書き終えたらUP!!という風月の気まぐれ更新。
全く更新もない日もあれば、今日みたいに二回更新する日もあったり?
不定期更新過ぎて申し訳ないです。
毎日決まった時間に更新出来ればいいんですけど、中々そんな風にコントロールできない自分が残念でなりません。
見に来て頂いてるみなさんに申し訳ないなぁと思いつつ、でもやっぱり出来たから更新!!
お楽しみいただけたら幸いですー!!
*****
My HOME-14-
「ただいま。」
蓮の帰宅を知らせる声にキョーコはハッとして慌てて玄関へ向かった。
「あ、敦賀さん、お、おかえりなさい!あの…っ」
キョーコを瞳に写した途端、蓮の顔が甘く溶けて思わずキョーコは言葉を失って口を意味もなくパクパクさせてしまった。
恥ずかしさのあまりなんと言ったらいいのかわからない。
海苔でLOVEと書いたいかにも愛妻弁当というものを渡してしまった言い訳を沢山考えていたのに、全て吹っ飛んでしまった。
「あ、そうそう、今日のお弁当も、とっても美味しかったよ。ありがとう。」
いきなり蕩けんばかりの笑顔でお弁当箱を手渡されて、キョーコはギシリと固まった。
「ん?どうかしたの?」
問われて、キョーコは恐る恐るお弁当箱を受け取り、蓮を見上げる。
「…あの…食べ…たんですよね?」
「うん。美味しかったよ。とっても…。」
神々しい笑顔で心を込めて言われたキョーコは思わず赤面してしまう。
「…えっと…」
キョーコはどう答えていいか困惑した。蓮からLOVEについて突っ込まれないことがどうしてなのかわからず頭の中はクエスチョンでいっぱいになる。
ーーー何で?どうして?何がどうなってるの?
蓮があのお弁当を目にしたのなら、困ったように微笑んで気まずい雰囲気になっているはずだ。
それなのに、蓮の雰囲気がいつも以上に柔らかく感じてしまうのがどうしてなのかわからない。
ーーーあ!!もしかして…朝のあれはただの妄想だった…?私ったら妄想でLOVE弁当なんて作ったのかしら??それか…敦賀さんはお弁当箱を開けなかったのかな?そっか!別の人が食べたのかも…!!
「あ、そ、そうですか?それなら…良かったです!!」
ーーーそうよ!!そうに違いないわっ!!
キョーコはそう結論つけることにした。
LOVEはただのリアルすぎた妄想だったか、蓮は見ていないかのどちらかだろう。
ーーー良かった!!きっとこの気持ちもバレてないのね!!
気持ちに気付かれてしまったら今後側にいることは許されないだろう。
蓮は色恋に関係なく慕ってくる後輩だからこそ、文句も言わず面倒を見てくれてるのだ。
「あ、お風呂入られますか?ご飯もう少し時間かかりそうなので…」
「うん。そうだね。じゃあ先にお風呂頂くよ。」
「あ、上着お預かりします。」
「ありがとう。」
「いえ。どうぞごゆっくり。」
いつも通りであることにホッとしたキョーコは、いつも通り蓮に接することが出来た。
脱衣所に向かう蓮を見送って、夕飯の支度に戻る。
危惧していた事態が起こらなかったことに安堵して、次からは妄想でも心臓に悪いことは改めようと心に決めるのだった。
「ご馳走様でした。」
「お粗末様でした。」
晩御飯を終え、二人同時に手を合わせ微笑み合う。
「美味しかったよ。」
「ふふ。ありがとうございます。じゃあ片付けちゃいますね。」
「あ、いいよ。俺がやるから最上さんはお風呂入ってきたら?」
「いえ、そんな!これは私の仕事ですから。」
「わかった。じゃあ手伝うよ。」
二人並んで片付けをする様はどこからどう見ても仲のいい新婚夫婦の図だ。
お互いに、そのことを心の中でこっそり喜んでいることなど気づいてはいなかった。
そんな日々が続き、段々と一緒に生活することにも慣れてきた二人は最初こそ意識していた互いのパジャマ姿にも見慣れてきていた。
「お風呂頂きました。」
蓮は読んでいた台本から顔を上げてキョーコを見た。
「あれ?新しいパジャマ?」
「はい。変ですか?」
「いいや。凄く、可愛い。良く似合ってるよ。」
「あ、ありがとうございます!」
頬を染め微笑むキョーコと、蕩けるような甘やかな表情で話す蓮。
