コメントやメッセージ、ピグにて沢山のご意見ありがとうございました!!

皆さん暖かい方ばかりでジーンとしてしまいました( *´艸`)
そんな皆さんに楽しんでいただけるよう、今後も精進していきます☆

いやもう、読み直せば読み直すほど、何故あそこで選択授業をいれてしまったのか本当に謎で、流れ的には体育祭だったでしょー?!と思わずにはおられず…。

そして体育祭からがメインと言っても良いほどなのに、あのまま進めていたら考えていたメインストーリーがずれてしまうとこだったんです。

皆さんのご意見を伺えて本当に良かったです♪

ありがとうございました!!

ということで、皆さんの『舞ってます』コールに報いる為に、早速改定版UPさせていただきます♪

このお話はキョーコちゃん、蓮様、松太郎が同学年の学園パラレルです。
苦手な方はお引き返しください。

パラレルどーんとこい!な方、どうぞお楽しみくださいませ♪

※いつものことですが、出てくる京都弁はなんちゃって京都弁です。雰囲気で読んで頂けたら嬉しいです。


*****


恋の季節は 24(改)
ーーー体育祭日和となるでしょう


晴れ渡る青空。白い雲。春の柔らかな陽射しの日曜日。

「今日は敦賀のヤローより目立ってやるぜ!!」

いつもはまだ松太郎は布団の中にいるはずの時間帯に、体育祭が余程楽しみなのかウキウキと支度を済ませ朝食の席で上機嫌にそんなことを宣っていた。
キョーコはその言葉を聞いて、そっとため息を零す。
『頑張ってね!ショーちゃん!ショーちゃんなら敦賀蓮に勝てるよ!!』
入学したての頃ならそう笑顔で言っていただろうが、今はそんなことは口が裂けても言えない。
むしろ、そんなことを口に出して言う松太郎はその時点で負けているように思えてならない。

「堪忍な~キョーコちゃん、今日は大事なお客様が来るさかい、応援にいけへんのよ。くれぐれも松太郎のことよろしく頼むな。あと、これ!お弁当。二人分一緒に詰めてるから、一緒に食べてな。今日は体育祭やから、クラス関係なく一緒に食べれるやろ?」

「…はい。女将さん、ありがとうございます。」

松太郎とキョーコの二人分の昼食が詰められたお弁当箱を複雑な想いで受け取る。
どのみち、こんなに人が多い体育祭では蓮や奏江、社と昼食を囲むのは難しいだろう。
それが頭ではわかっていても、寂しさを感じてしまうのだ。
そして何より、皆の前で松太郎と二人でお弁当を突つく姿を見られたくないという気持ちもあった。


複雑な想いでお弁当箱に視線を落としていると、後ろから頭を軽く叩かれた。

「おら、キョーコ!とろとろすんな!行くぞ。」

「…うん。」

「松太郎、忘れ物ないやろうな。」

「ねーよ!」

「二人とも頑張るんやで!でも怪我はせんようにな!」

「はい。では、女将さん行って参ります。」

女将を振り返って丁寧に頭を下げ挨拶をするキョーコとは対象的に、松太郎はへいへいと言いながら振り返りもせずサクサクと歩き始める。

女将の姿が見えなくなった頃を見計らって、松太郎が鞄を差し出して来た。

「…なに?」

「何?っじゃねーよ!一緒に行ってやってんだから鞄くらい持てよ!気が利かねぇ奴だな。」

「…何で私がショーちゃんの鞄を持たなきゃなんないの?」

「は?んだよ。キョーコの癖に…お前最近生意気じゃね?」

「別に一緒に行って欲しいなんて頼んでないじゃない。」

キョーコの言葉に松太郎が眉間に皺を寄せ口を開きかけた時、小さな衝撃と耳を劈く黄色い声が松太郎を襲った。

「ショーちゃぁぁぁん!!おっはよ~会いたかったよぉぉ!!」

「ぐあっ!ポチり!!」

松太郎の腰に手を回しギュウっと抱きついて来るクラスメイトの美森を抱きとめ、文句を言う。

「お前、朝から騒がし過ぎんだよ。ったく。」

「だってぇ会いたかったんだもーん!」

「はいはい。わかったからくっ付くな。歩き辛ぇんだよ。」

「ねえねぇ一緒に学校行ってもいい!」

ぴょんぴょん飛び跳ねて付きまとう美森を面倒くさそうに従えて学校へと向かう。

その後も次々と…主に女性から声を掛けられ取り囲まれる松太郎を見て、キョーコは心底不思議に思っていた。

ーーーショーちゃんのどこがそんなに良いのかしら…?

