さて、やっと書けた部分をUPしますね~☆

今回もまだ蓮様好きな方はもっと続きの話が出てから読むことをオススメ致します。

とにかく早く終わらせることが出来るよう頑張ります~☆


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不安な夜 15


ーーピロロロロピロロロロ

「はい。もしもし?」

「あ、京子ちゃん!元気~?」

「き、貴島さんっ!」

その日の夜、キョーコが部屋に備え付けられたお風呂から上がると携帯が突然鳴り始めた。
相手の名前も確認せぬまま慌てて出た為貴島の声に驚いた。
知らなかったとはいえ、熱愛報道されていた相手からの電話に妙な緊張が走った。
対する貴島はなんとも思ってないらしく、明るい声が受話器から漏れ聞こえる。

「あれ?また貴島さんなの?」

からかうような口調で言われ、キョーコは一瞬首を傾げた。

「え?あっ、えっと、秀人さん…?」

電話で名前を呼ぶと何だか妙に気恥ずかしくてキョーコの頬がほんのりと朱に染まった。

「うん。そうだよん。」

「…どうかされたんですか?」

「いやー。キョーコちゃんのことが心配で…大丈夫だったかな?って思ってさ。事務所の人から怒られたりしなかった?」

「はい。少し怒られましたが、こちらは大丈夫ですよ?」

何だか妙にそわそわしてしまうのは居た堪れないからだろう。
あまり長電話もしたくなくて、誰もいないことがわかっているのに、誰からか見られていないか周囲を気にしてしまう。

「そっか…じゃあ大丈夫じゃないのは敦賀君だけか…。」

「へ?!」

「ん?え?あれ?聞いてなかった?」

突然出てきた蓮の名前に、キョーコの耳はダンボになる。少しも情報を漏らすまいと耳に受話器を押し付け、声を抑えていたことも忘れて、キョーコは貴島を問いただすように、勢いよくまくし立てる。
昼間のことがずっと引っかかっていて、蓮の様子が少しでも知りたかったのだ。

「聞いてません!!貴島さん!!敦賀さんがどうかされたんですか?!」

「え?あ、いや、よくわからないんだけど、突然敦賀君が今次々と入ってた仕事降りてるみたいだからさ…」

「え…?!」

「今テレビで言ってたし、ほら、昼間のことがあるだろ?だから京子ちゃんも何か事務所からの処分がなかったか心配にーーー」

キョーコは慌ててテレビを付けた。
ニュースでそれらしいのが見つからず焦ってると、貴島がそれに気付いたのか、チャンネルを教えてくれた。

それは今日蓮が生出演で出るはずだった番組で、蓮の話題で持ちきりになっていた。

キョーコはその内容を聞いて、青褪めると、貴島に繋がったままの携帯を床に取り落としてしまうのだった。




その頃、コンタクトも外し本来の姿に戻った蓮は、片膝を立ててウィスキーのボトルを開けると、グラスに注ぎ喉を鳴らして飲んでいた。
意味もなく付けたテレビで本日出演するはずだった番組が流れている。

再起不能だなんだと、自分のことを好き勝手なことをいって囃し立てる芸人達の言葉をどこか他人事のように感じながらグラスを傾けていた。


キョーコと貴島のことを考えると相変わらず胸が苦しいぐらいに締め付けられる。
名前で自然に呼び合えるほど親密な関係になった二人の間には到底立ち入れないような気にさえなっていた。

わざと喉の音を鳴らして飲むのは気を紛らわす為だ。

こんな風にキョーコに想いも伝えぬまま、恋に敗れるとは想像もしていなかった。

キョーコが幸せならそれでいいと…納得することがどうしても出来ない。
周りから馬鹿だなんだと罵られたとしても、どんな手段をとってでもキョーコを貴島から奪い取りたいという凶暴な気持ちにさえなってくる。

ーーーあの子に牙を剥くことだけはダメだ。

そう思うのに…頭の中に浮かぶ情景はどれもこれもキョーコの傷付いた顔ばかりで…。

ーーーそんな顔が見たいわけじゃないんだ…おれは、俺は…っ!!

持て余した憤りを誤魔化すように、蓮はグラスの中のアルコールを一気に飲み干すことを繰り返すのだった。


(続く)


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ううぅ~!!辛い想いさせちゃってごめんなさい蓮様~!!
…なんて、書きながら思っちゃってます。