君の隣 3
「このまま寝室で…いい?」
キスにキスでちゃんと返してくれるキョーコが愛しくて堪らなくて、そんなに性急に関係を深めるなと叫ぶ自分を感じながらも、口に出る言葉と行動は彼女を求めて止まらない。
夢じゃないと、告白は間違いだったと言われる前に彼女を繋ぎとめておきたいという気持ちがあるのも否定出来ない。
想いが通じ合った事が信じられないくらいなのだ。都合のいい気持ちが見せた夢なのかもしれない。
でも現実ならそれを実感したい。彼女を肌で感じて彼女の温もりに包まれて、彼女を自分のものにしたい。
そんな欲求がムクムクと膨れ上がった蓮は、彼女が頷くのを見て『優しくするからね。』と心の中で呟く。
恋愛に全く疎い彼女が意味を理解してるとは思えなかった。
きっと意味がわかっているならいきなり寝室ではなくお風呂に入りたがるだろう。
そっとキョーコを自身のベッドに横たえて、一緒に布団に潜り込む。
キョーコが安心したようにふわっと笑うのを見て、蓮は、溢れ出す想いを必死で抑えながらもうすでに麻薬のようにクセになってしまった唇に口付ける。
『優しく…優しく…』
自身の中で繰り返し繰り返しいう言葉。
心臓はあり得ない程ドクドクドクドクなっている。
こんなに緊張したことがかつてあっただろうか?
始めて役者としてカメラの前に立った時と似ているかもしれない。
そう思ってキスをしていたら不意に違和感に襲われた。
先程までキスを返してくれていたキョーコの動きが全くなくなっていたのだ。
不思議に思いながら唇を離して顔を覗き込むと、幸せいっぱいという笑みを浮かべてすぅすぅと気持ち良さそうに寝息を立てるキョーコがいた。
蓮は、それを見た瞬間無表情で固まり、その後一気にガクゥと脱力感に見舞われた。
「嘘…だろ?」
情けなく呟いた声は広い寝室には行き渡らずベッドの隅に落ちた。
「はぁぁぁー…」
蓮は、キョーコの隣にゴロンと横になって頭を抱えた。
出るのは深いため息と後悔。
もしかしたら、先にお風呂に入っていたなら少し目が覚めていたかもしれないのに…性急に急ぎ過ぎた結果、こんなことになるとは…。
「いや、でも普通思わないだろ?これからって時に眠るなんて…」
ブツブツブツブツ言いながら広いベッドの上を枕を抱き締めてゴロゴロと転がる。
ーーーでもまぁ、これが彼女なんだな…。
キョーコに背を向けた体制で、ふと蓮にはそんな気持ちが湧き上がった。
そっとキョーコの天使の様な可愛らしい寝顔を覗き込む。
ーーー穢れを知らなくて、無垢で天真爛漫で…。彼女らしいといえば、彼女らしいか…。
そう思いながら苦笑した蓮は、キョーコの寝顔を見つめて彼女との関係を性急に進めなくて良かったと暖かい気持ちになれた。
「好きだよ。キョーコ…ずっとずっと俺のそばに居てね?」
そう言ってそっとキスを送って、いそいそとキョーコを抱き締めて蓮は、漸く目を閉じたのだった。
ーーー眠れない…。
蓮は悶々としてしまった。安心したように眠るキョーコの寝息と温もりを意識し過ぎて眠れない。
そこで蓮は先程のカラオケのことを思い出した。
キョーコの生足の上で気持ち良さそうに眠る男…。
蓮は思い出してムカムカしてきた。
膝に倒れてきた瞬間真っ赤になって狼狽えた彼女の表情を思い出す。
ーーー俺だってまだ堪能出来てない彼女の生肌をあの男…。
キョーコの中でのあの男の感触を塗り替えたくて堪らなくなってきた。
寝ているキョーコの太ももに手を伸ばす。
ーーー気持ちがいいんだろうな…彼女の生膝枕…。
そう思った蓮は吸い寄せられるように布団の中に潜り込んだ。
目指すは彼女の膝枕。
蓮は少し冷たくて柔らかい太ももに頬を載せて抱きしめる。両足にちゅっちゅっと口付けて目を閉じた。
すると先程まで全く眠れなかったのが嘘の様に心地のいい夢の世界へと飛びたてたのだった。
そして翌朝…
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
真っ赤になった彼女の声が寝室に鳴り響く。
「ん…。」
蓮はまだ少し寝足りないのか、キョーコの足に抱き付いたまま、すよすよと寝息を立てていた。
「つ、敦賀さん?!な、なんで?!私…一体…」
キョーコは蓮が足に巻きついていることに狼狽えて必死で記憶の糸を辿った。
そして漸く、お互いに想いが通じ合って、キスをしてしまったことまで思い出した。
キョーコはボボボボボッと沸騰湯沸かし器のごとく頭から湯気を出しそうな程赤くなった。
「わ、私っ…!!つ、敦賀さんと…!!」
ーーー夢じゃ…なかったんだわっ!!
