイナーである谷地さんは、明日からまたパリに戻るとのことで、
その前に、直接久家に伝えておきたいことがあるらしかった。
忙しい人だからこそ、たとえ短時間でもface to faceで話すことで、アイデアの共有や発展がスムーズにいくのだろう。
相手が、ひらめき型の天才・久家であればなおさら。
その価値があることは、ぼくにもよく分かる。

自分だったら、そんな短い時間では、有意義な発言など何ひとつできないかもしれない・・・。

そんなふうに鬱々と考えこんでしまうぼくを知らずに、久家は、オフィスの裏手の路地に車を停めた。

「10分、いや5分で戻るから」
「いいって、俺のことは気にせず必要なだけ打ち合わせしてこいよ」
「わりい、なんかあったら遠慮なくケータイ鳴らしてくれていいから。絶対、ひとりで帰ったりすんなよ」
「うん、分かってる」
「後ろのクーラーボックスに冷たいミネラルウォーターのボトルが入ってるから、好きに飲んでて。
冷房も適当に調節していいから」
「ありがとう」

たった数分のことなのに、と苦笑してしまう。
基本的に俺様でワガママで、自分勝手な男だけれど、こんなふうにぼくを気遣ってくれるところは、
本当にやさしいと思う。

自分にはとうていできない心配りに甘えてばかりで情けない。

いろいろな意味で自分と久家との差を見せつけられた気がして、ため息をついた。
久家はなんでこんな自分を好きだと言ってくれるのだろう。

今日だって、食事の場所選びからワインのチョイス、家までの送迎と、なにからなにまで久家に任せきりだ。
お酒に関しても、久家のほうがぼくよりよっぽど好きで、舌も肥えているのだから、
本来ならぼくが運転手役をかってでるべきなのかもしれない。

もっとも、彼の高級外車(しかも左ハンドル)を運転する度胸などあるわけもないのだけれど。

そう思いつつ、ふと思い立って、一度外に出てから運転席に移動してみた。
一応免許証は取得しているけれど、都内に住んでいる庶民の身では運転する機会などそうそうない。
左ハンドルということもあいまって、なんだか新鮮な気分で、誰もいない車内を見渡してみた。

いつもこんな風景を久家は見ているのか――。


(あんたの左の横顔、世界で一番俺が見てるよな)

いつかの久家のセリフがよみがえる。

(正面も美人だけど、横からみると、和実の顔ってほんとに壊れやすいガラス細工みたいにキレイで、触れるのが怖いくらいだ)

そういいながら、指でぼくの顎を捉え何度もキスをしてきた、自分こそ端正な恋人の顔。

(和実、愛してる・・・)

甘く掠れた声が聞こえてきたような気がして、ぼくはぶんぶんと首を振った。
ひとりでいるときに久家のことを考えて赤面してるなんて、恥ずかしくていたたまれない。

たぶん、車内に漂う彼の残り香がそんな想像を生むのだろう。

そう思ったぼくは、久家が挿しっぱなしにしていったキーを回し、
運転席側の窓を開けて、空気を入れ替えることにした。

+++

「ん・・・」

頬に、唇に・・・馴染んだ優しい感触があって、目をあけた。
恋人の顔がものすごく近くにあってドキッとする。

「・・・ごめん、俺、寝ちゃってたのか」

少し酔っていたせいか、待ってるあいだにうとうとしてしまったらしい。

「すげえカワイイ顔で、すやすや寝てた。
このまましばらく鑑賞してようかと思ったんだけど、我慢できなくてキスしちゃった」

蕩けるような顔で、開いた窓に手をかけ乗り出して、またキス。


photo:01


「ん・・・」

ぼーっとした頭で甘い唇を受け入れていて、はっと気づく。

「久家!ここ外!!」
ましてやクライアントの事務所のすぐ近く!

