彼からもし、離婚を切り出されたら?
もちろん混乱するし、パニックに陥ってしまうこともあるでしょう。
両親には相談できないし、お友達にもなかなか、、という時、第三者である私たちにご相談いただくことで、気持ちが落ち着いたり、冷静に考えることができる場合があります。
でも、離婚をテーマにしたカウンセリングってどんなことをしているのでしょうか?
離婚をテーマにしたカウンセリング
カウンセリングでは、ご相談者様の希望に沿いながら、お話を伺っていくことになります。
それを前提に、望まない離婚がテーマになる場合、まずは関係を修復していく前段階として、心と生活の基盤を整えることがファーストステップになります。
突然のことで心身ともにギリギリの状態に追い込まれて、睡眠不足や食欲不振、ストレスフルな状況にある方も少なくありません。長丁場になることが多い、離婚に関するカウンセリングは気力と体力の充実が何より大切です。
話すことでも気持ちは楽になるものですが、必要に応じて心理セラピーを行う場合もあります。
イメージセラピー、エンプティ・チェアワーク、ロールプレイなど、クライエントに合ったものを選んでご提供しますが、いずれも、表現することも辛すぎて呑み込んでしまった気持ちを表現することを目的としています。
また、経済的な不安がある場合は、生活の基盤を安定させることために、生活に掛かるコストを明確にするなどお金周りの整理をします。
次いで、何故彼は(彼女は)別れたいのか?
離婚をしたいと考える側の気持ちを知る、理解していくフェーズに移ります。
別れたい気持ちなんて考えたくもない、と思うかもしれませんが、【離婚】や【別れること】ではなく、そう考えるに至った【気持ち】の方にフォーカスをします。そうすることで、パートナーへの気持ちが変わるだけでなく、相手を責めることで追っていたクライエント自身の心の枷も少し軽くなる場合があります。
ただし、繰り返しになりますが、このフェーズに進むには、しっかり気持ちを整えて心の基盤が安定していることが必要です。
そして次のステップでは、いよいよ、夫婦関係に影を落とす、ふたりの隠れたテーマについて見つめていくことになります。
何がふたりの間で問題を作っているのか?
ここからは、何がご夫婦の間ですれ違っているのか?を見つめていきます。
コミュニケーションに関することなのか?あるいは、価値観のすれ違いなのか?「いや、問題は彼の浮気ですよ」と思われるかもしれませんが、確かにそれもひとつなのですが、それでも、【浮気】というカタチでなければ現れることができなかった、関係性の【もつれ】がどこにあるのか?を見つけていくことが、夫婦関係の修復には欠かすことができません。
顕在化した出来事は現実的な痛みとなって表れますが、その痛みに隠れた本質的なテーマは何か?
もしかしたらそれは、永年言葉にすることができなかった【価値観のズレ】や、呑み込んできた【不満】なのかもしれません。あるいは、深く知り合うことや親密な関係になることへの抵抗感や、ホンネで関わることへの怖れかもしれません。
結婚したのに、親密感への抵抗?と思われるかもしれませんが、ご夫婦であっても、心理的な距離感が遠いカップルは少なくありません。
セックスレスなど、身体的な距離が離れることが離婚の原因と捉えられがちですが、身体の距離の前に、心の距離が離れている(そもそも近づいていない)ケースが殆んどかもしれません。
その場合、身体の距離を縮める【レスの解消】【別居の解消】ことを主題にするより、心の距離を近づけることをテーマに置き換えるだけで、修復に近づくこともあります。
では、なぜ夫婦なのに心の距離が近くないのか?離れてしまうのか?
人間関係にトラブルが生まれる時、その原因となる関係性の原型は、私たちと両親との関係性にルーツがあることが少なくありません。
ここでは、それぞれがそれぞれの育った環境や両親との関係についてお伺いしていきます。
両親との関係性を紐解いていく
両親と関わり方と、夫婦関係に何の関係があるのか?
私たちは、人との関わり方の基本系を、両親との関係性、両親同志の関わり方を見ることで学びます。
高圧的で厳しい父親を持っている。過保護で心配症の母親である。そんな両親から受けた、影響をひも解きつつ、彼との間で不文律となっている関わり方のパターンを見つけ、必要であれば矯正していきます。
自分自身気がつかないまま繰り返されている、【関わり方のクセ】を見出すことは、夫婦の間で起こるトラブルのルーツを見直すことにつながっていきます。無意識のうちに取っている言動や態度も意識下に置くことで、管理することができるようになります。
気づいていない無意識の反射的な反応を知る、パートナーにとって違和感のある、あるいは不満と感じられるようなパターンを少しずつ変化させる。それができるようになれば、夫婦の間にある違和感やコミュニケーションの問題にも少し変化が生まれてきます。
相手を変えようとしない、というのは心を扱うときの鉄則ですが、夫婦関係は鏡の関係とも言われるように、あなたの言動が変われば、それは必ずパートナーにも影響を与えます。
パートナーが離婚したいと言い出したのだから、もちろん不安になったり悲しくなったり、気持ちはアンダーに入ります。
そんな時には、早くこの問題にケリをつけて楽になりたい、と思うものです。
また、別れたい側が離婚を急いでいる、というケースもあります。
けれど、結論を急ぐ必要は全くなくて、ふたりにとって、お互いの人生にとって、とても大きな選択決断になるものですから、気持ちの整理がつくまでしっかりと取り組んでいくことが大切です。
いずれのケースでも、離婚というテーマに潜んだご夫婦固有のテーマについて、心理的な側面から紐解いて、問題と感じられる価値観のすれ違いや考え方を対策を立てていきます。
以上が、ご夫婦の為の【離婚】をテーマとしたカウンセリングの進め方です。
まとめ
パートナーが別れたいと言い出した、なんてことは無いに越したことはありませんが、3組にひと組が離婚する日本です。いつか自分たちにも、訪れるかもしれない。と、万が一に備えておくことも必要なことかもしれません。
何より、離婚問題を特別なものと考え過ぎないことが大切ではないかと思っています。
どんな夫婦にも起こりうることであり、また、直面したとしても、修復することもできるテーマであり、そのためのサポートがある、ということを知っていただければと思います。
それは間違いなく、ショックな出来事ですが、決して乗り越えられない問題ではないのです。
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