キョーコはドキドキと胸を打ち鳴らしながら蓮を見つめた。
足を抱きかかえられているため、座ることまでしか出来ないキョーコは座ったまま、そっと蓮の髪を撫でた。
サラサラとした蓮の髪を梳きながら、愛おしさが溢れてくる。
優しい気持ちが胸の中に広がる。
暫く撫でていると、漸く蓮が目覚めた。
「ん…。キョーコ…起きたの?」
寝起きの掠れた声にドキドキしながら、キョーコは答える。
「は、はい!おはようございます。」
「ん…。おはよう…。」
そう言って、蓮はちゅっとキョーコの太ももに音を立てて口付けた。
「なっ!!何するんですかぁぁ~?!」
キョーコの真っ赤になって狼狽える姿をみて、気を良くした蓮は、反対側の太ももにも今度はキスとともに強く吸い付いてあとを残した。
「きゃっ!!つ、敦賀さん?!」
そうして体制を起こした蓮はそのままキョーコの顔にズイッと顔を寄せると、キョーコは突然のことに驚いたのか身を引いてベッドに倒れこむ。
そんなキョーコを追って、身体に覆いかぶさった蓮は、優しくキョーコに唇を合わせた。
ちゅっと離すと、キョーコの顔が真っ赤で、潤んだ瞳で蓮を見上げた。
その姿に蓮は、笑ってキョーコの頬を撫でる。
「そんな顔して見られたら…襲っちゃうよ?」
「お、おそっ…?!?!」
言われた言葉にビックリしたキョーコに再び口付けた蓮は、キョーコの両手それぞれに自分の手を重ね合わせて指を絡ませ握り締めた。
キョーコもそれに答えるようにそっと握り返してきたのでキスを徐々に深める。
キョーコの息が上がってきたところで唇を開放した蓮は、その唇をキョーコの首筋に這わせた。
「あ…ん…」
甘い声がキョーコから漏れる。
蓮は、ちゅっちゅっとキョーコの肌を堪能すると、キョーコを強く抱き締めて、最後に唇にキスを送った。
顔を離した蓮が優しい目でキョーコを見つめる。
「簡単に男のベッドに入ったらダメだよ?」
「え?」
「何をされるかわからないんだから。何をされてもいいと思わないうちは、誘われても寝室に入らないようにね?」
何も知らないキョーコの為に忠告をする。
これが自分だったから良かったものの、他の男の寝室だったらと思うと考えたくもない。
「何をされてもいい。どうなってもいいと思わないうちは入ったらダメだからね?」
ーーだから、何をされてもいいと覚悟が出来た時は入っておいで…。
蓮は、優しくキョーコに口付けてその顔をキョーコの胸に埋めた。
「つ、敦賀さん?!」
それだけで抗議の声が漏れるキョーコにクスッと苦笑を漏らして、蓮はキョーコの胸の膨らみに服の上からキスを送った。
「今日は初回限定で、これで勘弁してあげるよ。」
イタズラっぽく笑った蓮に口をパクパクさせたキョーコの顔はずっと朱いままだ。
「ほら、お風呂入っておいで?昨日は入れてないだろう?」
話を変えてお風呂に促すと、何か物申したそうに視線で訴えてくるキョーコがいた。
それに気付いた蓮は、首をかしげた。
「ん?どうしたの?…あ、一緒に入りたい?」
そうイタズラっぽく聞いた蓮に、キョーコは真っ赤になると、転がるようにベッドから飛び出した。
「ち、違いますっ!!もうっ!!お風呂頂きます!!!!」
バタンとしまったドアに、蓮は、ふぅーーー。と大きく息を吐く。
「危ない危ない。もう少しで抑えが利かなくなるとこだった。」
後ろからベッドに倒れこむと、ふわっと香る彼女の香り。
それだけで身体に熱が灯るのを蓮は、息を吐くことで抑える。
目が覚めてもキョーコがそばに居たこと、キスをしても嫌がらなかったことを思い出して、蓮はそっとキョーコとキスをした唇を指で辿った。
ーーー彼女が俺自身を望むまでは、寝室はしばらくお預け…かな?