そんな会話を楽しみながら二人は密かに想いを積み重ねる。
そんなある日。
「んー。」
「どうしたんですか?」
「いや、なかなか取れないなって…。」
「あ、私やりましょうか?」
「え?いいの?」
「あ…でも初めてなので…、痛かったら言ってくださいね?」
「うん。じゃあお願いするよ。」
「じゃあここに横になって下さい。」
蓮はキョーコに言われた通り、素直にキョーコの膝を枕に横たわった。
「ん…。」
「あっ!い、痛かったですか?」
「あ、いや…ちょっとくすぐったかっただけ。」
蓮の耳を引っ張り中を覗きこんで何をしているのかといえば、言わずもがな耳掻きだ。
「もう少し奥…かな?」
「あ、これですか?」
「ん…。」
「わっ!取れました!!大収穫かも。」
「うわ、凄いね。」
「ふふ。もう少しじっとしててくださいね。」
「うん。」
蓮はそう言われて軽く目を閉じた。
自分のではない手に触られる感じが何ともくすぐったくて少々恥ずかしいのだが、不思議なほどとても心地が良かった。
「さ、じゃあ逆向いてください。」
「ん。」
蓮はついうっかりうとうとしてしまっていたが、呼びかけられてキョーコの言葉に従って寝返りをうった。
キョーコのお腹側を向いたことでキョーコの優しい香りに包まれたような幸福感を感じて目を閉じたまま顔が緩む。
「あぁー。こっち側は少し見えにくいですね。もう少し上向けますか?」
「…こう?」
「あ、そうじゃなくて、天井側に少し顔を向けて頂ければ…」
「じゃあ、こう…かな?」
キョーコの言葉に従って少し斜め右を向く形で頭の向きを変えれば、キョーコが耳の中を覗き込む為、身を屈めた。
ふぁさとパジャマが蓮の顔に降りかかって、思わず蓮が目を見開いて固まる。
顔も右向きのためちょうど胸の位置がこの辺りだろうかと思ってしまう部分がかなりの至近距離に迫っているのだ。
「あ、これなら見えます。少しじっとしててくださいね。」
「え…?あぁ、う、うん…。」
すっかり目が覚めてしまった蓮の心臓がバクバクと音を立てる。キョーコのパジャマが撫でるように顔に近付いては離れるいうのを繰り返す動作はともすれば女性特有の部分が実は当たっているのではないかという錯覚さえ起こさせ、恋する健全な男の精神には悪すぎだろう。
耳掻きに夢中なキョーコが気付く気配は全くないのがまたさらに蓮は心を試されているような気分になる。
「さ、終わりましたよ。敦賀さん。敦賀さん…?」
「え?あ、あぁ…ありがとう。」
蓮は終わる頃にはぐったりと憔悴しきっていた。理性へのロックをかけることにかなりの神経を擦り減らしたのだ。
「どうでしたか?」
「うん…。えっと…気持ち、良かったよ?」
「そうですか。良かった!」
「だいぶスッキリしたし…。」
起き上がって少しだけさりげなく距離を取る。
赤くなった顔は中々元に戻らないから手で覆って隠しておく。
「ふふ。またいつでもやりますからね!」
キョーコはそんな蓮には気付かずに一仕事終えた満足感でにっこりと嬉しそうに満面の笑顔を見せる。
「…うん。…ねぇ、最上さん…?」
「はい、何でしょう?」
「誰にでも…こんなことしたら…ダメだからね?」
蓮に言われても、キョーコはキョトンと首を傾げるだけだった。
「はい?」
「あぁ…いや。なんでもない。」
「はぁ…。」
蓮の言葉にピンとこないキョーコに苦笑して、蓮は立ち上がった。
「じゃあそろそろ寝ようか。」
「そうですね。」
蓮に合わせて立ち上がったキョーコにふわりと微笑む。
「おやすみ。」
「あ、お、おやすみなさい!」
耳掻きなんて、特別親しくないと出来るはずがない。そう思うと耳掻きをしてもらえる距離にまで近付けていることに自然と笑みが零れた。
いつか、君の特別になれたらーー。
そんな日を願って、蓮はキョーコと仲良くリビングを後にしたのだった。
(続く)
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見に来て頂いてるみなさんに申し訳ないなぁと思いつつ、でもやっぱり出来たから更新!!