「いいじゃん、べつに」
しれっと言いながら、久家は車の右側にまわりこんで助手席に座った。
とたん、ぐいっと抱き寄せられる。

「こらっ、ダメだって・・!」
「だいじょーーぶ、ちゃんと街灯のない暗いとこに停めたし、裏道だから人も通らない。誰も見てないよ」
「でも・・・!ん・・っ!」

抗議も虚しく、頭の後ろに手をまわされがっちり固定される。
唇が重なり、舌が無理やり入り込んできて・・・ぼくはあっけなく恋人のくれる熱いキスに溺れた。

「ん・・・っ」

久家の右手が伸びてきて、開けっ放しになっていた運転席のパワーウインドを器用に閉める。

「誰も通らないけどさ、和実の色っぽい声、万が一にも他の誰かに聞かれたら俺、すっげえ妬くから。
窓閉めとこうな」

「あ・・・っ、んんっ」

密室となった車内に、キスの合間に漏れるぼくの恥ずかしい声と、ふたり分の荒い息が響いて・・・
なおさら気持ちが高ぶってしまう。

キスとともに、久家の指が耳に入り込んで優しく嬲ってくる。

(ヤバイ・・・)

このまま流されたらトンデモないことになる予感に、ぼくは必死で久家の背中をたたき、あらがった。

「やめろ・・・って、離せっ・・・、
やめないと・・・二度とお前の車に乗らないからな・・・っ!」

脅すようなセリフで、ようやく恋人の体が少し離れる。
その隙を逃さず、腕で思い切り久家を押しやった。

「ちぇーーっ」

ふてくされるように言って、助手席の背もたれに体を投げ出す恋人には構わず、
ぼくはなんとか呼吸を整えた。

「・・・和実」

呼ばれて右を向くと、久家が蕩けるような顔でぼくのほうを見ていた。

「和実の右の横顔って新鮮。なんかいいかも。今日はともかく、こんど、あんたが運転してよ」
「・・・こんな車、怖くて運転できない」
「誰かを助手席に乗せたことってないよな?やっりーー、またあんたの「初めて」をゲットできるぜ!」
「だから・・・!」
「あんたのことだから、生真面目にしっかり両手でハンドル握ってさ、
信号待ちでもまっすぐ前見てるあんたにちょっかいかけるのって、めっちゃ楽しそう♪」
「・・・」
「周りのやつらにバレないように、こっそりあんたのイイとこイジったりさ」
「・・・」
「感じちゃってるのに必死で平静を装ってるあんたって、想像するだけでめちゃくちゃカワイくてエロいよなぁ!」
「・・・」
「どうせなら、どっか遠くにドライブ行くってのもありだよな!
秋の北海道とか、あ、紅葉の綺麗な山奥とかもいいかも。誰もいないとこに車を停めて、開放的にカーセック・・」
「黙れ!」

調子に乗ってバカな妄想を繰り広げるバカな男の頭を思い切りひっぱたく。

「痛ってーーーっ」

「ほら、もう帰るぞ!」

頭を抱える恋人を無視して、ぼくはまた車の外に出て、助手席側にまわった。

「ったく、ほんと容赦ねぇなぁー。
和実だってけっこうキスに夢中になってたくせに」

助手席のドアを開け、ブツブツ言ってる恋人の右腕を掴んだ。
自然、久家の顔がこちらを向いて、ぼくを見上げるような形になる。

新鮮な角度の恋人の顔にそっと自分の顔を寄せて、官能的な唇に軽いキスを落とす。
びっくりしてる恋人を車から引きずり出すように引っ張って、今の自分の精一杯のことばを彼の耳にささやいた。

「続きは家で、だ。ほら帰るぞ」

久家が、速攻、運転席に戻り、家に直行したのは言うまでもない・・・。

+++

翌日。

「ところでさ、昨日、益永さんなんで運転席にいたの?」
不思議そうに久家に聞かれたけれど、ぼくは黙秘権を行使した。

- fin -


ちょっと尻切れトンボになっちゃいました(;´∀`)
着地点って難しいですね・・・。

こんだけダラダラ書いておいてなんですが、これって萌えるんでしょうか・・・。
自信ないわーーー_| ̄|○ il||li
二次創作って難しい!! <今更

ほんとは車の中で、もうちょい先まで進むのを想像(妄想)してたんですけど、
初めてだし、あめブロだし、こんなとこが精一杯かも。
ごめんなさいいいいーーー(/ω\)

益永さんの (ヤバイ・・・) を分岐点にしたもうちょいエロ多めverは、
気が向いたら、アメ限でアップしようかなと思います。
(↑懲りてないw)

最後まで読んでくださった方がいたら、ありがとうございました!&ごめんなさい!