自分で自分の首を締めてることは百も承知だが、キョーコの為ならばそのくらいどうってことない。
これからはキョーコの隣は誰にも渡さないと心に誓って、蓮は、キョーコの温もりと香りが残るベッドでまた少し眠りにつくのだった。
ーーー 一方、寝室から出たキョーコは…。
シャワーを浴びながらそっと溜息を吐いた。
『貴方になら…何をされてもいいと思ってます。』
本当はそう言いたかったが、言葉にするのは恥ずかし過ぎて、言葉になんて出来なかった。
鏡に映る自分の貧相な身体をみつめると、蓮が残した太ももに残したキスマークが目に入った。
光への膝枕に静かに怒っていた蓮の姿…。恥ずかしがって照れている蓮の姿。優しいキスに少し乱暴なキスも…全てを思い出すと蓮の想いの深さを感じて頬が赤くなる。
ーーー人を好きになるってこんな素敵なことだったんだわ。
好きと言ってくれた蓮の為にも、隣を歩くのに相応しい女の子になりたい。
そう強く思ったキョーコはシャワーのコルクを閉じると、清々しい気持ちで蓮の寝室のドアを叩いた。
中から返ってきた返事にキョーコは呼びかける。
「お風呂、ありがとうございました。朝食用意しますね。」
「うん。ありがとう。」
ギシッとベッドから起き上がる音を聞いて、キョーコはドキドキしながらそっと扉から離れた。
ーーー待ってて下さいね。敦賀さん…今度ちゃんと心の準備をしておきますから。
キョーコは初めて出来た恋人の為に、そっと冷蔵庫を開けたのだった。
END
☆気に入ったら拍手お願いします♪
*****
おねだり上手な魔人様!!
まさかコメントで『足に抱きつきw・・・・魔人意味わかんない!だから、続きが読みたいプリーズw(爆)』なんて言われるなんて…Σ(゚д゚lll)
おねだり上手過ぎますっ!!魔人様っ!!書かないわけいかなくなったじゃないですかぁ!!(このお話を拍手お礼にさせて頂きます)
そして翠蓮さんからも、『ラブ×2な二人の明日は・・・さあ、どっちに軍配が上がるっ!?(それとな~く、要求w)』なんてコメを頂き…!!
のせられると弱い風月をよく知ってらっしゃる(笑)
でもこれ、軍杯はどっちに上がったことになってるのかな??
引き分け…ですかね??
今回は何となくイメージあっても書くつもりはなかったんですが、お二人からのコメントに後押しされて書いちゃいました(笑)
馬鹿でしょー?もう本当に馬鹿ですね(笑)
フリー作品を一体何話にするつもり?!(笑)
一応これもフリーですが、めんどくさい方はもって帰らなくていいですからね~♪
気に入った方だけどうぞっ!!
あ、でも続きを要求してきた魔人さんと翠蓮さんには少なくとも、持って帰ってもらわないと(笑)
気に入らなくても押し付けちゃいますからぁ~(笑)
今多分のりにのってたからか、このお話二時間で一気に書き上げました(笑)
ま、短いですけどね?
変なとこあったらごめんなさい~!