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「ただいま。」
蓮の帰宅を知らせる声にキョーコはハッとして慌てて玄関へ向かった。
「あ、敦賀さん、お、おかえりなさい!あの…っ」
キョーコを瞳に写した途端、蓮の顔が甘く溶けて思わずキョーコは言葉を失って口を意味もなくパクパクさせてしまった。
恥ずかしさのあまりなんと言ったらいいのかわからない。
海苔でLOVEと書いたいかにも愛妻弁当というものを渡してしまった言い訳を沢山考えていたのに、全て吹っ飛んでしまった。
「あ、そうそう、今日のお弁当も、とっても美味しかったよ。ありがとう。」
いきなり蕩けんばかりの笑顔でお弁当箱を手渡されて、キョーコはギシリと固まった。
「ん?どうかしたの?」
問われて、キョーコは恐る恐るお弁当箱を受け取り、蓮を見上げる。
「…あの…食べ…たんですよね?」
「うん。美味しかったよ。とっても…。」
神々しい笑顔で心を込めて言われたキョーコは思わず赤面してしまう。
「…えっと…」
キョーコはどう答えていいか困惑した。蓮からLOVEについて突っ込まれないことがどうしてなのかわからず頭の中はクエスチョンでいっぱいになる。
ーーー何で?どうして?何がどうなってるの?
蓮があのお弁当を目にしたのなら、困ったように微笑んで気まずい雰囲気になっているはずだ。
それなのに、蓮の雰囲気がいつも以上に柔らかく感じてしまうのがどうしてなのかわからない。
ーーーあ!!もしかして…朝のあれはただの妄想だった…?私ったら妄想でLOVE弁当なんて作ったのかしら??それか…敦賀さんはお弁当箱を開けなかったのかな?そっか!別の人が食べたのかも…!!
「あ、そ、そうですか?それなら…良かったです!!」
ーーーそうよ!!そうに違いないわっ!!
キョーコはそう結論つけることにした。
LOVEはただのリアルすぎた妄想だったか、蓮は見ていないかのどちらかだろう。
ーーー良かった!!きっとこの気持ちもバレてないのね!!
気持ちに気付かれてしまったら今後側にいることは許されないだろう。
蓮は色恋に関係なく慕ってくる後輩だからこそ、文句も言わず面倒を見てくれてるのだ。
「あ、お風呂入られますか?ご飯もう少し時間かかりそうなので…」
「うん。そうだね。じゃあ先にお風呂頂くよ。」
「あ、上着お預かりします。」
「ありがとう。」
「いえ。どうぞごゆっくり。」
いつも通りであることにホッとしたキョーコは、いつも通り蓮に接することが出来た。
脱衣所に向かう蓮を見送って、夕飯の支度に戻る。
危惧していた事態が起こらなかったことに安堵して、次からは妄想でも心臓に悪いことは改めようと心に決めるのだった。
「ご馳走様でした。」
「お粗末様でした。」
晩御飯を終え、二人同時に手を合わせ微笑み合う。
「美味しかったよ。」
「ふふ。ありがとうございます。じゃあ片付けちゃいますね。」
「あ、いいよ。俺がやるから最上さんはお風呂入ってきたら?」
「いえ、そんな!これは私の仕事ですから。」
「わかった。じゃあ手伝うよ。」
二人並んで片付けをする様はどこからどう見ても仲のいい新婚夫婦の図だ。
お互いに、そのことを心の中でこっそり喜んでいることなど気づいてはいなかった。
そんな日々が続き、段々と一緒に生活することにも慣れてきた二人は最初こそ意識していた互いのパジャマ姿にも見慣れてきていた。
「お風呂頂きました。」
蓮は読んでいた台本から顔を上げてキョーコを見た。
「あれ?新しいパジャマ?」
「はい。変ですか?」
「いいや。凄く、可愛い。良く似合ってるよ。」
「あ、ありがとうございます!」
頬を染め微笑むキョーコと、蕩けるような甘やかな表情で話す蓮。
そんな会話を楽しみながら二人は密かに想いを積み重ねる。
そんなある日。
「んー。」