物心ついた時から数週間前まではキョーコの世界の中心は松太郎だけだった。
だけど、高校生になって初めてクラスが別れて、蓮と出会って…キョーコの中で松太郎の存在はちっぽけなものになっていたのだ。

ピタリと立ち止まり集団を離れて眺める。
女生徒に囲まれてご満悦な松太郎はこちらを見向きもしない。

数週間前までは眩しかったその場所が今では何の価値もない場所に思えてならない。

今となっては何故あの場所に憧れを抱いていたのかさえわからなかった。

そうして、その集団がいる一つ先の角から一人の黒髪の女性が現れ、学校へ向かっていた。

キョーコはその後ろ姿を認めた瞬間、目を見開き、満面の笑顔で駆け寄る。

「モーーーっ子さぁぁぁぁ~ん!!」

キョーコは、一緒に学校に向かっていたはずの松太郎の存在をコロリと忘れて、その後ろ姿に突撃するように抱き着いた。

「きゃあ!!もー!!なんなのよ!朝っぱらから!!うっとおしい子ね!!」

「おはよう!モー子さん、今日の体育祭頑張ろうね!!」

「あー。はいはい。おはよう。頑張るから離れなさいよ。」

えへへ。と嬉しそうに笑うキョーコは、奏江と共に歩き出した。

「へぇ、アイツにもやっとまともな女友達が出来たのか…。」

その楽しそうな後ろ姿を見て、松太郎はポツリと呟き目を細めたのだった。



午前中のラジオ体操に始まり、様々な競技を演目通りこなして行く。
正午に差し掛かる頃には、皆額や背中、脇にビッショリと汗をかいていた。

お昼は一時休戦だ。
生徒たちは友達や家族と輪を作り砂まみれの体操服姿で昼食を囲む。

ワイワイと興奮気味に今までの成果を語りあい盛り上がっている生徒たちを掻き分けて、キョーコは松太郎の姿を探していた。

きっとトロトロしていたら、文句を言われるに違いない。


キョーコが松太郎の姿を探しているとすぐそばで蓮を呼ぶ声が聞こえてきた。
反射的にその姿をキョーコは探してしまっていた。

「あ!敦賀くーん!!こっちで一緒に食べようよ~。」

「え?あ…俺…は…。」

割と近くにいた蓮の姿はすぐに見つけられた。
女の子に腕を取られて言い淀む蓮とバチリと目が合ったキョーコは、蓮の腕を抱き込むクラスメートの姿を見て、胸が苦しくなりすぐに顔を逸らした。

蓮とはもう別れたのだ。
自分から終わらせた関係なのだから、蓮が他の誰と食べようと自分には関係ないと自分に向かって言い聞かせた。
それでも胸の奥にチクチクと棘が刺さる気分は収まらず気付いた時にはその場から逃げるように駆け出していた。

じわりとキョーコの目に涙が滲み、すぐに首を振ると腕で涙をぬぐった。

そんな場合じゃないと、松太郎を探すことに意識を無理矢理向ける。
すると、明るい笑い声が聞こえてきてそちらに目を向けると松太郎はすぐに見つかった。
笑い声を上げていたのはどうやら中学時代からの松太郎の取り巻きの一人で、松太郎は既にクラスの女子に囲まれており、お昼を満喫していた。

その姿を見て安堵と共に、何故か取り残されたようなそんな気分になる。
トボトボと人気のない場所へと向かっていたキョーコは、蓮のことに思いを馳せながらぼーっと歩いていた。

今頃、松太郎のように女の子たちに囲まれて昼食を楽しんでいるのだろうか…二人分詰められたお弁当箱が重く感じる。

キョーコがため息をつきかけたその時、蓮の声が背後から鋭く響いた。

「最上さんっ!!!!!!」

必死な形相でこちらに走ってくる蓮を見て、訳がわからずキョーコは目を見開く。あっという間に蓮に体当たりされるように抱き締められた。
その勢いで二人で地面に転がる。
地面にぶつかる直前に蓮が体制を入れ替えたことで、キョーコは蓮の上に乗っかる様な形で、地面に突っ込んだ。

「っくっ!!」

ーーズザザザザザ
ーーガシャン

間一髪、先ほどキョーコが立っていた位置に植木鉢が落ちてきて粉々になっていたのだった。


(続く)


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ようやっと書きたい展開に戻ってこれました!!
一安心。

既にUPしてある『恋の季節は 24~27』につきましては、読み比べたいという意見も頂いた為、明後日までは引っ込めずに残しておく予定です。
引っ込めた後は、メインストーリーに盛り込めそうであれば、編集後UP予定です。

こちらの展開の方が気に入った!と言っていただけるよう頑張ります♪

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