ではではまたお会いしましょう♪
「このまま寝室で…いい?」
キスにキスでちゃんと返してくれるキョーコが愛しくて堪らなくて、そんなに性急に関係を深めるなと叫ぶ自分を感じながらも、口に出る言葉と行動は彼女を求めて止まらない。
夢じゃないと、告白は間違いだったと言われる前に彼女を繋ぎとめておきたいという気持ちがあるのも否定出来ない。
想いが通じ合った事が信じられないくらいなのだ。都合のいい気持ちが見せた夢なのかもしれない。
でも現実ならそれを実感したい。彼女を肌で感じて彼女の温もりに包まれて、彼女を自分のものにしたい。
そんな欲求がムクムクと膨れ上がった蓮は、彼女が頷くのを見て『優しくするからね。』と心の中で呟く。
恋愛に全く疎い彼女が意味を理解してるとは思えなかった。
きっと意味がわかっているならいきなり寝室ではなくお風呂に入りたがるだろう。
そっとキョーコを自身のベッドに横たえて、一緒に布団に潜り込む。
キョーコが安心したようにふわっと笑うのを見て、蓮は、溢れ出す想いを必死で抑えながらもうすでに麻薬のようにクセになってしまった唇に口付ける。
『優しく…優しく…』
自身の中で繰り返し繰り返しいう言葉。
心臓はあり得ない程ドクドクドクドクなっている。
こんなに緊張したことがかつてあっただろうか?
始めて役者としてカメラの前に立った時と似ているかもしれない。
そう思ってキスをしていたら不意に違和感に襲われた。
先程までキスを返してくれていたキョーコの動きが全くなくなっていたのだ。
不思議に思いながら唇を離して顔を覗き込むと、幸せいっぱいという笑みを浮かべてすぅすぅと気持ち良さそうに寝息を立てるキョーコがいた。
蓮は、それを見た瞬間無表情で固まり、その後一気にガクゥと脱力感に見舞われた。
「嘘…だろ?」
情けなく呟いた声は広い寝室には行き渡らずベッドの隅に落ちた。
「はぁぁぁー…」
蓮は、キョーコの隣にゴロンと横になって頭を抱えた。
出るのは深いため息と後悔。
もしかしたら、先にお風呂に入っていたなら少し目が覚めていたかもしれないのに…性急に急ぎ過ぎた結果、こんなことになるとは…。
「いや、でも普通思わないだろ?これからって時に眠るなんて…」
ブツブツブツブツ言いながら広いベッドの上を枕を抱き締めてゴロゴロと転がる。
ーーーでもまぁ、これが彼女なんだな…。
キョーコに背を向けた体制で、ふと蓮にはそんな気持ちが湧き上がった。
そっとキョーコの天使の様な可愛らしい寝顔を覗き込む。
ーーー穢れを知らなくて、無垢で天真爛漫で…。彼女らしいといえば、彼女らしいか…。
そう思いながら苦笑した蓮は、キョーコの寝顔を見つめて彼女との関係を性急に進めなくて良かったと暖かい気持ちになれた。
「好きだよ。キョーコ…ずっとずっと俺のそばに居てね?」
そう言ってそっとキスを送って、いそいそとキョーコを抱き締めて蓮は、漸く目を閉じたのだった。
ーーー眠れない…。
蓮は悶々としてしまった。安心したように眠るキョーコの寝息と温もりを意識し過ぎて眠れない。
そこで蓮は先程のカラオケのことを思い出した。
キョーコの生足の上で気持ち良さそうに眠る男…。
蓮は思い出してムカムカしてきた。
膝に倒れてきた瞬間真っ赤になって狼狽えた彼女の表情を思い出す。
ーーー俺だってまだ堪能出来てない彼女の生肌をあの男…。
キョーコの中でのあの男の感触を塗り替えたくて堪らなくなってきた。
寝ているキョーコの太ももに手を伸ばす。
ーーー気持ちがいいんだろうな…彼女の生膝枕…。
そう思った蓮は吸い寄せられるように布団の中に潜り込んだ。
目指すは彼女の膝枕。
蓮は少し冷たくて柔らかい太ももに頬を載せて抱きしめる。両足にちゅっちゅっと口付けて目を閉じた。
すると先程まで全く眠れなかったのが嘘の様に心地のいい夢の世界へと飛びたてたのだった。
そして翌朝…
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
真っ赤になった彼女の声が寝室に鳴り響く。
「ん…。」
蓮はまだ少し寝足りないのか、キョーコの足に抱き付いたまま、すよすよと寝息を立てていた。
「つ、敦賀さん?!な、なんで?!私…一体…」
キョーコは蓮が足に巻きついていることに狼狽えて必死で記憶の糸を辿った。
そして漸く、お互いに想いが通じ合って、キスをしてしまったことまで思い出した。
キョーコはボボボボボッと沸騰湯沸かし器のごとく頭から湯気を出しそうな程赤くなった。
「わ、私っ…!!つ、敦賀さんと…!!」
ーーー夢じゃ…なかったんだわっ!!