「どうしたんですか?」
「いや、なかなか取れないなって…。」
「あ、私やりましょうか?」
「え?いいの?」
「あ…でも初めてなので…、痛かったら言ってくださいね?」
「うん。じゃあお願いするよ。」
「じゃあここに横になって下さい。」
蓮はキョーコに言われた通り、素直にキョーコの膝を枕に横たわった。
「ん…。」
「あっ!い、痛かったですか?」
「あ、いや…ちょっとくすぐったかっただけ。」
蓮の耳を引っ張り中を覗きこんで何をしているのかといえば、言わずもがな耳掻きだ。
「もう少し奥…かな?」
「あ、これですか?」
「ん…。」
「わっ!取れました!!大収穫かも。」
「うわ、凄いね。」
「ふふ。もう少しじっとしててくださいね。」
「うん。」
蓮はそう言われて軽く目を閉じた。
自分のではない手に触られる感じが何ともくすぐったくて少々恥ずかしいのだが、不思議なほどとても心地が良かった。
「さ、じゃあ逆向いてください。」
「ん。」
蓮はついうっかりうとうとしてしまっていたが、呼びかけられてキョーコの言葉に従って寝返りをうった。
キョーコのお腹側を向いたことでキョーコの優しい香りに包まれたような幸福感を感じて目を閉じたまま顔が緩む。
「あぁー。こっち側は少し見えにくいですね。もう少し上向けますか?」
「…こう?」
「あ、そうじゃなくて、天井側に少し顔を向けて頂ければ…」
「じゃあ、こう…かな?」
キョーコの言葉に従って少し斜め右を向く形で頭の向きを変えれば、キョーコが耳の中を覗き込む為、身を屈めた。
ふぁさとパジャマが蓮の顔に降りかかって、思わず蓮が目を見開いて固まる。
顔も右向きのためちょうど胸の位置がこの辺りだろうかと思ってしまう部分がかなりの至近距離に迫っているのだ。
「あ、これなら見えます。少しじっとしててくださいね。」
「え…?あぁ、う、うん…。」
すっかり目が覚めてしまった蓮の心臓がバクバクと音を立てる。キョーコのパジャマが撫でるように顔に近付いては離れるいうのを繰り返す動作はともすれば女性特有の部分が実は当たっているのではないかという錯覚さえ起こさせ、恋する健全な男の精神には悪すぎだろう。
耳掻きに夢中なキョーコが気付く気配は全くないのがまたさらに蓮は心を試されているような気分になる。
「さ、終わりましたよ。敦賀さん。敦賀さん…?」
「え?あ、あぁ…ありがとう。」
蓮は終わる頃にはぐったりと憔悴しきっていた。理性へのロックをかけることにかなりの神経を擦り減らしたのだ。
「どうでしたか?」
「うん…。えっと…気持ち、良かったよ?」
「そうですか。良かった!」
「だいぶスッキリしたし…。」
起き上がって少しだけさりげなく距離を取る。
赤くなった顔は中々元に戻らないから手で覆って隠しておく。
「ふふ。またいつでもやりますからね!」
キョーコはそんな蓮には気付かずに一仕事終えた満足感でにっこりと嬉しそうに満面の笑顔を見せる。
「…うん。…ねぇ、最上さん…?」
「はい、何でしょう?」
「誰にでも…こんなことしたら…ダメだからね?」
蓮に言われても、キョーコはキョトンと首を傾げるだけだった。
「はい?」
「あぁ…いや。なんでもない。」
「はぁ…。」
蓮の言葉にピンとこないキョーコに苦笑して、蓮は立ち上がった。
「じゃあそろそろ寝ようか。」
「そうですね。」
蓮に合わせて立ち上がったキョーコにふわりと微笑む。
「おやすみ。」
「あ、お、おやすみなさい!」
耳掻きなんて、特別親しくないと出来るはずがない。そう思うと耳掻きをしてもらえる距離にまで近付けていることに自然と笑みが零れた。
いつか、君の特別になれたらーー。
そんな日を願って、蓮はキョーコと仲良くリビングを後にしたのだった。
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