キョーコはドキドキと胸を打ち鳴らしながら蓮を見つめた。
足を抱きかかえられているため、座ることまでしか出来ないキョーコは座ったまま、そっと蓮の髪を撫でた。
サラサラとした蓮の髪を梳きながら、愛おしさが溢れてくる。
優しい気持ちが胸の中に広がる。
暫く撫でていると、漸く蓮が目覚めた。
「ん…。キョーコ…起きたの?」
寝起きの掠れた声にドキドキしながら、キョーコは答える。
「は、はい!おはようございます。」
「ん…。おはよう…。」
そう言って、蓮はちゅっとキョーコの太ももに音を立てて口付けた。
「なっ!!何するんですかぁぁ~?!」
キョーコの真っ赤になって狼狽える姿をみて、気を良くした蓮は、反対側の太ももにも今度はキスとともに強く吸い付いてあとを残した。
「きゃっ!!つ、敦賀さん?!」
そうして体制を起こした蓮はそのままキョーコの顔にズイッと顔を寄せると、キョーコは突然のことに驚いたのか身を引いてベッドに倒れこむ。
そんなキョーコを追って、身体に覆いかぶさった蓮は、優しくキョーコに唇を合わせた。
ちゅっと離すと、キョーコの顔が真っ赤で、潤んだ瞳で蓮を見上げた。
その姿に蓮は、笑ってキョーコの頬を撫でる。
「そんな顔して見られたら…襲っちゃうよ?」
「お、おそっ…?!?!」
言われた言葉にビックリしたキョーコに再び口付けた蓮は、キョーコの両手それぞれに自分の手を重ね合わせて指を絡ませ握り締めた。
キョーコもそれに答えるようにそっと握り返してきたのでキスを徐々に深める。
キョーコの息が上がってきたところで唇を開放した蓮は、その唇をキョーコの首筋に這わせた。
「あ…ん…」
甘い声がキョーコから漏れる。
蓮は、ちゅっちゅっとキョーコの肌を堪能すると、キョーコを強く抱き締めて、最後に唇にキスを送った。
顔を離した蓮が優しい目でキョーコを見つめる。
「簡単に男のベッドに入ったらダメだよ?」
「え?」
「何をされるかわからないんだから。何をされてもいいと思わないうちは、誘われても寝室に入らないようにね?」
何も知らないキョーコの為に忠告をする。
これが自分だったから良かったものの、他の男の寝室だったらと思うと考えたくもない。
「何をされてもいい。どうなってもいいと思わないうちは入ったらダメだからね?」
ーーだから、何をされてもいいと覚悟が出来た時は入っておいで…。
蓮は、優しくキョーコに口付けてその顔をキョーコの胸に埋めた。
「つ、敦賀さん?!」
それだけで抗議の声が漏れるキョーコにクスッと苦笑を漏らして、蓮はキョーコの胸の膨らみに服の上からキスを送った。
「今日は初回限定で、これで勘弁してあげるよ。」
イタズラっぽく笑った蓮に口をパクパクさせたキョーコの顔はずっと朱いままだ。
「ほら、お風呂入っておいで?昨日は入れてないだろう?」
話を変えてお風呂に促すと、何か物申したそうに視線で訴えてくるキョーコがいた。
それに気付いた蓮は、首をかしげた。
「ん?どうしたの?…あ、一緒に入りたい?」
そうイタズラっぽく聞いた蓮に、キョーコは真っ赤になると、転がるようにベッドから飛び出した。
「ち、違いますっ!!もうっ!!お風呂頂きます!!!!」
バタンとしまったドアに、蓮は、ふぅーーー。と大きく息を吐く。
「危ない危ない。もう少しで抑えが利かなくなるとこだった。」
後ろからベッドに倒れこむと、ふわっと香る彼女の香り。
それだけで身体に熱が灯るのを蓮は、息を吐くことで抑える。
目が覚めてもキョーコがそばに居たこと、キスをしても嫌がらなかったことを思い出して、蓮はそっとキョーコとキスをした唇を指で辿った。
ーーー彼女が俺自身を望むまでは、寝室はしばらくお預け…かな?
自分で自分の首を締めてることは百も承知だが、キョーコの為ならばそのくらいどうってことない。
これからはキョーコの隣は誰にも渡さないと心に誓って、蓮は、キョーコの温もりと香りが残るベッドでまた少し眠りにつくのだった。
ーーー 一方、寝室から出たキョーコは…。
シャワーを浴びながらそっと溜息を吐いた。
『貴方になら…何をされてもいいと思ってます。』
本当はそう言いたかったが、言葉にするのは恥ずかし過ぎて、言葉になんて出来なかった。
鏡に映る自分の貧相な身体をみつめると、蓮が残した太ももに残したキスマークが目に入った。
光への膝枕に静かに怒っていた蓮の姿…。恥ずかしがって照れている蓮の姿。優しいキスに少し乱暴なキスも…全てを思い出すと蓮の想いの深さを感じて頬が赤くなる。
ーーー人を好きになるってこんな素敵なことだったんだわ。
好きと言ってくれた蓮の為にも、隣を歩くのに相応しい女の子になりたい。
そう強く思ったキョーコはシャワーのコルクを閉じると、清々しい気持ちで蓮の寝室のドアを叩いた。
中から返ってきた返事にキョーコは呼びかける。
「お風呂、ありがとうございました。朝食用意しますね。」
「うん。ありがとう。」
ギシッとベッドから起き上がる音を聞いて、キョーコはドキドキしながらそっと扉から離れた。
ーーー待ってて下さいね。敦賀さん…今度ちゃんと心の準備をしておきますから。
キョーコは初めて出来た恋人の為に、そっと冷蔵庫を開けたのだった。
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おねだり上手な魔人様!!
まさかコメントで『足に抱きつきw・・・・魔人意味わかんない!だから、続きが読みたいプリーズw(爆)』なんて言われるなんて…Σ(゚д゚lll)
おねだり上手過ぎますっ!!魔人様っ!!書かないわけいかなくなったじゃないですかぁ!!(このお話を拍手お礼にさせて頂きます)
そして翠蓮さんからも、『ラブ×2な二人の明日は・・・さあ、どっちに軍配が上がるっ!?(それとな~く、要求w)』なんてコメを頂き…!!
のせられると弱い風月をよく知ってらっしゃる(笑)
でもこれ、軍杯はどっちに上がったことになってるのかな??
引き分け…ですかね??
今回は何となくイメージあっても書くつもりはなかったんですが、お二人からのコメントに後押しされて書いちゃいました(笑)
馬鹿でしょー?もう本当に馬鹿ですね(笑)
フリー作品を一体何話にするつもり?!(笑)
一応これもフリーですが、めんどくさい方はもって帰らなくていいですからね~♪
気に入った方だけどうぞっ!!
あ、でも続きを要求してきた魔人さんと翠蓮さんには少なくとも、持って帰ってもらわないと(笑)
気に入らなくても押し付けちゃいますからぁ~(笑)
今多分のりにのってたからか、このお話二時間で一気に書き上げました(笑)
ま、短いですけどね?
変なとこあったらごめんなさい~!
ではではまたお会いしましょう♪